Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
十日室(16)
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:*.☆。 6周年記念特別寄稿作品 。☆.*:


「十日室」作:八十八十郎(はちじゅうはちじゅうろう)


(16)


 入り口から正面の奥に、幅2メートル高さ1.5メートルほどであろうか、四角い石の祭壇があった。
 その前面に段下がりで削り出された石の上には、山芋など山の幸が捧げられている。
 神事が始まって一週間を経ても艶やかに新鮮さを保っているのは、毎日供物が届けられているのだろう。
 さらに祭壇の手前には、尺角の石が一間四方を縁取って積まれており、その中に煌々と数本の焚き木が燃えていた。

 岩盤の上の丸い茣蓙に畏まって、白装束と緋袴に身を包んだ碧が一心に祈りを捧げている。
 焚き木の炎しか明かりの無い室の中で、その輪郭をおぼろげに揺らすその少女はまさにこの世のものとは思えなかった。
 碧と同じ空間に身を置いた時、理由も無く亜希子は自分たちが運命を共にするためにここに居るのだと感じた。

 室の中は意外に広く、直径10メートルほどの丸い空間になっていた。
 炎を照り返す岩肌がドーム状に切り上がって行き、見上げればその中心の高さは床から5メートル以上もありそうである。
 そしてその頂点に30センチほどの穴が見えていた。
 焚き木の煙がみるみるその穴に吸い込まれていく。
 その空間は、息苦しさよりむしろ荘厳な雰囲気を湛えていた。

 ふと前を見ると、碧は深々と祭壇に一礼していた。
 亜希子もそれにならってゆっくりと頭を下げる。
 顔を上げた時、碧が振り返って亜希子に笑いかけていた。
 それはもう、現代の若い女の子の表情に違いなかった。
「碧ちゃん、気付いてたの?」
「ええ、中の空気が大きく動いたもの。扉があいて、亜希子さんが入って来たんだって思ったわ」
 碧は茣蓙に両手をついて身体ごと向き直ると、亜希子に愛くるしい笑みを浮べた。
 亜希子は自然と顔が火照るのを覚えた。

「来てくれたんですね」
「ええ、元気でよかった、お疲れ様。一人で寂しかったでしょう?」
 碧は前襟に垂れた長い黒髪を両手で後ろに直した。
 心まで見通すかの様な黒目勝ちの瞳で見つめると、亜希子に向かって口を開く。
「ええ。何だか最初は心細かったけど、毎日お祈りしていくうちに不思議と落ち着いていったんです」
「そう……」
「それから………、落ち着いて行くうちに、いろんなことが聞こえるようになってきて……」
「聞こえる……?」
 亜希子は碧の顔を見つめ直した。
「聞こえると言うか……、わかると言うか……。ふふ、でも今夜はもう休みましょう? 明日またゆっくりお話しできるし。その日の最初のお勤めが済んでから寝るんです。次は朝の6時がお勤めです」
「ええ、聞いて来たわ。6時間置きにお祈りするのよね。じゃあ休みましょう。えっと、寝るときは……?」
 亜希子は立ち上がって廻りを見回した。
 碧は座ったまま亜希子の左の方を指差した。
「寝るのはあそこ、畳を降ろして使うんです」
「畳を降ろす?」

 室の西側に数枚の畳が吊られていた。
 岩の天井に打ち込まれた丸環から数本の鎖が下がっている。
 その鎖の先には鉤爪が付いており、床に触れない高さで畳裏に爪が掛けられていた。
「まあ……」
「宙に吊っておいた方が、湿気なくていいんだそうです」
「なるほどねえ……」
 畳は室の中の空気の流れで静かに揺れていた。
 亜希子は先人の知恵に感心するよりも、何だかその光景を不気味に感じた。

「それからお風呂とトイレはあそこの中で」
 祭壇の後ろ、北西の岩壁から滔々と水が流れ出していた。
 その水は北側の壁沿いに作られた水路を流れて、北東部で2メートルほどに膨らみ、また1メートルから30センチと水流を速めながら、東側の岩壁にある穴から流れ出ていた。
 亜希子は、おそらくその先が以前薫に案内されて見た崖の放水口に繋がっているのだと思った。
 2メートルほどに広がった部分がお風呂で、恐らく深さも増しているのだろう、それまでの青緑色の水の輝きがそのあたりで色を濃くしている。
「とても水が冷たいから、お風呂やトイレは大変なんです」
 亜希子は碧の顔を見た。
「まあ、そうだったの」
「寝る前に用を足すんだけど、身体が冷えて、いつもガタガタしながら寝るの」
「可哀そうに……」
「今日から恥ずかしくて水の中で用を足したら、もっと冷たくなりそう、あはは」
 珍しく碧は笑い声を上げて亜希子の顔を見た。
「ええ……? じゃあ今までどうやって用を足してたの?」
「あ、あの、両側の石に足を乗せて、水を跨いで……」
「まあ、そう……、あははは……」
 亜希子はその情景を思い浮かべて、思わず笑い声を上げた。
「碧ちゃん、恥ずかしくなんかないわ。私とあなただけだもの、そうやっておトイレを済ませたらいいのよ」
「いやです」
「どうして?かまわないわよ」
「だって……」
「向こうを向いて、耳を塞いでてあげるから」
「いやっ。あたし水に入って済ませます」
 碧は頑なな表情で亜希子から顔を背けた。
「困ったわねえ……」
 亜希子は顔を俯けて考えながら、脳裏に浮かんだ情景を口走るのにそう時間はかからなかった。

「じゃあ……、あたしが一緒に水に入ってあげる」
 碧の横顔が心なしか輝いた様に見えた。
「冷たくないように私が抱いててあげるわ」
 碧の口元が微かにほころんだ。
「じゃあ亜希子さんの時も、わたしが一緒に入ってあげる」
 亜希子の背筋を身が震えるような満足感が走った。
「そう、ありがとう。じゃ、早くおトイレを済ませて休みましょうか」
 亜希子は碧に笑いかけると立ち上がった。

 浴槽から下手の、50センチ程度に幅を狭めた水路で二人は立ち止まった。
 水は徐々に道を絞られて、排水溝に向かって流れを速めている。
 水底は浴槽から切り上がって、屈んで入っても胸下まで入るのが精一杯のように思われた。
「衣装を脱がなくちゃね」
 亜希子は水面を見つめながらそう呟いた。
 その横で碧が静かに頷く。
「わたしは恥ずかしくないけど、碧ちゃんは……?」
 水の流れを見ながら、碧は首を横に振った。
「恥ずかしい……?」
「わたし、亜希子さんなら恥ずかしくありません」
「そう。じゃあ……、脱いじゃおうか、あははは……」
 亜希子は笑いながら胸の鼓動が高鳴るのを覚えた。

 亜希子は介添えの白衣を脱ぎ、ブラジャーを外した。
 下は下着を穿いていたが、両手でそれを降ろしながら碧の方を垣間見てみる。
 碧の足元に緋袴が落ち、その上に音も無く白衣が滑り降りた。
 亜希子は秘かに溜息をついた。
 碧は下着を身に着けていなかった。
 小さな白桃を思わせる碧のお尻が亜希子の目に入った。
 それはまさに、汚れの無い美しさであった。
 そしてまたそれは、何物も抗う事の出来ない魅力を湛えていた。
 碧は向こう向きのまま両手を胸の前で組んでいる。
 ほっそりとして、しかし何処にも骨ばったところのない若い裸体は、山奥の静けさの中から生まれ出たかの様に神秘的だった。
 背中に長く垂れた黒髪が炎の明かりで艶を放っている。
「か、髪を上げましょうね」
 亜希子は碧の後ろに立つと、その長い黒髪をまとめ上げて自分のヘアピンで留めた。
 碧の髪と、その身体の匂いを亜希子は夢うつつに吸った。
 何故この若い同性に強く魅かれるのだろうか。
 亜希子は身の内にふつふつと血が沸き立つのをどうする事も出来なかった。

「さあ、入りましょう」
 亜希子は碧の背中を抱く様にして水路の前に立った。
「さあ、一緒に左足から………ひゃあっ!」
「ひっ……」
 山の水は肌を刺す様に冷たかった。
「大丈夫、あたしが抱いててあげる。じゃあ、ゆっくりと……ね?」
 亜希子は水上に背を向ける様にして、碧と一緒に水に身を沈めていく。
「ふううう……」
「ふう……」
 乳房の下まで水に浸かると、亜希子は背中から碧の身体をしっかりと抱いた。
「大丈夫? 碧ちゃん」
「ええ、大丈夫です。温かい、亜希子さん」
「そう、じゃあ済ませちゃいましょう」
 碧の身体をしっかりと抱きながら、亜希子は碧の背中で押し付けた乳首が固くなるのを覚えた。
 恥かしいことだが、碧の柔肌にその存在を訴えているのに違いなかったのである。
「あ、あの、済んだ……?」
 碧は小さく首を横に振った。
「だいじょうぶよ。ゆっくりでいいからね」
 亜希子は思わず目を閉じた。
 感覚が無くなるほど背中が冷たくなりながら、自分のものが熱く潤み始めているのを感じる。

「亜希子さん……」
「え……?」
 亜希子は目を開けた。
「済みました」
「そう。じゃあ、あがりましょう」
 亜希子は碧の身体を抱いて立ち上がった。
 しかしそのまま畳の方へ向かおうとした身体が大きく揺らいで、二人は岩盤の上によろよろと倒れ込んだ。
 山の水で冷えきった亜希子の身体は、思ったよりその感覚を失っていたのである。
「大丈夫、亜希子さん!ごめんなさい、あたしをかばって温めてくれてたから」
「大丈夫、大丈夫よ碧ちゃん。すぐよくなるから」
「だめよ。今度は私が温めてあげる」
 そう言うと碧は、畳に掛けてあったタオルで亜希子の身体を拭いた。
 畳を敷いてその上に亜希子の身体を導く。
 裸のまま上から亜希子に身体を重ねると、碧は二人の身体を薄い毛布で覆った。
「大丈夫?亜希子さん、大丈夫?」
「大丈夫よ、碧ちゃん。ちょっと冷えただけよ、心配しないで」
「ごめんなさい……」
「謝ることなんかないわ。あたし今、とっても気持ちいいわ。じゃあ、このまま寝ちゃいましょうか。ふふふ……」
 亜希子は碧の身体を強く抱き締めたかった。
 しかし今は、その華奢な肩を優しく抱いていた。
 碧との最初の夜を、亜希子は眠りに向けて静かに目を閉じたのである。
十日室(15)目次十日室(17)



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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2014/09/15 09:48
    •  ↓詳しい着方が載ってました。
      http://www.geocities.jp/miyu_neo/neta/neta009-kituke.html
       ↓コスプレ用衣装は、廉価で販売されてます。
      http://hb.afl.rakuten.co.jp/hgc/1314d3c3.e866df92.1314d3c4.42bfcce4/?pc=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fmoderne-shop%2fcosplay-miko2-ishou%2f%3fscid%3daf_link_txt&m=http%3a%2f%2fm.rakuten.co.jp%2fmoderne-shop%2fn%2fcosplay-miko2-ishou
       冬場は、これを着て執筆するかな。
       面白いものが書けそうじゃ。
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