Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
続元禄江戸異聞(十五)
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「続元禄江戸異聞」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(十五)


掛川のとある旅籠の一室、美夜叉を始め白蝋の面々が久しぶりに顔を揃えている。
春秋花の報告を聞いた美夜叉は、おもむろに口を開いた。
「やはり、その腰元が姫に違いなかったのう・・・。」
黒麗が目を輝かせて美夜叉に問いかける。
「あのうるさいくノ一もどっか行ったことだし、それじゃあ早速・・。」
「いや、野口家は掛川奉行所の勘定方まで務める家柄。そして周りに大勢の警護まで付けておる。今は騒ぎを起こす時ではない・・・。」
美夜叉は改めて配下を見回すと続けた。
「私が聞き込んだ話では、藩境まで警護の者が同行するということ。それまでは軽はずみな行いは自重し、全ては尾張に足を踏み入れた後に・・。
山道ではなく、この東海道で捕り物騒ぎなどになって、お方様にご迷惑をかける様な事になっても困る。」
黒麗はそれを聞くと不満げな顔で、横に座っている秋花を見た。
秋花は意味深な笑みを返しながら、右手の親指を立てて見せる。
「ふふ、立派だったよう・・・。」
「何言ってんだい、子供のくせに・・。」
「これ、お前たち静かにせぬか。」
美夜叉に咎められた黒麗は、ふんと秋花に顎をしゃくった。
美夜叉は赤蛇尼に視線を向けると、再び口を開く。
「して赤蛇尼、お前は暫時その若侍と相対したそうだが、如何であった?」
赤蛇尼はその優しげな顔立ちに似合わず、鋭い眼光を発しながら答える。
「はい、甲州路の者達に比べますと、一人ではございますが格段の違い・・。
構えた切っ先の気合、風を切る気配で手裏剣を防いだ太刀捌き、優男(やさおとこ)にしては尋常ならぬ相手と見ました。
現に私の肩先も、そやつの飛ばした小柄にて・・・。」
「ふむ・・。」
美夜叉は腕を組んで考え込むと、今度は水月を見て申し渡す。
「お前は手筈通り明日野口家へ赴き、踊りを披露するのじゃ。そして姫とその若侍をしかと確かめて参れ。
その若侍とは、お前もいずれ相対することになるであろう。
あとの者はつまらぬ事で怪しまれぬように、そして姫が野口家を出立したら、尾張まで見失わぬようにな・・。」
水月以下五人は、美夜叉の言葉に黙って頷いた。


面々が座敷を去った後、美夜叉と水月は旅籠の一室に膝を詰めていた。
水月の憂いを含んだ顔を見つめながら、美夜叉が口を開く。
「水月、今宵はお前と二人になりたかった・・。
野口の内儀は、身の固そうな貞淑な妻であった。役目と思い睦みはしたが、お前とは比べるべくもない・・。」
そう言って、美夜叉は水月の横ににじり寄っていく。
「お頭様・・。」
瞳を上げた水月の肩に両手を添えると、美夜叉はその身体を己が胸に抱き寄せる。
凛とした水月の風情がしどけなく揺らいで、身を横に崩しながら重みを美夜叉に預けていった。

畳の上に身を横たえて、美夜叉と水月は夢見る様に唇を重ねていた。
もう白い襦袢姿となった二人の廻りには、微かな衣擦れの音と、時折お互いが漏らす息のそよぎが聞こえるばかりである。
唇を合わせたまま、美夜叉の右手が水月の襦袢を肩脱ぎに剥いだ。
剥きだしの白い肌が輝き、品よく盛り上がった片方の乳房が露わになる。
美夜叉はゆっくりと唇を吸い離すと、水月に囁いた。
「なんと美しい、水月。まるでこの世のものとは思えぬようじゃ・・。」
切れ長の目にすっと鼻筋の通った細面の顔が、瞳を輝かせながら美夜叉を見上げる。
「ああ、愛おしい、水月・・・。私は奥方を獣に落としながら、お前の顔を思い浮かべておったのじゃ・・。」
「お、お頭様・・・、まことに・・・?」
「まことじゃ、・・ああ、まことじゃとも・・。」
美夜叉はまた堪りかねた様に、悩ましい朱色の唇に己が唇を重ねた。
女の裸身を晒した若侍が、顎を上げて女に口を吸われている姿は、言葉通りこの世のものとは思えぬほど妖しく、美しかった。

美夜叉はおもむろに身を起こすと、自分の襦袢を脱いだ。
上向いた水月の顔の上に身を屈め、逆さの向きにその顔を見つめる。
そのまま水月の胸から腰に向けて身を伸ばしていき、襦袢の帯を解き始めた。
待ち侘びる水月の熱い吐息がお腹の肌に触れる。
水月の襦袢を引き開けると、美夜叉は水月の足の間に顔を埋めていった。
両手で形の良い尻の膨らみを掴んで、美夜叉の長い黒髪が水月の股間でゆらゆらと揺れる。
「は、はああ~・・・、お頭様・・・。」
水月は悲しげに一声呻くと、夢中で美夜叉のふくよかな尻に両手の指を食い込ませた。
その上品な唇が迎えに行く勢いで、美夜叉の腰を自分の顔に引き寄せる。
「んんん~・・ぐんんん~・・。」
「うぐううう~~・・んぐんん・・。」
美夜叉もくぐもった声を出して、水月の上でふくよかな裸体を震わせた。
湿った音を立てて、飢えた猫が餌にありついた様に、二人は互いの濡れたものを貪り続ける。
二人の身体は急激にうねりを強め、早くも愉悦の高まりが身に込み上げ始めた。
美夜叉は妙を堕しめたことで、水月はそのお役目を承知していたことで、身体の芯にふつふつと沸き立っていたものが込み上げて来るのだ。
普段は顔を合わせて口が利き合える極みを迎えるはずが、今宵はもう待てそうになかった。
「すっ、水月っ・・!」
顔を上げて一声叫ぶと、美夜叉は水月の敏感なしこりに吸い付いていった。
水月も細かく身体を震わせながら、美夜叉の弾き立ったものに吸い付いていく。
「んっ! ・・んぐ~っ! ・・んんっ!」
「ふぐ~~~っ! んんっ、んんん~~!」
逆向きで上下に抱き合った二人の身体に、狂おしい痙攣が走る。
「あはっ! あおおおお~~っ!!」
美夜叉は堪らず顔を上げて極みを告げる叫びを上げた。
首を反らして呻きを上げながら、美夜叉は水月の敏感なしこりを指で弄り続ける。
「んぐっ!! んぐううう~!」
美夜叉の膨れたしこりを口に押し当てたまま、水月も極みの声を絞り出した。
めくるめく陶酔。



野口家を出てから二日目、お蝶は舞阪の海辺に立っていた。
波間にいくつもの桶が浮かび、海女が時々浮かび上がって来ては、その中に栄螺や鮑を投げ入れている。
やがて一人の海女が波間から顔を出すと、いぶかしげにお蝶の姿に視線を向けている。
「お蝶・・・、お蝶じゃないか!」
「姉さん、お通姉さん!」
「あっははは、お蝶っ!」
海女は満面に笑みを浮かべると、お蝶に向かって大きく手を振った。

お通は日に焼けた顔を曇らせて、大きなため息をついた。
「それじゃ丹波まで、白蝋から姫を守り通すっていうのかい・・・?」
「ええ、元来出来ぬ相談だって事はわかってるんです。・・で、でも・・。」
お蝶は言葉を詰まらせると、すがる様な目つきでお通を見つめた。
「こっちは腕は立つが侍が一人っきり、それに普通の小娘が一人余分にくっついてる。
あたしとあんたを入れてもやり合えるのは三人、むしろ小娘の分を引いて二人と考えなくちゃならない・・。
逆に白蝋は五人くらいだと聞いてる。・・・こりゃあ全く出来ない相談だねえ。」
「ね、ねえさん・・。」
必死で言葉を継ごうとするお蝶を制して、お通は続ける。
「おまけに攻めるんじゃなく、守るんだろう? 普通は守る方が、倍難しいよ・・。」
さらにほっと溜息をつきながらお通は付け加えた。
「それにあたしも三十半ば・・・。忍びを抜けて長くなるし、昔ほど働けるか自信も無いんだよ・・・。」
しかしお蝶は悲壮な眼差しでお通を見つめながら言った。
「あたしはもう、このお役目で命を失くしたって構わないと思ってるんです。
だからって、姉さんにこんな事頼むのは元来無理だってことも分かってます・・・。
でも昔、誰も姉さんに忍びとして適う者はいなかった。もうあたしには頼る人は姉さんしかいないんです。
血肉を分けた親兄弟よりも、忍びとして育ててくれた姉さんしか・・・。」
お蝶の目には薄らと光るものが浮かんでいる。
お通はその様子をじっと見つめながら、腕を組んで考えこんだ。
やがて軽く息を吐くと、何故か優しい顔付になってお通が口を開いた。
「ふっ、あんたよっぽど惚れ込んだね?」
「え? な、何が・・・?」
戸惑うお蝶に向かって、お通はしたり顔で口を開く。
「何がって、小さい頃から見てきたあんたの事だもの、そんな事くらいすぐ分かるよ。
あんたが命をかけてって泣くほどなんだからねえ・・・。」
「ね、姉さん・・。」
その恥ずかしげな顔を見て、お通は更に悪戯っぽく言った。
「じゃあ昔みたいに、枕稽古でうんと仲良くしてくれるかい?」
お蝶はハッと真顔に戻ったが、少しの逡巡の後、睫毛を伏せて小さく頷いた。
「あっははは、冗談だようっ。大事な妹分の命を賭けた頼み事、聞かない訳にはいかないじゃないか。
それにいい人に死なれて、あんたに化けて出て来られたらかなわないからねえ・・、
あっはははは・・・。」
「ね、姉さん・・、ありがとう・・・。」
お蝶は思わずお通に縋りつくと、大粒の涙をこぼした。
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コメント一覧
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    • ––––––
      1. ハーレクイン
    • 2012/03/29 11:47
    • チーム白蝋、久方ぶりの全員集合。
      掛川で一気にかたをつける……のではなかったか。
      なかなか慎重なお頭、美夜叉。
      地元尾張まで様子見か。
      ま、とりあえず羅紗姫様の正体は確認したと。
      更に羅紗姫様御一行に探りを入れるか。
      慎重だのう。
      おー、赤蛇尼に一目置かせる伊織ちゃんの剣筋。
      美夜叉水月、迫真のからみ。
      そういえば八十郎劇場、69は初めてだよね。
      舞坂の海女さん、お通姐さん。
      お蝶さんの忍びの師にして義姉。
      ♪親の血を引く兄弟よりも~
      頼もしい見方を得たが、チーム羅紗姫。
      如何にも手薄じゃのう。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2012/03/29 19:53
    •  東海道五十三次の江戸から数えて、26番目にあたるそうです。
       ほぼ真ん中ですね。
      http://blog-imgs-12.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120329195212325.jpg
       地図で見ると、このあたり。
      http://blog-imgs-12.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201203291952129c0.jpg
       とんがってる岬は、御前崎。
       思ったより内陸ですね。
      http://blog-imgs-12.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201203291952120a3.jpg
       なぜか、東京女子医大があるようです。
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