Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
海辺の光景(6)
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「海辺の光景」作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(6)


 奈緒美はレストランのテラスに出て、外に設えられた椅子に腰を下ろした。
 ワインで火照った顔にひんやりとした夜の冷気が気持ちよかった。
 しんとした夜の静けさを感じながら、奈緒美はこの三日間の事を思い返していた。
 そして明日はもう東京に帰り、再び結婚に向けて準備を進める生活に戻るのだと思った。
「美味しかったわね。あ~もうお腹一杯。」
 後ろでチェックを終えてテラスに出て来た響子の声がした。
 声の方を振り返って見ると、白いTシャツにジーンズ姿の響子がゆっくりと歩いて来る。
“あ~、かっこいいなあ・・・。”
 すらりとしたスタイルのせいだろうか、何気ない装いがこんなに魅力的な女性を奈緒美は知らなかった。
「とっても美味しかった。初対面でこんなにご馳走になっちゃって、本当によかったのかしら・・・。」
「いいのよ、気にしないで。どうせあたしが払うんじゃないんだから。あははは・・・。」
「まあ。・・・でもあたし、楽しかった。」
 そう言って奈緒美が響子を見上げると、響子は微笑みを返しながら正面の椅子に腰を下ろした。
「せっかくお祝いしたんだもの、喜んでもらえてよかった。」
「ええ食事もだけど、響子さん面白い話ばかりするんだもの。とても楽しかったわ。」
 響子は悪戯っぽい笑みを浮かべた後、再び思い出したように口を開いた。
「でもさっきはびっくりしちゃったわよ。トイレから帰って来た奈緒美ちゃん、真っ赤な目をしてるんだもん。映画の話で泣いちゃったって・・・。」
 照れ笑いを浮かべながら奈緒美は答える。
「ああ、“ニュー・シネマ・パラダイス”ね。ロビーを横切った時、ちょうどそこのテレビでやってたのよ。映画館に入りきれない人達に映画を見せてあげるシーンだったんだけど、映写機のガラスを傾けていくと、画像が映写室の中の壁をゆっくりと動いていくの・・・。」
 響子はうんうんと子供の様にうなずいた。
「そしてその画像は、とうとう映画館の外の家の壁に移っていくの。壁に大きく映し出された映画を見て、外の人達はとっても喜んでいるのね。」
「へええ~・・・。」
「そんなシーンなんだけど、あたしはもうラストまで思い出しちゃって、なんだか涙がでちゃったの。あははは・・・。」
 響子は奈緒美が笑うのをじっと見つめた。
「奈緒美ちゃん、涙もろいのね・・・。」
「ええまあ、そうかしら・・・。響子さん、映画見て泣いたりしない?」
「ううん・・・。ほんとは一人で悲しい映画見たりしたら、わんわん泣いちゃうの。でも誰かが居たら、泣くのが悔しくて我慢すんの。あははは・・。」
「まあそう・・・。でも何だか響子さんらしいわね。」
「もう、なにそれ。可愛くないってこと?」
「あはは、違うわよ。かえって女らしくて可愛いわ・・。」
 奈緒美はふとその表情から笑みを消すと続けた。
「あの映画を最初に見た時思ったの。大事な人だから会わない。愛してるからこそ会えないってことがあるんだなあって・・・。あたしそれを思い出したら、何だか涙が出てきちゃった・・・。」
 奈緒美は波の音がする海の方へ視線を向ける。
 遠くに瞬いている漁火を見つけると、ふと立ち上がってため息交じりに呟いた。
「あ~あ、こんな素敵な時間がずっと続くといいのになあ・・・。」
 黙って奈緒美を見ていた響子は、わざと呆れ顔で立ち上がった。
「なに言ってんの。それ結婚前の子が言うこと?」
「うふふ、ええまあ、そうね。」
「明日彼氏に会って、“あたし寂しかったわ・・。”なんて言ったら許さないからね。」
「あはは、そんなこと、あははは・・・。」
 意地悪な笑みを浮かべていた響子は、再び急に顔を輝かして言った。
「そうだ! 今から一緒にお風呂入ろうよ。ここ、最上階に広いお風呂があるのよ。」
「ええ!? でも・・・・。」
 奈緒美は恥ずかしげに腰を引くと言った。自分でも何故恥ずかしいのか分からない。
「うふふふ、見ちゃうぞ見ちゃうぞ~。」
「ああもうっ、やだ~!」
「あはは、その後また部屋で飲み直そう。よし、決定! さあ行くわよ。」
 響子は先に立ってずんずん歩き始める。
「やだ~、もうっ。なんで~っ!?」
 奈緒美は駄々っ子の様に身を捩りながら、仕方なく響子の後をついて行った。

 下着を取り去った奈緒美は、少しドキドキしながらタオルで前を隠した。
 響子はとっくに裸になって浴室に入っている。
 すぐ横で響子が服を脱いでいる時、奈緒美はそれをまともに見ることが出来なかった。
 浴室に入って行くと、すでに響子はむこう向きに湯に浸かっていた。
 平日の遅い時間で、他の客は無く貸切状態である。
「はあ~、気持ちいい。いいお湯・・・。」
 浴槽の淵に両手を伸ばして、響子は感に堪えぬような声を出した。
 奈緒美が浴槽に近づいて行くと、少し手前で急に響子が振り返った。
「見~ちゃった。あはははは。」
「もう、なに言ってんの。」
 しかし響子のおどけた表情が、みるみる羨望の眼差しに変わっていく。
「わあ・・奈緒美ちゃん、きれいねえ・・・。」
「もう、からかわないで。あたし響子さんみたいにスタイルよくないでしょ。」
 奈緒美は慌ててしゃがみ込み、かかり湯を使いながら言った。
「ううん、そんなことない。白くてふっくらしてて、とても女らしいもの・・。」
「もう・・、ぽてっとしてて、自分でも嫌なの。響子さんに比べたら嫌になっちゃう、まるでモデルみたいなんだもん。」
 奈緒美はいそいそとお湯に身を沈めた。
「ええ~!? 奈緒美ちゃん、今ちょうどいいじゃない。可愛い顔してて、実は“あたし脱いだら凄いんです”みたいな・・・。きっと男性はあなたみたいな女性が可愛いって思うのよ。」
「そんなこと、どうでもいいわ。」
「どうでもよくないわ。あたし羨ましいもの。・・・でも、まあいいか、二人ともきれいってことで。あはは・・・。」
「あははは・・。」
 すると突然、響子は奈緒美に向けてザバッとお湯から立ち上がった。
 目を丸くした奈緒美の前で、響子は腰に手をあてて言った。
「どうっ? あたしもきれい?」
 奈緒美は目を逸らすタイミングを逸すると同時に、そのまま響子の身体に見入ってしまった。
「ほんと、ほんとにきれい・・・。」
 長い足でお湯から立ち上がった伸びやかな肢体。高い腰の位置の上にくびれたウエスト。
 胸はそれほど大きくはないが、張りをもってつんと上を向いている。
 両手を腰についてちょっと斜めに肩をいからせた仕草は、まるでファッションモデルである。
 そしてその上の小さい顔が奈緒美に笑いかけていた。
 上から奈緒美を見下ろした響子が驚いたように口を開いた。
「まあ奈緒美ちゃん、胸おっきい。」
 響子は奈緒美の横に身を沈めると続けた。
「わあいいな~、憧れちゃう。サイズどれくらいなの?」
「あはは・・・、もうやだ。ほっといてよ、もう。」
 そんな訴えにも、響子はまじまじと奈緒美の胸を見つめながら言った。
「ねっ、ちょっと触っていい?」
 言うが早いか、響子は上から奈緒美の胸の膨らみをツンツンとつついた。
「あっ! やだ~、あははは・・、だめ~っ。」
 笑いながら奈緒美は慌てて両手で胸をかばった。
「なによ、けち~。・・・ねっ、ちょっと、ちょこ~っと。」
 両腕を添えた為に余計に盛り上がった奈緒美の乳房に響子の手が触れた。
「わあ~、大きくて柔らか~い・・・・。」
 奈緒美は思わずまつ毛を伏せた。
 腕の間に滑り込んだ響子の右手が、優しく奈緒美の左の乳房を包み込んでいる。
 お湯のせいばかりでなく、胸が高鳴り顔が上気するのが分かった。
「ね、わたしのも触ってみる?」
 響子は悪戯っぽく奈緒美の顔を覗き込みながら言った。
 飾り気のない響子の雰囲気で、奈緒美は自然にその乳房に手を添えていた。
 微かに肌に触れるだけで、その膨らみは弾む様な感触を手に伝えてくる。
「あたしの固いでしょう? うふふ、きっと半分は筋肉なんじゃないかしら・・・。」
 肩を寄り添わせたまま、奈緒美はそのまつ毛を上げることが出来なかった。
 自分の胸の高まりだけを感じる。
 しかし何故か安らかな、そして・・・、そしてやはり幸せな心持ちを覚えた。
 お湯の中で身を寄せながら、音もなく時間が止まったように感じた。

 響子は夢から覚めた様にそっと手を引くと、わざと楽しげに言った。
「さあ、これから飲み直しよ。お祝いだもの、とことん飲むわよ。」
「あはは・・、ええ。」
 奈緒美は我に返って微笑みながら、ザバッと音を立てて立ち上がった響子を見つめた。
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コメント一覧
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    • ––––––
      1. ハーレクイン
    • 2012/12/20 11:50
    • の戯れはお風呂場に移る。
      おっぱいの弄りあい。まだまだ幼女のようなお二人です。
      今回読んでいて、大変恥ずかしいのですが、この理由を明かすわけにはまいりませぬ。
      作中に登場する映画『ニュー・シネマ・パラダイス』は、ジュゼッペ・トルナトーレ脚本・監督、1989年公開のイタリア映画。
      主演はジャック・ペラン。作中の音楽はエンニオ・モリコーネ。
      第二次大戦中、シチリア島の辺鄙な村の唯一の娯楽は、村に一軒だけある映画館にかかるアメリカ映画。
      ここで映画に親しんだ村の少年は、長ずるにつれ映画人としての道を歩むようになる。
      この少年と、村の映画館の行く末をたどる……というストーリー。
      作中、多くの著名な映画の一シーンが引用されます。たとえば、
      ヴィヴィアン・リー『風と共に去りぬ』
      マレーネ・ディートリッヒ『嘆きの天使』
      ハンフリー・ボガード『カサブランカ』
      チャールズ・チャップリン『街の灯』
      ジョン・ウェイン『駅馬車』
      スペンサー・トレイシー『ジキル博士とハイド氏』
      ジェームズ・ステュアート『素晴らしき哉、人生!』
      などなど。
      いい映画だなあ。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2012/12/20 20:06
    •  最初の3本、『風と共に去りぬ』『嘆きの天使』『カサブランカ』は見てますね。
       すべて、テレビだったと思いますけど。
       昔、ヒマだったころ、WoWoWに加入してましたから。
       『風と共に去りぬ』では、洋服を仕立てる場面(?)が印象に残ってます。
       ビビアン・リー演じるスカーレット・オハラが、老メイドにウェストを測ってもらってるシーン。
      「何センチ?」
      「48センチです」
      「あら、また太っちゃったわ」
       確かに、ビビアンのウェストは、両手の平で包めそうなほど細かったけど。
       しかし……。
       日本の女優のプロフィールでは、ウェストがたいてい58センチなのは、なぜなんだ?

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2012/12/20 23:01
    • 60センチではちょっとなあ……で、サバを読んだ結果なのでは。
      2,000円だと手を出さんが、1,980円なら「安い!」で売れるという、あれと同じじゃないかね。

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2012/12/21 07:40
    •  やっぱりそう思うか。
      「ウェストは?」
      「58センチです」
      「ホントですか?」
      「“ぜい”抜きで」
      「“税”抜き?」
      「“贅”抜きです」
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