Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
十日室(25)
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:*.☆。 6周年記念特別寄稿作品 。☆.*:


「十日室」作:八十八十郎(はちじゅうはちじゅうろう)


(25)


 室に異変を感じ取った亜希子と碧は、入り口の扉の手前に居場所を移した。
 畳を敷く幅も無い通路で、毛布の中に身を寄せ合うようにしてうずくまっている。
 時折外からの冷たい隙間風を頬に感じる。
「碧ちゃん、寒くない……?」
 亜希子は碧の身体を抱き寄せた。
「ううん、大丈夫、亜希子さんが温めてくれるから。でも……」
「なに……? どうかしたの……?」
 亜希子は碧の顔を覗き込む。
「さっき亜希子さんを起こす前に、私も変な………悲しい夢を見たの……」
「悲しい夢って……?」
「うん………」
 碧は目を伏せて口ごもった。
 何故か亜希子は後ろめたい感覚を覚えたが、やはり碧に聞かずにはいられなかった。
「碧ちゃん、聞かせて。悲しい夢って……?」
 重ねて聞かれると、碧は目を閉じて亜希子の胸に顔を埋めた。
「夢の中で亜希子さんが……、亜希子さんが小山内さんに愛されてたの」
「え……?」
 亜希子は言葉を詰まらせた。

 室の中で、二人は同じような夢を見ていたのだ。
「ゆ、夢よ碧ちゃん。そんな夢もう気にしないで、忘れましょうよ」
 亜希子はそう口にするのがやっとであった。
「でもすごくリアルで、突き刺さる様に私の胸に迫って来たの……」
 薫に抱かれた感覚が生々しく蘇って、亜希子は口を開くことが出来なかった。
「小山内さんは、何故か分からないけど、男の人みたいに亜希子さんを抱いていたの……。そしてとうとう……、亜希子さんも小山内さんと一緒に……」
「お願い碧ちゃん、もうやめて……!」
 亜希子は強く碧を抱きしめた。
「最後に小山内さんが“まだ中に残ってるわよ”って言って……、亜希子さんはお口で残りを吸い出して、そのままその廻りをきれいにしたの。そしたら小山内さんは、嬉しそうに亜希子さんに唇を重ねて……」
「…………!?」
 亜希子は驚きを覚えた。
 その話は亜希子が夢の中で気を失った後の事のように思われた。
 耐えがたい背徳感が身体を縛る。
「小山内さんと亜希子さんはまるで夫婦みたいに見えて、私は嫉妬と悲しみで胸が張り裂けそうだった……」
 一瞬亜希子は、悦楽に堕ちた自分がその後無意識にした事かと疑った。
 しかし二人が見たのはあくまで夢であり、現実ではないのである。
 夢は実像を二人で一緒に見るものではないとすれば、各々が偶然同じ夢の続きを見たのだろうか。
 亜希子はこの室に夢を見せられているような気がした。
「碧ちゃん、心配しないで。それは夢よ」
 そう言って、亜希子は碧の上体を起こした。
「で、でも……」
「私、この室に宿っている様々な思いが影響してるような気がするの」
 しかし亜希子は、自分も同じ淫夢に堕ちていたことだけは口に出せなかった。
 室のエネルギーに惑わされたとは言え、体の奥底に熱い肉欲の証を浴びながら、自分も獣の様に絶頂を貪ったのは確かだったのである。
「亜希子さん、私を愛して……」
 亜希子は碧の消え入りそうな声にしっかりと頷いた。
「これは夢じゃないわ。私たちはここで本当に愛し合っているのよ」
 亜希子は現実の中で、心から碧を愛したいと思った。
 目の前の潤んだ瞳を見つめながら優しく唇を重ねる。
 毛布にくるまれた二人の身体の匂いを、亜希子は夢うつつに吸い込んだ。


 激しく降りしきる雨音を木々が遮って、何一つ光の無い森の中を不気味な静けさが支配していた。
 落ちた下枝を折る小さな音をさせながら、ひとつの黒い影が山肌から突き立った四角い石積みに近づいていく。
 黒い影は1メートル四方くらいのシート状のものを石積みに被せて、周囲をロープで縛り始めた。
 突然、音も無くもう一つの黒い影が背後から忍び寄る。
「あ!!」
 背後から羽交い絞めにされた影は短い驚きの声を上げた。
「誰だお前! 警察だ、もうあきらめろ!」
 目方慶子の怒声が森の中に響いた。
 もつれ合った二つの影が大きく揺らぐ。
「ああっ!」
 木の根に足を取られた二つの影はもんどりうって地面に転がる。
 慶子は身を翻して影から離れた。
 急いで立ち上がると、3メートルほどの距離を置いて相手と対峙する。
 もう一つの影の右手に、鈍く光るものが握られていた。
「やっぱりあなたね、小山内さん。もうこれ以上不審な行動をとらない方が賢明よ」
 短い沈黙のあと、突然小山内薫は後ろを向いて走り出した。
「待て!!」
 慌てて目方慶子もその背中を追う。
 しかし鍛えた慶子の足も、真っ暗闇の森の中でなかなか薫に追いつくことが出来ない。
 薫の背中を追って狭い木の間を通り抜けた時、突然慶子の足が急こう配の地盤に滑った。
「きゃあ~っ!!」
 目方慶子の悲鳴が暗闇の下に消えた。
 小山内薫はゆっくりと崖下を覗き込むと、再び石積みの場所へと足を向けた。


 広がった毛布の上で、二つの白い女体が逆さまに重なり合っている。
 仰向けで碧の細い腰を抱きながら、亜希子は甘く潤ったものに顔を埋めていた。
 初々しい果物を貪る様に若い花びらを唇でついばむ。
 ふるふると震える小さなお尻を掴みながら亜希子は声を上げた。
「あ……そこは……だめ……」
 敏感な突起には触れられもせずに、先ほどから尿道口を吸われたり舌で弄られたりしているのである。
「なにがだめなの……?」
 再び瞳に怪しい光を宿した碧が、意地悪く聞く。
「で、出そうなの……」
「おしっこしたいんでしょ? いいよ、して……」
「だめよ、そんなこと。汚いわ」
 碧は亜希子の身体を抱いて身を転ばした。
 下になった碧が亜希子の股間から問いかける。
「亜希子さんは、あたしのおしっこは汚いの?」
 亜希子は胸を衝かれる思いがした。
「ううん、そんなこと……。あなたのなら、汚くなんかないわ」
「じゃあ、あたしに思いっきりかけて」
 碧の可愛い唇が亜希子の女を覆った。
 よく動く熱い舌に激しく尿道口を揺さぶられる。

 身を捩る快感と共に、下半身の奥から熱い衝動が込み上げた。
「ああ碧ちゃん、出ちゃう。ごめんなさい、もう出ちゃうわ!」
 思わず亜希子は身を起こして、碧の上で膝立ちになった。
 愛液と共に熱いほとばしりが噴き出す。
「ああ、亜希子さん!」
 薄目を開けた先で、迸り出た小水が湯気を立てて碧の乳房を叩いている。
 切ない疼きが震えながら背骨を駆け上がる。
 やがて迸りは徐々に細まり、黒々とした茂みから名残の滴が碧の身体に垂れ落ちる。
「ああ……、碧ちゃん、ごめんなさい……」
「謝らなくていいの。まだ最後まで出してあげる」
 その声と共に、下から碧が亜希子に吸い付いた。
「あ………あああ……!」
 ぶるぶると亜希子は下肢を震わせた。
 身体から小水を碧に吸い出されながら、亜希子の身体を軽い絶頂が襲った。
「ああだめ……」
 碧の顔に股間を乗せたまま、豊かな乳房を弾ませて亜希子の身体に痙攣が走った。

 毛布の上に投げ出した裸身に、もう隙間風の冷たさを感じなかった。
 うっすらと汗ばんでさえいる亜希子の身体に、上から碧のしなやかな裸身が絡み付く。
 亜希子は濡れた碧の身体を両手で抱いた。
「もう碧ちゃんたら……」
「私、亜希子さんなら平気よ。亜希子さんはどう……?」
「ふふ、もちろん碧ちゃんならあたしも平気。もしあなたが病気になったら、あたしがお口で吸いだしてあげる」
「本当? うれしい」
 乳房に甘えかかる碧の身体を抱いて、亜希子はうっとりと目を閉じた
「ねえ亜希子さん、あたし亜希子さんに二つお願いがあるの」
「うふふ、なに?」
「あたしのお母さんになって……」
 亜希子は目を開けた。
 外の雨音が微かに亜希子の耳に聞こえた。
「ええいいわ……。あなたをずっと守ってあげる……」
 温かい満足感と共に、何故か亜希子は微かな寂しさを覚えた。
 碧とは15歳も年が離れて、もう母親に近い年齢に差し掛かっていたのである。
 碧には別の幸せを迎える時が来るに違いなかった。
「それからもうひとつ……、何だと思う?」
「さあ分からないわ。なに……?」
 亜希子は精一杯の笑顔で碧の顔を見た。

「私の……、私の奥さんになって」
「え……!?」
 言葉が出なかった。
「亜希子さんとずっと愛し合って暮らしたいの。お願い、私の奥さんになって」
「だ、だめよそんなこと! 今はそんなこと言ってるけど、あたしはあなたよりずっと早くおばあちゃんになっちゃうのよ」
「そんなこと何の関係があるの? 生きていくのに、愛し合うのに、私はそんなこと関係ないわ」
「み、碧ちゃん……」
 再び閉じた亜希子のまぶたに熱いものが滲んだ。
「お願い亜希子さん! 私の奥さんになって!」
 亜希子は両手で碧の身体を離すと、小さく首を振った。
「だめ? だめなの亜希子さん……」
 涙声になった碧に亜希子はやっと口を開いた。
「ううん、じゃあ亜希子さんじゃなくて、亜希子って呼んで……」
 大きく見開かれた碧の瞳が輝いた。
「うれしい! うれしい亜希子さん、ううん、亜希子……、亜希子」
 亜希子は16歳の少女の胸に抱かれた。
「碧ちゃん……」
 熱い滴が頬に落ちて来て、亜希子は碧の顔を見上げた。
「んぐ……もう碧ちゃんはだめ。これからは、あなたって呼んで」
 碧の目から次々と涙が落ちてくる。
「うふふ、愛してる、愛してるわ、あなた……」
 亜希子は華奢な少女に優しく両手を伸ばした。
 そのままきつく抱き合った二人は、恩讐の渦巻く室の中で夢見るように唇を重ねたのである。
十日室(24)目次十日室(26)



コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2014/11/23 09:25
    •  どうも、耳に馴染みのある名前だと思っていました。
       今回、初めてWikiを引いてみて、あぁと思いました。
       昔の劇作家にいましたね。
       しかし、こちらの小山内薫は……。
       県職員でありながら、恐ろしい女のようです。
       そう言えば、ゆうべの地震。
       近隣の役所では、防災担当の職員は、みんな緊急出勤したんでしょうね。
       ご苦労様です。
       でも、あの時間だと、飲んでた人も多かったんじゃないでしょうか。
       車は運転できないし、そもそも道路がダメになってるでしょう。
       電車も止まったし、どうやって役所まで辿り着いたんですかね?
       かく言うわたしは、かなり酔っ払ってるときで……。
       大地震だったら、逃げることも出来なかったと思います。

    • ––––––
      2. 八十郎
    • 2014/11/25 20:39
    • 大丈夫でしたか?
      と書き込もうとしましたが遠慮しました。
      思っただけでは何もなりません。
      こちらは何もありませんでしたが、自分が酔って
      揺れておりました。

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2014/11/26 06:30
    •  わたしの住んでる地域では、震度3でした(長野県からはかなり離れてます)。
       それでも、ガツンというショックを感じました。
       ベッドで飲酒中でしたが、幸い、転げ落ちることはありませんでした。
       白馬村あたりの冬は、そうとう厳しいんでしょうね。
       仮設住宅の建設は、春まで待たなければならないでしょう。
       暖かい地方に避難するということは出来ないんでしょうか。

    • ––––––
      4. 八十郎
    • 2016/08/08 21:14
    • こんな会話を交わしたんですねえ。
      早いもので、もう1年と9か月前になります。

      今回は自分も酔って揺れてましたが、周りはもっと揺れていました。(猫じゃ猫じゃ状態)

      長い間あまり変わらなかった熊本も、これから変わらざるを得なくなりました。
      子供のころからの景色が、少しでも甦ってくれればいいなあ。

      突然に失礼しました。


    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2016/08/09 07:51
    • お久しぶりです
       こんな地震があったんですね。
       すっかり忘れてました。
       うちは建て付けが悪いので、震度3でもかなり揺れるんです。

       熊本地震の発生は、21時26分。
       たしかに、すでに飲んでる人はたくさんいたでしょうね。
       飲み屋で飲んでた人は、お金を払えたんでしょうか?
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