Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
身体の涙(9)
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「身体の涙」作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(9)


 平日の午後、優美はソファーに背をもたれながら気怠い溜息をついた。
 テレビではいつものワイドショーで、司会者、解説者、タレントなどが何やら勝手なことを議論している。
「あ~あ・・・。」
 今度は締まりのない声が出てしまった。
 優美は目の前のテレビの画面などほとんど目に入ってはいなかった。
 もう今日で一週間以上奈緒子と会っていない。
 優美はやはり奈緒子に会いたかった。
“どうして私がこんな・・・?”
 ふとそんな疑問に囚われることもあった。
 しかし奈緒子の笑顔を思い浮かべ、そして彼女とのひと時を思い出すと、そんな疑問はどこかへ消え去ってしまうのだ。
 最初の関係を結んでからもう二か月になる。
 おそらく身体を合わせた回数も、両手の指では足りなくなっていた。
 時には3時間以上愛し合ったこともあるし、何となくどちらかが求めて三日連続で関係してしまったこともあったのだ。
 そして二人が会う機会を得る主導権は、圧倒的に奈緒子が握っていた。

 前回愛を交わした後、ベッドで優しく優美を抱きながら奈緒子は言った。
「優美ちゃん、あたしテレビの仕事で明日から出張しなくちゃならないの。一週間くらい沖縄に行くのよ。」
「一週間も・・・? でも仕事なら仕方ないよね。」
「ええ・・・。でもあたし、優美ちゃんに会えないから寂しいのよ。」
「それは、あたしだって寂しいわ・・。」
「本当? でも優美にはご主人や子供さんがいるから、あたしほどじゃないわよね。」
 奈緒子は少し硬い口調でそう言うと、優美の耳たぶを指でつまんだ。
 優美はその指を握り取ると奈緒子に言った。
「どうしてそんなこと言うの? あたしだって寂しいわよ。」
 奈緒子のクールな表情に少し陰りが見えた。
「ごめんなさい、意地悪なこと言っちゃって。正直に言うと、あたし時々・・・、あなたがご主人と仲良くしてるとこ想像しちゃうの。そんなこと、当たり前のことなのにね。」
「あ・・、うん・・・。」
 そう呟いて、優美は奈緒子から目を伏せた。
「ご主人とはうまくいってる? いつも仲良くしてるんでしょ?」
「仲良くって、普通よ。まあ夫婦だから、その・・。」
 優美は自然と顔が紅潮するのを覚えながら答えた。
「時々可愛がってもらうんでしょ?」
「・・ごめんなさい・・・。でもそれは仕方ないでしょう? たまに主人に求められることもあるから・・・。それに私、今はあなたとこうしてる時が一番幸せなの。ほんとに私・・、私ったらもう・・・。しばらく会えないなんて、ほんとに寂しいのよ・・・。」
 優美はほとんど涙ぐみそうになった。
 奈緒子は慌てて優美の身体を抱いた。
「ごめんなさい、もうこんなこと言わない。言わないからずっとあたしと一緒に居て・・。」
 優美はその願いに返事が出来なかったが、一層奈緒子に身を添わせながら口を開く。
「もういいの、何も言わないで・・。私こうしてる時、とっても幸せよ・・。」
 奈緒子はそれを聞くと改めて優美を抱きしめ、思いを込めて唇を重ねた。
 ほどなく子供が帰る時間が近づいて、優美はベッドを降りて帰り支度を始めた。
 奈緒子は全裸でベッドにうつ伏せのままぼんやりと着替えを見ていたが、身支度が整った優美に声をかけた。
「じゃ優美ちゃん、しばらく会えないけど元気でね。出張中はなかなか電話に出れないかもしれないけど、出来るだけ合間に電話を返すから。」
 その言葉に何か引っかかるものを感じたが、優美は笑顔で奈緒子に答える。
「ええ、気を付けて行ってらっしゃい。元気でね。」
 優美が部屋のドアを開けて出て行こうとすると、
「優美、あたし寂し~い。」
 そう言って奈緒子は全裸でベッドを降り、今にも優美に飛び付いて来そうな仕草をしたので、
「きゃっ! さよなら。」
 優美は笑いながら外へ出て行ったのだ。

 そんな事をぼんやりと思い出しながら、優美はだんだん腹が立ってきた。
 奈緒子からの電話はこの八日間で二度あっただけだった。
 しかも優美から5回電話して、まともに通じたのはたったの1回きりだったのである。
「奈緒子さんたら、あんなこと言っといて・・。」
 優美はすねた呟きを漏らした。
 仕方なく立ち上がると、優美は窓越しに庭の景色を眺めた。
 昼下がりの陽光に照らされて、二日ほど前から咲き始めたアジサイの花が輝いている。
“まあ、きれい・・。”
 優美の憂鬱がアジサイの花で消えかかった時、リビングの電話が鳴り始めた。
 優美は待っていた電話だと直感しながら、一呼吸置いて受話器を取った。
「はい、副島です。」
「もしもし、優美ちゃん? 沢田です。さっき東京に帰って来たの。元気だった?」
「ええ、元気です。奈緒子さんも出張お疲れ様でした。」
 優美は甘えかかりたい気持ちを押えながら、出来るだけ冷静に答えた。
「何? 優美ちゃんなんか変よ・・。あの、今から会いに行っていい?」
 優美はまだ頑なな気持ちで答える。
「う~ん、でも、もうすぐ子供が帰ってくるの。」
「え~? まだ1時過ぎだから、少し時間あるでしょう? お願い、今外だからあんまり話せないけど・・・、あたしとってもあなたに会いたかったの。お願い、ね?」
 奈緒子は途中から声を低め、小さく囁くように言った。
 優美は微かに胸が熱くなるのを覚えた。
「ええ、じゃあ少しだけなら・・・。」
「ありがと、あたしすぐ行くから。じゃまた後で。」
 奈緒子は急に明るい声になると電話を切った。
“もうっ、勝手なんだから。”
 優美は心の中でそう憤慨したが、駄々をこねる息子と接する時と同じように、その言葉尻まで行きつく前に口元が緩んでしまっていた。

 40分後、優美はリビングに立ったまま奈緒子に抱きしめられていた。
 頤を上げたまま、ふくよかな唇を深々と奈緒子に奪われている。
 性急な奈緒子の求めに、カーテンを閉める暇も無かった。
 湿った音を立てて唇を吸い離すと奈緒子は囁いた。
「会いたかった。優美ちゃん、会いたかったわ・・。」
「あたしも・・・。」
 優美の微かな声に奈緒子は微笑んだ。
「ね、ベッド行こう・・?」
 奈緒子は優美の返事を待たずにその手を引いてベッドルームへと向かう。
 あまり時間が無い事もあって、ベッドルームに入るなり服を脱ぐと二人は下着姿のままベッドに倒れ込んだ。
 奈緒子は優美の身体を強く抱いてその頬を重ねる。
「寂しかったわ。あたし、とっても優美ちゃんに会いたかった。」
「本当・・・?」
 優美はうっとりとなりながらも、確かめる様に奈緒子に聞き返す。
「本当よう! それなのに、さっきの電話で優美ちゃん何だか冷たいんだもん・・・。」
 それを聞いた時、優美は背筋にゾクゾクとした悦びが走るのを感じた。
 しかし優美はさらに奈緒子に問いただす。
「そんなこと言って、奈緒子さんちっとも電話なんかくれないんだもの。あたしが電話した時も、ほとんど留守電ばかりだったし・・・。」
 奈緒子は頬を離すと、間近に優美の目を見つめながら答える。
「ほんとにごめんなさい・・。でも大事なお客様で仕方なかったの。」
「大事なお客様だって、ずっと一緒にいるの? 何回わたしが電話したか覚えてる?」
「私たちの仕事って仕方ない時もあるのよ、ほんとにごめんなさい。ええっと、何回だったかしら・・・、6回、あ、7回?」
「もうっ、分からなければ答えなきゃいいでしょ。もう、嫌い。」
 改めて奈緒子が憎らしくなり、下着越しに乱暴に奈緒子に触れた。
 優美にとって初めてのことだった。夫のものさえ進んで触れたことはない。
 そして奈緒子のその部分は、下着の上からでもはっきりと分かるほど湿っていた。
「奈緒子さん、もうこんなに・・・。」
 奈緒子は潤んだ目で優美を見つめながら言った。
「あなたに会いたかったの。恥ずかしいけど、ここに向かう途中からもうこんなになってたのよ・・。」
 優美は夢中で自分から奈緒子の唇を求めた。
 奈緒子はその唇を吸いかえすと、忙しなく優美の身体をベッドに組み敷いていった。

 寝室の中にもう切羽詰まった吐息が響いていた。
 優美の身体に寄り添った奈緒子の右手が、艶やかな黒い茂みの中で動いている。
「優美、気持ちいい?」
「き・・、気持ちいいわ・・。」
「ふふ、優美のここ、私の指に食いつきそうよ。」
「ああ、言わないで・・・。」
 優美は堪らず奈緒子の唇を求めた。だが奈緒子は意地悪くそれを受け流して言う。
「久しぶりだから感じるでしょう?」
「ああ、感じる。感じるのよ・・。」
 優美の切なげな表情を満足そうに見ながら、奈緒子はさらに言った。
「だめよ、一人では。」
「そ、そんなこと・・・。」
「あたしが居ない間、したんじゃないでしょうね、一人で。」
「し、しないわ、そんなこと・・。ああ・・。」
 奈緒子はふと右手の動きを止めて問い詰める。
「したんでしょう、あたしが居ない間。」
「ああっ・・、しない、しないわ、奈緒子さん・・・。」
「嘘ついてもだめよ。したんでしょう、あたしのこと思い出して。 ええ? どう?」
「ああっ・・、したわ。ごめんなさい、したわ。もう、お願い・・。」
 奈緒子は顔を歪めた優美の唇をねっとりと奪った。
 そして再びその右手の指がゆるゆると動き始める。
「んっ、うぐうう・・・。」
 吸い重なる唇の狭間で、優美の悦楽の呻きが漏れた。
 唇を離すと、再び頬を重ねながら奈緒子は言った。
「可愛い、優美。ごめんね、会いたかったわ。わたしのこと、嫌い?」
「はああ・・、き、嫌いじゃないわ、分かってるでしょ。ああ~・・。」
「それじゃ分からないわ。ね、言って、あたしのこと好きって。」
 奈緒子は一層手の動きを速めながら言う。
「好きっ、好きよっ。だから・・、ああっ、もうっ・・・。」
「まだ駄目よっ! もっとあたしをちゃんと見て言って。さあ、早くっ。」
 そう求めながらも、久しぶりの情交に興奮した奈緒子は、優美を責め苛むその手を緩める事を忘れていた。
「ね、言って! もう死にそうなんでしょ? だめなんでしょ?」
「ああ、もうだめ! ・・あうっ・・ほんとにだめ!」
「まだよっ! 早く言って!」
「あはあっ! ・・・だめっ・・・もう死んじゃうっ! あはっ・・・・!」
「ああ優美だめよっ!!」
 奈緒子がその断末魔を受け入れる暇も無く、優美は両足をシーツに突っ張り反り上がると、何回も痙攣しながら絶頂を極めたのだった。
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コメント一覧
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    • ––––––
      1. ハーレクイン
    • 2013/03/21 09:45
    • 優実さんの方が帰るって……。
      あ、そうか。
      「前回愛を交わした」のは由美さんの自宅じゃないのか。
      奈緒子さんの自宅じゃないだろうし。
      どこかのホテルかなあ。
      奈緒子さんは沖縄に出張。
      で、久方ぶりの逢瀬、と。
      うーむ。
      どうも奈緒子さんの動向が不審だなあ。
      そらそうだ。
      ただ「好きよ好きよ」だけじゃ小説にならんもんなあ。
      >気持ちいい?
      >気持ちいいわ
      恋人どうしって、この会話を何回交わすんだろうね。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2013/03/21 19:40
    •  いいですね。
       この花が出ただけで、季節感はもちろん、空気の質感まで伝わってきます。
       アジサイには、球状に咲く西洋アジサイと、日本原産のガクアジサイがあります。
       満開の西洋アジサイは、ボリュームがあって見事ですが……。
       風情という点では、やはりガクアジサイでしょう。
       花に見える部分は、実際には萼(がく)なので、咲き終えても散りません。
       花後に切ってやらないと、茶色く枯れた花がいつまでも残ります。
       公共施設なんかに植えられた西洋アジサイで、ときどき無残な姿を晒してるのを見かけます。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2013/03/21 20:56
    • あまり知らないんだけど、よく見かける、花群がこんもりと半球形に盛り上がるの、あれが西洋アジサイなのかなあ。
      うちのベランダから空き地越しに建売住宅の裏庭が見えますが、アジサイを植えています。ところが、花期がえらく短いんですよね。わずか1週間くらい。何ぼなんでも、と思うんですがこれが去年のこと。
      今年はどうかなあ、と今から楽しみにしています。

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2013/03/22 07:52
    •  日本のガクアジサイが西洋で改良され、玉咲きとなったものです。
       花期が短い件。
       アジサイの花は、散るわけじゃないので……。
       短いというのは、花が失くなってるということでしょうか?
       それなら、切花にして花瓶で楽しんでるんじゃないのかな。

    • ––––––
      5. ハーレクイン
    • 2013/03/22 11:44
    • アジサイ、でまず思い浮かべるのは西洋アジサイということですね。
      ガクアジサイも捨てがたいと思いますが。
      「花期が短いのは切り花にしてるから」
      うん、おそらくね。
      なんとかお知り合いになりたいものです。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2013/03/22 20:29
    •  会話のきっかけが出来るかもしれません。
       でも……。
       お知り合いになって、どうしようと云うんじゃ?

    • ––––––
      7. ハーレクイン
    • 2013/03/22 21:14
    • 残念ながら、花を植えるスペースなどありません。
      いや、だから、お知り合いになれば、せっかく咲いたアジサイの花が、何で1週間で消えてしまうのか、疑問が解決できるではあーりませんか。
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