2014.7.5(土)
山の奥深く、太古の闇に蝋燭に照らされた女体が浮かびあがった。
固く閉じ合わされた亜希子の眉毛が微かに震えている。
「すごくきれいよ……」
薫はため息交じりに呟いた。
「それに……、それにあなた、なんていやらしい身体なの……」
後ろ手に裸身を大木に繋がれたまま、亜希子は薫の言葉を聞いた。
「お願い、もう許して………」
「許す………?」
薫は亜希子の前に歩み寄ると、右手を亜希子の顎にあてて上向かせた。
「何を言ってるの、あなたは……?」
亜希子の顎から滑り降りた右手の指が、亜希子の左の乳首をひねり上げる。
「いやっ! 痛いっ!」
亜希子は顔を上げて薫に訴えた。
薫は乳首をひねり上げたまま、亜希子に言った。
「いや? 木の肌を感じただけでこんなに乳首を固くして……」
乱暴に亜希子の乳首を離すと、薫は横殴りに亜希子の乳房を手で叩いた。
「痛いっ! やめてっ!!」
湿った音とともに乳房が激しく弾み、夜目にも亜希子の肌が赤く染まり上がる。
「あなたにはまだ、お山の心が伝わっていないの。あたしがあなたをお山とひとつにしてあげる」
薫は傍らの真希に目配せをした。
真希は亜希子の後ろ手の手錠を外すと同時に、薫は亜希子の身体を抱きしめる。
「は、離して」
身を荒げる亜希子の両手は、再び真希から後ろ手に手錠がかけられた。
薫は乱暴に亜希子の身体を投げ放つ。
亜希子の裸身は土にまみれながら地面に転がった。
薫は傍の枯枝を拾い上げると、地面に転がった亜希子の前に立った。
柔らかそうな脇腹の肌に向かって枯枝が風を切る。
「きゃあっ!!」
白い肌にみるみる赤い筋が走った。
熱い石の上に落とされた虫の様に、亜希子の裸身がうねる。
「亜希子さん、身体でこのお山を感じるのよ」
薫はそう言うと、二度三度と亜希子の身体に枝を振るった。
白い肌に黒い土を付けながら、亜希子の裸身が転げまわる。
「ふうっ……、どうっ? どうなのっ!」
薫が手を振る度に肉を叩く音が響き、何度となく亜希子の悲鳴が闇を引き裂いた。
「いやっ、痛いっ! もうやめて! ゆるして!」
「地面に転がって、お山を感じなさい!」
薫は傍らで見守る真希に目配せをする。
真希はのたうつ亜希子の身体を仰向けにすると、無理やりその両足を開かせる。
「いっ、いやっ!」
枯枝を投げ捨てると、薫は亜希子の上に身をかがめた。
「いやじゃないでしょ!」
右手が弾む乳房の膨らみを掴む。
「どう? 身体が熱くなってきたんでしょ?」
薫の言葉と同時に、真希の顔が亜希子の両足の間に割り込む。
「ああ、だめっ!………!!」
乳房を掴まれたまま、亜希子の身体が反り上がった。
自分の女に真希が吸い付いたとたん、体中に電気が走り抜ける様な刺激を覚えたのだ。
激しく弾む乳房を再び薫の手が叩く。
「どう?! お山を感じなさい! 堪らないでしょう!!」
その膨らみが形を変えるほど、薫は亜希子の乳首をひねり上げる。
「あああ~~~っ………いやあ~~~っ!!」
「どう、身体が熱くなってきたでしょう? もうすぐあなたはお山とひとつになるのよ」
亜希子の敏感な突起を真希の唇が覆い尽くした。
「あぐううう~~………っ! ああもう……!」
「真希、まだだめよ!」
薫は亜希子の乳首から指を離すと真希に言った。
薫は何故か腕時計で時間を確かめた。
真希の唇は、濡れた亜希子の繊毛に戯れている。
地面の上で身をくねらせる亜希子の耳に、聞き慣れた携帯の曲が聞こえた。
それは夫からの着信に違いなかった。
「ふふふ、ご主人からかしら? 大丈夫、あたしがとってあげるわ」
「あ……、ちょ、ちょっと待って……」
さすがに我に返った亜希子に構わず、薫は亜希子の携帯を服から取り上げた。
通話ボタンを押すと、亜希子の耳に添わせる。
(ああ、亜希子?)
「え、ええ……、あ、あなた」
(どう、元気かい?)
「ええ、あたしは元気よ、そっちは……?」
(うん、大丈夫、元気だよ。)
両足の間で耳を澄まして聞いていた真希が、意味深な笑みを漏らして薫の顔を窺う。
薫はそれに気付くと片頬を緩めて微かに頷いた。
「ちゃんと……、んっぐ! ご、ご飯食べてる?」
亜希子の口調が途中で不自然に強張った。
真希の赤い舌が亜希子のしこったものをゆるゆると弄ったのである。
(うん大丈夫。ちゃんと食べてるよ……。)
「悪いけど、もう少し我慢してね」
(ああ、こっちは心配しなくていいから……身体に気を付けてな。)
「う……んっ、く……」
亜希子は携帯から顔を背けて大きく身体を震わせた。
しこり立ったものが真希の熱い口の中に吸い含まれたからである。
(亜希子……、おい亜希子………?)
ぬるぬると真希の舌に絡まれるのを感じて、亜希子は泣きそうな顔で薫を見た。
薫は片手で携帯を覆う。
「あはああ………」
亜希子は喉の奥から切なげな息を吐いた。
「真希ちゃん……」
薫の声で真希は亜希子のものを吸い離す。
再び耳に添えられた携帯から夫の声が聞こえる。
(亜希子? ……おい……。)
「あなた、ごめんなさい。ちょ、ちょっと野良猫がね……」
(野良猫? そこに野良猫がいるのかい?)
「あ……、ええそうなのよ」
(ああ、もうそこにも慣れてきたみたいだね。)
返事をする前に携帯が亜希子から遠ざかった。
真希の唇が再び亜希子のクリトリスを覆う。
「あ、くっ………」
頤を上げて震えた亜希子の唇に、薫の唇がねっとりと重なった。
(亜希子、亜希子………?)
「んぐ………」
しこり立ったものを真希の舌に優しくなぶられる。
薫と深く唇を重ねながら、亜希子はぶるぶると裸体を震わせた。
携帯を片手で覆うと、薫は亜希子と唇を触れ合せながら囁く。
「亜希子さん、大丈夫。ご主人だって一人じゃないかも……」
「そんなこと……」
「どうかしら?」
薫は腕時計に目をやると携帯を亜希子の耳に戻した。
「あなた、今一人なの?」
亜希子の問いかけと同時に、濡れそぼったものを激しく真希に貪られ始めた。
(あ、ああ……、一人だよ。……ん……、誰がいるっていうんだい?)
「い、いえ、……うっ……別に」
(じゃ、また電話するから……。んぐ………うっ!)
「あなた………、あなた……?」
返事が無かった。
「どうかしたの!?」
(あ……、ごめん、ふう………ちょっとお湯が沸いたもんだから。)
心なしか気の抜けた様な夫の返事が聞こえた。
「あ……、そう。ね、もう、もう切るわよ、明日も早いからっ………ねっ」
再びクリトリスに真希の舌が絡み付くのを感じながら、亜希子は早く夫との会話に区切りを付けようとした。
(ふうう……、あそうか。じゃあ、身体に気を付けてな。)
「うん、じゃ、じゃあね!」
薫が携帯を切るのを見ながら、亜希子は思い出したように身を捩った。
「はああ…………!」
気を許した途端、亜希子の身体を堪らない愉悦が支配したのだ。
薫は亜希子の乳房に顔を押し付けると、いきり立った乳首を噛んだ。
「あうっ!!」
敏感なしこりを熱い口中に含まれながら、濡れそぼった中に上向きの真希の指が滑り込んできた。
「ああっ、いやああ~!」
肩から背中にかけて、ざらざらと山の土が纏い付いて来る。
「なにがいやなの! いやじゃないんでしょ!!」
仰向けに弾む亜希子の乳房を、薫の手の平が二度三度と叩く。
「ひいっ……、やめて!」
「旦那にまで嘘をついて、とんでもない悪い奥さんだわ!」
薫はそう吐き捨てる様に言うと、亜希子を後ろ手に拘束している手錠を外した。
「でも心配いらないわ。さっきはあなたと話しながら、旦那さんも誰かに精を吸い出されたみたいよ」
「う、嘘っ、そんなこと!」
「うふふ、もうそんなことどうだっていいわ。さあ亜希子さん……」
両手首を掴んで万歳するように地面に押し付けると、上から目を見つめる。
「嫌がってるふりをして、あなた堪らなく気持ちいいんでしょう? あたしには解るのよ」
亜希子の返事を聞く前に、薫は揉み込む様に亜希子の唇を奪った。
「んぐふう……」
荒い鼻息を相手の頬に吹き付けながら、亜希子は滑り込んで来た薫の舌を吸った。
湿った音を立てて唇を吸い離すと、薫は囁く。
「気持ちいいって言ってごらん……」
「い、いや………」
「この土の上で犯されて、身体が熱いんでしょう? たまらないんでしょう?」
そう呟きながら、薫は亜希子の下半身に視線を向ける。
太腿の間では濡れ光った繊毛に鼻を埋めた真希の顔が、ゆるゆると左右に動いていた。
亜希子の両手が強く薫の手を握り返してくる。
軽く肘を曲げた真希の右手が、亜希子の潤みの中で動きを速める。
「あ、あああ………」
亜希子の上半身が狂おしくうねり始めるのを見ると、薫は薄笑いを浮かべて言った。
「ほらもう何を言ってもだめよ。あなた、気持ちいいんでしょう?」
「あうう、い、いや、そんなこと……」
薫は亜希子の右手を離して、傍らの土を掴んだ。
そのまま上向きの亜希子の乳房を掴み込む。
「ひゃあっ……」
身を反り上げて亜希子は叫んだ。
白い膨らみが土にまみれ、そのざらつきの中でまるで小石の様に乳首が弾き立つ。
指でプルプルとしこりを弾きながら、薫は唇を触れ合わせた。
「ほらっ、気持ちいいて言ってごらん!」
「ああもう……」
「なに、さあ言って!」
「き、気持ちいい………」
土と共に押し潰すように乳房を掴むと、薫は亜希子に唇を重ねた。
亜希子は思わず乳房を押し潰した薫の手を掴む。
「はあはあ……、どう?もう自分だけ満足したい?それとも、欲しい物があるんじゃない……?」
薫は自分も息を荒げながら亜希子に囁いた。
「え、ええ……欲しいの………」
それを聞くと、薫は泣き顔にも似た歓喜の表情を浮かべた。
「お山があなたの中に………。愛したいのね、分かったわ」
薫は身を起こして真希の方を見た。
「さあ真希、生まれたままの姿になって」
おもむろに顔を上げた真希の唇が、蝋燭の炎にキラキラと輝く。
薫に抱き起された亜希子は、目の前で次々と露わになっていく若い身体をうっとりと見つめていた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2014/07/06 09:27
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やる方も見る方も、愛好家が少なからずいるようです。
泥浴びをしてる動物を見ると、ほんとに気持ちよさそうです。
寄生虫を取ってるそうですね。
人間も、大昔には、泥浴びをしてたんじゃないでしょうか?
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2. ハーレクイン- 2014/07/06 09:55
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なんかねえ。
愛好家が多い。
ふうん。ま、動物が好むのはよくわかります。
サイの泥浴び、ほんとに気持ちよさそうです。
わたしは、やる気はしませんが。
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3. Mikiko- 2014/07/06 12:58
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毎年、佐賀県鹿島市で行われるイベントです。
外国からの参加者も多いそうです。
↓こういう画像を見れば、人も泥んこが大好きということがわかります。
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140706124928999.jpg
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4. ハーレクイン- 2014/07/06 13:54
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ま、好きにしろ、というところですが……。
この手のものですと、やはり釣りキチ三平でしょうか。
「キチ」はいかん、ということらしいですが。
ま、元気いっぱいでしたよねえ、三平くん。