Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
続元禄江戸異聞(十七)
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「続元禄江戸異聞」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(十七)


絶え間なく降りしきる雨の音を聞きながら、春花秋花は旅籠の窓から退屈そうに外の景色を眺めている。
とそこへ、半ばずぶ濡れになった行商姿の黒麗が、いらついた様子で帰って来た。
春花が振り返って黒麗に問いかける。
「お疲れ様・・・、わあ、振られたね。赤蛇尼は行った?」
「ああ、代わってきた。水月はいないし、濡れも濡れたけど、こんな日にゃ行商なんてちっとも売れやしない。」
さらに秋花は苦笑しながら黒麗に尋ねる。
「あははは、いったい今日は何を売ってたんだよう?」
「今日かい? 飴だよ、飴。全くこう降られたんじゃ洒落にもなりゃしない。
でも子供にせがまれた母親が二、三人、わざわざ傘さして買いに来たよ。」
慌ただしく着ている物を脱ぎ捨てると、引き締まった八頭身に手拭いを使いながら黒麗は言った。

「・・・・・・。」
春秋花は何となく浮かぬ顔になると、また外の雨景色に見入っている。
その様子に気付くと、手拭いを使いながら黒麗は言った。
「あんたたちも、大方母親の顔も知らないんだろう。あたしだって同じさ。
物心ついた時にゃあ見世物小屋で飯を食ってた。あたしの顔や体を見なよ、黒くて目の色も目鼻立ちも普通と違う。
母親なんて、何処の国から来たのかなんて分かりゃしないのさ。」
そう吐き捨てる様に言うと、黒麗は裸のままどっかと畳の上に腰を下した。
「あ~あ、ただ見張ってるだけなんて退屈な仕事だねえ・・。
たかが二人ばかりの相手、早く尾張に入って片付けちまいたいよ。
おまけに雨で宿に籠ってたら、何だか身体がむずむずしてくるねえ・・・。」
ごろりと横になった黒麗の物憂げな呟きに、秋花は振り返って口を開く。
「黒麗は綺麗じゃないか。あたいはそう思ってる。
それに・・、むずむずするんなら、久しぶりにあたいたちに教えておくれよ。
赤蛇尼だって、この間上達したって褒めたんだから・・。」
黒麗は半身を起こすと、苦笑しながら言った。
「ふうん、この前までは胸もくすぐったいって笑ってたけど、だいぶ膨らんで感じる様になったのかい? 毛は生えたのかい、毛は?」
「いや~だ、そんな話。」
眉を寄せる春花の横で、つい秋花が口を滑らせる。
「うん、勘定できないくらいになった・・・。」
「もう~、言うんじゃないよ、秋ちゃん!」
「あははは、分かった分かった、喧嘩はおやめ。
じゃあこっちに来て、あたしを泣かせてごらん・・。」
双子はにんまりと顔を見合わせると、黒麗の裸身に近づいて行った。

春秋花は、美夜叉にとっていわゆる秘蔵っ子であった。
貧農の口減らしに譲り受けて赤子の時から育て上げた。
しかし美夜叉の想像以上に、この双子の成長は著しかった。
これからまだ成長が期待できる身のこなしは言うまでもなく、その頭の良さと勘の良さは、一流のくノ一としての資質を十分満足するものだったのだ。
もう四、五年もすれば、衰えかかった美夜叉を補って余りある存在となる事は確実だった。
床の業は、くノ一にとって必要な能力の一つではある。
しかし一人前になるまでにやっと習得するその分野さえ、やがて思春期を迎えつつあるこの双子は、相手を情欲に狂わせる手段として大きな興味を抱いていたのだ。

「ああ・・・、ふうう・・・。」
黒麗は仰向けに横たわった身体を震わせて息を吐いた。
張りのある両の乳房に、左右から春花秋花が吸い付いている。
可愛い唇と舌が思い思いに固くなった乳首に戯れかかり、下腹から内腿の肌を二人の手が擦り廻している。
「あああ・・・、焦らしはいいねえ・・。もう・・・、うっ・・堪らないよ。」
春花が、弾き立った右の乳首を吸い離して問いかける。
「もう外したい・・? 黒麗・・。」
「ああ・・、気を遣れって言われりゃ、やり方次第ですぐ往生するけどさあ・・・。
あたしも少々我慢するから、やってみな・・。ふうう・・。」
春秋花は目で相談すると、春花が黒麗の下腹に身をずらす。
秋花は笑いながら黒麗の唇に吸い付いた。
「ふむんん・・・んはう・・・。」
秋花は黒麗と抱き合って、その長めの舌を口の中に誘う。
そして口の端から涎が漏れ落ちるほど、黒麗と唇を吸い合わせ、舌を絡めあっている。
春花は黒麗の股間に向かって腹這いになった。
もう少し潤みつつある花びらを見ながら、内腿の肌に唇を這わせていく。
「ん、んぐ・・。」
秋花に舌を吸われながら黒麗は呻いた。
鍛えた体の中でさえ、菊の蕾の両脇の膨らみや太腿の内側など、柔らかい部分を春花の唇が吸い付き廻り、時折あむあむと甘噛みしてくるのだ。
「んむっ・・・はあっ・・・、もう焦らしはいいよ。往生させてごらん・・ふう。」
黒麗は秋花の口から舌を引き抜くと、荒い息使いで言った。
「あはは・・・。」
秋花は小さく笑うと逆さ向きに黒麗の下半身に下りて行く。
腰まで下りると、パンパンと黒麗の引き締まった尻の肉を叩いて横向きにさせた。
そのまま秋花は黒麗の足を開く様にして、尻の狭間に逆向きの顔を押し込んでいく。
「あぐ・・・うう~・・。」
菊の蕾を秋花の唇に吸い付かれて、黒麗はくぐもった唸り声を上げた。
吸い付いた中で、めらめらと可愛い舌が蕾を掘り起こしてくるのだ。
春花は太腿の柔らかみに唇を這わせたまま、上向きに中指を花びらの中に沈めていく。
「ああうっ・・・、ああっ・・・。.」
横向きの黒麗の身体が、一瞬筋肉の形を見せて戦慄いた。
更に春花は、中の中指と外の親指で挟む様にして、黒麗のしこったものを軽く揉み始めた。
「ああううっ!、・・ああいい・・!」
黒麗の身体が横向きのまま反り返り、ブルっとふるえる。
前と後ろから責め立てられて、どうしようもない疼きが背筋に込み上げて来る。
「はああ~~っ、いいっ、いいよっ! ・・うあああ~・・・はあっはあっ!」
堪らず黒麗が背筋に力を籠め始めた時、ふっと春花の親指がそっぽをむく。
「ああっ、もうっ・・・・ねえっ・・・。」
黒麗は稽古を忘れて、双子の指と舌を求めて腰を振った。

「あ~、いいっ! ・・ああもういいよっ! ・・往生させておくれっ!!」
いつもの威勢の良さは何処へやら、黒麗は裏返った女の声でとうとう泣きを入れた。
春花はふっと笑みを漏らすと、中指を濡れた中に埋めたまま、黒麗の膨れた突起を唇で覆った。
「はっ!ああうう~~っ!!」
黒麗は悲しげな呻きを上げた。
花びらの中の起伏を中指で弄られ、春花の口に吸いつかれた中で、頭を出している敏感なものを舌で舐められる。
更に秋花の舌が、ナメクジの様に菊の蕾に潜り込んでくる。
「はあっ!ああもう、あんたたちっ! ・・・ああくううう~~~・・っ!」
言葉にならぬまま、黒麗の身体がくねり返った。
「ああっ!、ああっ! ・・・あぐうううう~~・・・!!!」
己が両の乳房を掴んで、黒麗は激しく痙攣した。
均整のとれた浅黒い身体が、股間の前後に双子をはさんだまま、極みに引きつった。
「あはあっ! ・・ああう~っ!!」
二度三度と黒麗の身体が反りを打った。
春秋花はそんな断末魔の身体に、なおも飢えた魚が餌に群がる様に食らいついていた。

しばらくの後、黒麗は荒い息を整えながら傍らで笑っている双子に声をかけた。
「あたし、びっくりしちゃったよう・・。いつの間にこんなに・・・、ああまだ震えが止まらない。」
春秋花は期せずして口を開いた。
「うふふ・・黒麗、気持ち良かった?」
「ああ、よかったよ。・・だけど今日はあたしは何にもしちゃいないんだ。
そのうち今度は、あたしも手を出すからね。・・そん時が本番さ。」
しかし黒麗は、思いついた様に眉を寄せると続ける。
「いや・・、でも・・・、いつまでたっても二対一じゃ、分が悪いかねえ・・・。」
その言葉に双子は声を上げて笑った。


舞阪の海辺のあばら家。
お通は旅支度を終えると、一息ついてお蝶に話しかける。
「あんたが言った白蝋の二人は大体頭に入った。
どうやらまだ、頭領は姿を見せちゃいないようだね・・・。」
お蝶はお通のその言葉に問いかける。
「頭領って・・、姉さん、白蝋の頭領を知ってるの・・?」
「ああ、もう五年以上前のことだけどね・・・、もっともそん時は命の遣り取りまではいかなかった。公儀方が騒ぎを恐れて、依頼を取り下げたんだよ。」
お通は記憶が蘇ったのか、更にお蝶に続ける。
「腕がどうのというより、頭のいい奴だったねえ・・。まだ若かったのに、年上で腕の立つ手下を使ってた。」
「そう・・・。」
お蝶の不安げな顔を見ると、わざとお通は明るく言った。
「ははは、まああたしがあんたたちの露払いをやってあげるよ。少しでも相手をばらけさせりゃあ、道中も楽になるってもんだからね。
それに覚えときな、白蝋もほんとはこの仕事、得意な役回りじゃあないんだ。美夜叉を知ってりゃよく分かる。
化かし合いを避けて、相手の人数を行って来いにして、力勝負になったら分からないよ。
頭はあんたもあたしも、あんましいい方じゃないからねえ、あっははは・・。」
気休めだとは思いながら、お通は不安気なお蝶に笑い声を上げてみせた。
「姉さん・・。」
昔から苦しい時ほど明るかったお通を思い出して、お蝶は頼もしげにその笑い顔を見つめていた。


※行って来い:同じの意味
続元禄江戸異聞(十六)目次続元禄江戸異聞(十八)



コメント一覧
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    • ––––––
      1. ハーレクイン
    • 2012/04/12 11:05
    • 白蝋衆、普段は行商で地道に稼いでいるのか。
      そのまま地に足をつけた暮らしをすれば、と思うがそうもいかんのだろなあ。
      春秋花。
      前回のお相手は綾の方だったが、今回は「稽古」ということで身内の黒麗が相手か。
      >二対一じゃ、分が悪いかねえ
      と黒麗に言わしめるようになったか。
      春秋花は、頭領美夜叉の秘蔵っ子。
      うーむ。伊織ちゃんが最も警戒すべきはこの二人かあ。
      ほう。
      お通姐さんは美夜叉と知り合いか。
      これはますます心強いのう。
      “行って来い”ねえ。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2012/04/12 20:48
    •  食品を始めとする日用品は……。
       お店に買いに行くよりも、向こうから売りに来る場合が多かったんじゃないでしょうか。
       魚だって、一心太助みたいなのが売りに来たわけでしょ。
       思えば、便利な世の中ですよね。
       家にいるだけで、必要なものはすべて揃う。
       金魚から苗まで売りに来るんだから。
       昨年の震災で仮設住宅住まいとなった方は……。
       買い物に苦労なさってると聞きます。
       わたしの町でも、近所の小売店はみんな店仕舞いして……。
       郊外のスーパーだけが栄えてます。
       お年寄りの買い物の足を確保するため、スーパー行きの区バスが運行されるようになりました。
       このような状況をおもんぱかると……。
       江戸時代の方が、暮らしやすかったんじゃないかって思えてきます。
       特に武士なんかは、気楽な稼業だったみたいですね。
       昨年、『幕末単身赴任 下級武士の食日記』という新書を読みました。
       江戸屋敷勤務となった、地方武士の日記です。
       ほとんど毎日、物見遊山ですよ。
       仕事なんて、3日に1回くらい。
       しかも、半日で終わり。
       ほかの時間は、まるっきりヒマです。
       で、食べ歩きしてるわけ。
       「桜田門外の変」が起きた直後だというのに……。
       政治的な感想なんかは、まったくなし。
       今日は、どこそこへ行って、何を食べたって記述ばっかり。
       つくずく羨ましかったです。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2012/04/12 22:19
    • 大川(隅田川)に物売りの舟が行き交ったそうですね。上流の百姓地から、朝に採れた野菜などを積んで、大川沿いの商家などに売りに来たとか。小名木川や竪川などにも入っていったかもしれません。
      お気楽下級武士。
      こういう話を聞くと、本当に武士というのは社会の寄生虫だったんだな、と思います。作らず為さず働かず、ただただふんぞり返るだけの存在だったと(ちょっと言い過ぎかな)。
      「桜田門外の変」については、下級武士だけに情報が伝わっていなかった、という可能性も……。
      ところがこのお人、なんとなんと彦根藩士であった、てなことはないだろうな。

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2012/04/13 07:40
    •  紀州和歌山藩の酒井伴四郎という人。
       江戸勤番を命じられたのは、井伊大老が暗殺された2ヶ月後でした。
       こういう武士は、まったく生産に携わらず、ただただ消費するだけの存在だったわけです。
       そういう人が、国中から集まって江戸勤めとなってるわけです。
       つまり、江戸が大消費社会として繁栄したのは……。
       そういう無為徒食の人が大量に存在してたからのようです。
       『幕末単身赴任 下級武士の食日記』、面白いですよ。
      http://blog-imgs-49.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201204130636258c3.jpg
       新書版だから、通勤車中で読むのにぴったり。
      楽天ブックス→http://hb.afl.rakuten.co.jp/hgc/025cef17.5de8405d.03a61c5c.eff4e457/?pc=http%3a%2f%2fbooks.rakuten.co.jp%2frb%2f%25E5%25B9%2595%25E6%259C%25AB%25E5%258D%2598%25E8%25BA%25AB%25E8%25B5%25B4%25E4%25BB%25BB%25E4%25B8%258B%25E7%25B4%259A%25E6%25AD%25A6%25E5%25A3%25AB%25E3%2581%25AE%25E9%25A3%259F%25E6%2597%25A5%25E8%25A8%2598-%25E9%259D%2592%25E6%259C%25A8%25E7%259B%25B4%25E5%25B7%25B1-9784140881651%2fitem%2f3700405%2f%3fscid%3daf_ich_link_urltxt&m=http%3a%2f%2fm.rakuten.co.jp%2fev%2fbook%2f

    • ––––––
      5. ハーレクイン
    • 2012/04/13 10:20
    • このころは将軍跡継ぎ問題で、紀州はしっちゃかめっちゃかの頃だろ。
      ふむ。
      やはり下っ端には何の情報も伝わらんのだなあ。
      ひょっとして川幕府が瓦解するまで、なーんにも気づいてなかったりして。
      で、ある日突然、着の身着のまま放り出されてたりして。
      いや、実際。下級武士の多くはそんなものだったらしいぞ。
      酒井伴四郎くん。
      御維新後はどうやって食べたのかのう。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2012/04/13 20:21
    •  江戸勤番の藩士に隠しおおせるなんて、不可能じゃないかな。
       江戸の町民は、みんな知ってたろうからね。
       伴四郎くんは……。
       政治向きの発言は、日記に記さないようにしてたのかも。
       人に見られたりしたら……。
       どんな火の粉が降りかかるか、わかりませんから。

    • ––––––
      7. ハーレクイン
    • 2012/04/13 22:26
    • >政治向けの発言は、日記に記さないようにしてた
      おー、なるほど。お気楽武士を装っていたというわけか。
      それにしても、毎日食べ歩く暇があるなら、道場通いでもして剣術の腕でも磨いたら、とも思うが。
      それとも「もう、剣の時代ではない」とかなんとか、達観していたのかねえ。
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