Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
十日室(7)
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:*.☆。 6周年記念特別寄稿作品 。☆.*:


「十日室」作:八十八十郎(はちじゅうはちじゅうろう)


(7)


「あそこが室の入り口です」
 薫の声に、亜希子はきつい上りの山道から顔を上げた。
 10メートルほど先で道は二股に分かれている。
 左の道はまだ上に向かい、右は山の北側が削げ落ちた辺りで急に途切れて、その手前の山肌に頑丈そうな木の扉が見えた。
「ちょっと見て行きましょう」
 そう言うと薫は右の道に進んだ。

 山肌に露出した岩を四角く削り込んで、一枚の扉が嵌め込まれていた。
 いかつい蝶番を直に岩に打ち込んで、茶褐色の堅木の一枚板が吊りこまれている。
 幅60センチ高さ150センチ程度の大きさで、大人ならかなり身を縮めて入る大きさである。
 何の理由か3か所ほど開けられた5センチ程度の穴を見ると、板の厚みは有に2寸以上ありそうだった。
 板の厚みを推し量れるのは、室のかなり奥からぼんやりと光が届いていたからである。
 亜希子はその扉を見て、室というより牢屋を連想した。
「入り口は小さいけど、中は案外広いんですよ」
 黙って扉を見つめる亜希子に薫は言った。
「そうなんですか……」
「3メートルほど岩穴を抜けると、その先は10メートルくらいの丸い空間になっています。それに………」
 薫は右の道の途切れた辺りを指差した。
 山肌に30センチ程度の穴が開いて、谷底に向けてかなりの量の水が流れ落ちている。
「室の中には山水の溜まる天然の水槽があって、溢れた水はあの穴から外へ出て行くんです。つまり、室のお風呂やトイレの役割も果たしているわけですね」
「へえ……、すごいですね」
 亜希子は最初の不気味な印象に加えて、誰がこんなものを作ったのか気になった。
「どれくらい前に作られたものなんでしょう?」
「郷土史では300年以上前だと言われています。ただし科学的に鑑定した結果ではありませんが」
「けっこうな史跡だと思うんですが、なぜもっと紹介されなかったんでしょうね……?」
 薫はそれには答えず、再び扉の前に立った。
「この小さな板の上げ下ろしで食事などのやり取りをします」
 扉の最下部に幅40センチ程度の板が取り付けてあり、それが上下に動いて中と物のやり取りが出来る様になっていた。
 亜希子は急に中の碧が哀れに思えて、丸い穴に向かって声をかけた。
「碧ちゃん、碧ちゃん。 大丈夫!? 元気……?」
 しばらく待ったが、碧からの返事はなかった。

「じゃあ、行きましょう。碧ちゃんはもう寝てるのかもしれません」
「きっと大丈夫よ亜希子さん。あたし寒くなったわ。もう行きましょう?」
 真希にも急かされて、亜希子は仕方なく二人の後に続いた。
 ところが5メートル程度戻った時だった。
「亜希子さん、亜希子さん……」
 扉の方から微かに碧の声がした。
「碧ちゃん!」
 亜希子は急いで扉へ向かって走ろうとした。
「室に入る前に直接巫女を見てはいけません!」
 薫の強い口調に亜希子の足が止まった。
「亜希子さん、わたし大丈夫よ。わたし今は寂しいけど、亜希子さんが来てくれるのを待ってる」
 何故か亜希子は、胸が締め付けられる思いを感じた。
 亜希子の肩に薫の手がそっと添えられる。
「亜希子さん、行きましょう。今は巫女の寂しさをつのらせるだけです」
「ええ……」
 亜希子は後ろ髪を引かれる思いで、再び薫たちの後を歩き始めた。

 やがて細い山道は森を押し広げる様にしてこじんまりとした草地になった。
 どうやらこの道は、頂上へ続く道ではなかったようである。
 そのまま薫は草地に踏み込んで行き、ひと際太い木の前で足を止めた。
 近づく亜希子と真希を振り返ると薫は口を開く。
「亜希子さん、あなたはやはり介添えに選ばれた人だったわね」
「え………?」
 薫の前で亜希子は怪訝な表情を浮かべた。
「室の中から碧ちゃんの声がした時、あなたは堪らなく彼女を愛しく思ったでしょう?」
 亜希子は返す言葉が見つからなかった。
 自分でも説明出来なかったが、その時大きな感情の高ぶりを感じたのは確かだった。
「私にはわかるのよ、亜希子さん……」
 月明かりを背にした薫の輪郭が、じっと亜希子を見つめていた。
「私も介添えだったから……」
「えっ!?」
 亜希子が呆然と見つめる中、薫は傍らの真希を抱き寄せる。
 暗闇の中で二つの影が重なり、二人は深々と唇を重ね合った。
 やがて口づけを終えた真希はそのまま薫の肩に頬を寄せた。
「ま、真希ちゃん、あなた………」
「そう、わたしたちは巫女と介添えだったの……」
 亜希子の頭は混乱した。
 カメラマンの真希と薫が巫女と介添えの関係だったこと、そして先日亜希子が見たような肉体関係であること。
 そして自分も真希と快楽を共にしたことを思い出した時、思わず亜希子は両手で顔を覆っていた。

「室の中で、真希は変わったのよ、私の目の前で……」
「も、もうやめて……。何だか分からないけど、私には介添えなんて出来ないわ……」
 薫の両手が亜希子の肩を掴んだ。
「いいえ、あなたはそれを見届けるの。それにあなたがいなければ、碧ちゃんは変わらないのよ」
 その言葉に亜希子は顔を上げた。
 目の前で薫の瞳が輝いている。
「そう……、碧ちゃんはあなたを待っているのよ」
 亜希子の身体に微かな戦慄が走った。
「碧ちゃんが私を待ってる………」
 亜希子の呟きを聞くと、薫の顔に笑みが浮かんだ。
「あなたは肉体的にはもう条件を満たしているわ。真希との行為を見てもね」
「えっ……!」
 亜希子は驚きの表情を向けた。
「見てたんですよ……。うふふ、夢中で気付かなかった?」
「そ、そんな………」
 亜希子は真希の視線から顔を背けた。
「あなたにはまだ心のフォローが必要よ。お山と一つになるためのね」
「お山とひとつになるって……」
 そう呟いて顔を上げた時、突然亜希子は薫に抱きすくめられた。
「ふむう……っ!」
 ねっとりと唇を奪われる。
「んむ!、んむう………」
 両手を突っ張って抗う亜希子の身体を、薫は構わず後ろへ押し込んでいく。
 亜希子の背中が大きな木の幹に押し付けられた。
 ジャージ越しにザラザラとした木肌の感触を背中に感じる。
 おそらく真希の仕業だろう、両手を掴まれ幹の後ろに廻された。
「ぷはっ! 何するの、や、やめてっ!」
 やっと薫の唇を振り解いた亜希子が叫びを上げる。
「大丈夫よ、亜希子さん。無理に暴れなければ痛くはないわ」
 両手首を何か手錠の様な者で繋がれ、背中を幹に押し付けたまま亜希子は大木に拘束された。
「か……、薫さん………」
 亜希子は恐怖でそれ以上言葉が出なかった。
 薫は脇に身を沈めると上着から何かを取り出した。
 ライターで火をつける音がすると、やがて揺らめく光を放って炎が立ち上がる。
 それは15センチ以上もあるだろうか、大きな和蝋燭だった。
 暗闇で気が付かなかったが、木の左右に50センチほどの岩があり、薫はその上に蝋燭を立てて二つの明かりを灯したのである。

 亜希子の前で、薫は陰影に揺れる笑みを浮かべた。
「さあ亜希子さん……、あなた自身の身体で、お山の木や風や土を感じるのよ。そして、お山とひとつになるの」
 薫の手が亜希子の上着のジッパーにかかり、ゆっくりと引き下ろされる。
「お願い薫さん……やめて……」
 ジッパーを引き終わると、薫の左手が亜希子のブラジャーの前を引っ張る。
 右手に握られたカッターの刃が蝋燭の灯に輝いた。
「い、いやあ~っ!」
 亜希子は恐怖の叫びを上げた。
「亜希子さん、怖ければ大きな声を出しなさい。でもここは近くに民家も無いし、誰にも聞こえないのよ」
 ブラジャーが切れて左右に跳ねた。
 薫が左右に衣類を引き開けると、亜希子の形の良い乳房が現れる。
「い、いや、やめて………」
 亜希子は蚊の鳴く様な声を上げた。
「大丈夫、なにも怖い事なんてないの。お山を感じて……」
 うなだれた亜希子にそう言いながら、薫は真希に目で合図する。
 真希は亜希子の前にひざまずくと、ジャージのズボンに手をかけた。
「いやあ~~っ!!」
 亜希子のひと際高い叫びが上がった。
 ジャージが下着ごと足首まで引き下ろされたのである。
 亜希子の黒々と濡れた様な茂みが、蝋燭の灯火に輝いた。
「う、うう……、もう……お願い、やめてぇ…………」
 亜希子は消え入るような泣き声を上げた。
「大丈夫、亜希子さん感じるのよ……。怖くはないの……」
 肩を震わす亜希子にそう呟きながら、薫は残りの衣類にカッターの刃を入れ始めた。
十日室(6)目次十日室(8)



コメント一覧
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    • ––––––
      1. ハーレクイン
    • 2014/06/28 12:29
    • 2寸はすごいな。
      およそ6センチだよ。
      あれ?
      碧ちゃんはもう中に入っているのか。
      もう、よくわからなくなってきたよ。
      で、
      >亜希子さんが来てくれるのを待ってる
      かあ。
      そうか。そうなのか。
      で、薫さんと真希さんの衝撃の関係。
      巫女と介添え!
      しかし、カッターナイフで切り裂いて脱がすというのは、やはり相手の恐怖心を増大させるんやないかね。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2014/06/28 13:40
    •  やっぱり、一番の問題は、トイレですよね。
       自然の水洗トイレは、ナイスアイデアだと思います。
       どうせなら、ウォシュレットも欲しいところです。
       お尻を水に漬けると、魚が食ってくれるってのはどうでしょう。
       男性は、玉をかじられてしまうでしょうから、女性しか使えませんね。

    • ––––––
      3.
    • 2014/06/28 16:08
    • 魚は玉を舐めてくれるんではないかね。
      気持ちよさそー。

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2014/06/28 20:06
    •  丸いものを見ると、噛む習性があります。
       あ、あれは、ウキか。
       まーた、ただの酔っ払いになってますぞ。

    • ––––––
      5. ハーレクイン
    • 2014/06/28 21:20
    • 片目の運転手。
      またあるときはインドの魔術師……。
      しかしてその実態は……ただの酔っ払いだ!

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2014/06/29 09:31
    •  色盲だろ。

    • ––––––
      7. ハーレクイン
    • 2014/06/29 09:57
    • 色弱です。
      それにしても、「色盲」が一発変換できないんだよね。
      どういうことや!

    • ––––––
      8. Mikiko
    • 2014/06/29 12:13
    •  放送禁止用語や差別語を、辞書に登録しない傾向があります。
       どういうものなんでしょうね。
       最近は、「将棋倒し」も放送禁止用語だそうです。
       将棋連盟からの申し入れだとか。
       こういうのを、“圧力団体”と云うんではなかろうか。

    • ––––––
      9. ハーレクイン
    • 2014/06/29 19:14
    • 「将棋倒し」が放送禁止用語!
      それはもう、無茶苦茶ですな。
      言語テロ、と言いましょうか、文化破壊とでもいうべきでしょうか。

    • ––––––
      10. 八十郎
    • 2014/06/29 19:25
    • 朽ち木倒し。
      一発で変換出来た。

    • ––––––
      11. Mikiko
    • 2014/06/29 19:46
    •  思いがけない言葉が、放送禁止用語になってます。
       「エチゼンクラゲ」「町医者」「川向こう」に……。
       ↓なんと、「板前」まで!
      http://matome.naver.jp/odai/2129161906892202301
       「朽ち木」。
       全国の朽木さんが文句を言ってこない限り……。
       今後も、放送禁止用語になることはないと思います。

    • ––––––
      12. ハーレクイン
    • 2014/06/29 20:27
    • はなんとなく納得だが、「エチゼンクラゲ」「川向う」が何で放送禁止用語なんだよ。全く理解できん。
      しかも「板前」が禁止ぃ!
      板前さんと云わねばならないそうです。かえってバカにしてるんやないのか!
      あやめはあくまで板前です。
      八十郎さん。
      よう「朽ち木倒し」を知ってはりますなあ。
      やってはったんですか、柔道。

    • ––––––
      13. Mikiko
    • 2014/06/30 07:40
    •  被差別部落を指す用語だったりしたからのようです。
       「ラッシャー板前」は……。
       「ラッシャー板前さん」と言わねばなりません。
       「双手刈り」は両脚タックル。
       「朽木倒し」は片脚タックルってことか?

    • ––––––
      14. ハーレクイン
    • 2014/06/30 14:00
    • そういえば「板さん」という呼称もあったなあ。
      ラッシャー板さん。なんか力が抜けるな。
      双手刈りと朽木倒し。
      そういうことですね。
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