Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
続元禄江戸異聞(十三)
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「続元禄江戸異聞」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(十三)


美夜叉の両手の平が、妙の胸の脇から腰のくびれへの繋がりを調べている。
素肌を擦られる毛が逆立つ様な感覚と、目の前の熱っぽい女商人の視線に耐えきれずに、妙は少し眉を寄せて目を閉じたままであった。
そんな妙の様子を見て、美夜叉は後ろで見つめる二人の少女に声をかけた。
「まだ時間がかかります。お前たちは旅籠へ戻っていなさい。」
「はい、ご主人様・・。」
春秋花は、各々意味深な笑みを浮かべて離れを出ていく。
躙り口が閉じると、腰の細まりから撫で上がった美夜叉の両手が、ふと妙の形の良い乳房を掌に包み込んだ。
“はっ・・・。”
微かに息を呑んだ妙の華奢な身体が震える。
そのまま背中の方へ両手を滑らせながら、美夜叉は耐え切れぬ様に口を開いた。
「奥様・・、私死ぬほど思案いたしましたが、もう己を偽ることが出来ません・・・。
 恐れながら、初めてお会いしました時から、この上も無く奥様を・・・・お慕い申し上げております・・。」
「えっ!!」
妙が驚愕して目を見開いた時、そのしなやかな身体が、背中に廻った美夜叉の両手に抱き寄せられた。
「なっ、何をするのですっ!」
妙が身をのけ反らせて抗うと、二人の身体はもつれ合って畳の上に崩れ落ちた。
その勢いで腰のものが捲れて、妙の白い太腿の肌が露わになる。
倒れてもなお抱きすくめてくる美夜叉に抗いながら、ほっそりした肩の片方は襦袢から脱げ出てしまった。
「ああっ!、何をするのです、や、やめなさい。大きな声を出しますよ!。」
「ああ、奥様、お慕い申し上げております。奥様のためなら、私、もうお手打ちになっても構いません・・。」
畳の上で抗う身体を求めながら、美夜叉は白い首筋に顔を埋め、切なげな声で妙の耳元に囁きかける。
「ああ、いやっ!。女の私になぜその様な、はあ・・・やめなさいっ・・・。」
「人に心を奪わるる事に、女も男もなんの違いがありましょうや。奥様っ、死ぬほどお慕い申し上げております!。お願いでございます。そのかわり私の事はお手打ちなり何なり御存分に・・・。ああ・・・奥様っ!」
美夜叉は妙が賢妻であるが故に、正面からその心に踏み込んで行く。
妙は美夜叉の一途な思いに混乱した。
「ああっ、や、やめてっ・・!。」
美夜叉は左手を妙の背中に廻して巧みにその身体を組み敷きながら、右手で自分の帯を解いていく。
「奥様、もう私はどうなっても構いません。お慕いしています、お願いでございます・・。」
「ああっ、いやああ・・。」
もうほとんど襦袢姿となった美夜叉の襟を掴んで、妙は必死で身を抗わせている。
だが美夜叉の右足が空を蹴る両足の間に割り込み、身を捩る度に揺れる乳房を右手に優しく包み込まれる。
「ああ、奥様、お美しい・・・。お慕いしています・・。」
少しずつ妙の抵抗に力が無くなっていく。
もう身体の抗いが通じぬ事を悟った妙は、繰り返し自分を求める声に観念した様に答えた。
「はあ、はあ、しばしの後ここから出て行き、はあ・・もう決して現れぬと・・はあ・・ち、誓えますか?」
組み敷かれたまま顔を背けている妙の顔に、その頬を重ねる様にして美夜叉は言った。
「嬉しい・・。お手打ち覚悟でございましたのに、私だけの一生の宝にいたします・・。」
妙は身体の力を抜いて、その利発そうな目を閉じた。

「あ、ああ・・・、くふうう・・・。」
妙は凛とした顔を悲しげに歪めて、耐えていた声を漏らした。
全裸で絡み合った二つの女体が、茶畳の上でひときわ白く輝いている。
美夜叉の豊満な身体に挑まれながら、その細身の裸身がうねって哀れにさえ見えた。
女に身を委ねること自体、優しく抱かれる程の事と思っていたのに反して、妙の身体の隅々にまで愉悦の炎が燃えついていた。
男女の睦みごとでさえ、旦那様が情けをかけて下さり、その証に子宝を頂くと考えていたばかりの妙である。
ところが、今この女との戯れはどうであろう。
その女の愛しみは、疼く様な快楽を身体のそこここに掘り起こしてきて、まさに妙の想像を超えていた。
うつ伏せの妙のすらりとした背中の肌を、美夜叉の赤い舌がじわじわと舐め上がる。
思わず両手の指で畳を掴んで背を反らすと、畳の跡形の付いた乳房を美夜叉の両手が包み込む。
「んくっ・・、んぐうう~・・。」
ほどよい膨らみの先に固くなったものを両手の指で揉まれて、妙は生まれて初めて肉欲の唸りを発した。
弾けやせぬかと思うくらい、指で遊ばれるその部分が固さを増していくのが分かる。
美夜叉は肩越しに妙の耳に囁きかける。
「はああ、奥様・・、お綺麗ですよ。気持ちがようございましょう・・・?」
「ふうう・・・、んんん・・・。」
微かに震える声にほくそ笑むと、美夜叉は妙の肩を抱いてその身体をを上向きにする。
両足の狭間に割り込んだ美夜叉の右の腿が、微妙に動いて妙の濡れたものを揉み込んでくる。
「ひっ、・・ああ・・・。」
背を反り上げたとたんに花びらから蜜が溢れだし、妙の薄目の陰毛が思い思いに美夜叉の腿に粘り付いた。
妙のしなやかな身体がびくびくと小さく跳ねる。。
顎を上げて眉を寄せる顔を窺うと、美夜叉は妙の右の乳首に吸い付き、右手で左の乳房を揉み上げていく。
弾き立った乳首を含みながら美夜叉は思った。
“聡明で貞淑であればあるほど、それが恥辱に打ちひしがれると、後はかえって意のままになる・・。”
そして配下の一人の、虚ろな眼差しが目に浮かんだ。

美夜叉は妙の下腹辺りを手で押さえて確かめると、その下の濡れたものに手を伸ばしていった。
太腿を浮かして、妙の濡れたものに指を割り込んでいく。
「はっ、あああ・・・。」
四本の指で円を描く様に揉み込むと、花びらはじくじくと自ら蜜を溢れさせた。
一層うねり始めた妙の身体を左手で抱いて、敏感な突起ごと花びらを揉み続ける。
「ああっ、・・・んあああ~・・・。」
妙はもう、泣く様な声を上げて身をくねらせ始めた。
綺麗に結い上げた髷はもうしとどに崩れて、旦那様から頂いた簪も、既に畳の上に抜け落ちていた。
美夜叉の右手の人差し指が、潤みの少し上に浅く忍び込んで細かく震えている。
「あ~あんんっ・・・はあっ、んううう~・・・。」
妙は駄々をこねる様に身を捩じらせるかと思うと、急にその柳腰を反り上げたりする。
「切のうございますか・・? ほれ・・、気持ち良うて狂いそうでございますか・・?」
「ああ・・、堪りませぬっ。・・・ああ・・もう・・狂うてしまいます・・・!」
「ああ奥様、お美しい・・・うれしい・・・。あむ・・・。」
美夜叉は、夢うつつに喘ぐ妙の唇を吸い塞いだ。
「ふん~~んん~~ん~・・・。」
生かさず殺さずの生き地獄に我を忘れたのか、妙は唇を奪われながら、両手を美夜叉の背中に廻してしがみ付いていく。
美夜叉の右手が更に震えを強めていくと、妙の身体が力みを伴ってうねり始めた。
美夜叉は三本の指を使って、敏感なしこりとその下の微妙な小孔を弄り始めた。
「んぐううっ!・・・・はあっ!・・あはああっ!!」
細身の身体が反りを打って、妙は美夜叉の唇を振り解いて叫びを上げた。
「さあっ、奥様!・・もう、ほれっ!」
「はあっ・・!いやっ!!・・・・あはあっ!・・・あうう~っ!!」
才色兼備の若妻とは思えぬ唸りを上げて、妙の身体が跳ねた。
同時に美夜叉の指の間から熱い飛沫が飛び散る。
美夜叉の背中に両手の爪を立てながら、極みに縛られた細身の体に、幾度か獣じみた痙攣が走った。
「あぐううう~・・・・!!」
妙は自分の失禁が畳を叩く音を遠くに聞きながら、次第に意識が遠のいていった。


やがてゆっくりと意識を取り戻した妙は、自分の身体がまだ優しく女に抱かれているのに気が付いた。
美夜叉は妙の乱れた髪を撫でながら口を開く。
「奥方様・・、私、とても幸せでございました・・。」
妙は堪りかねた様に震える瞼を閉じた。
そんな妙の顔を見つめながら美夜叉は続ける。
「もう何も思い残す事はございません、・・・ただ・・・。
 私の妹が、この地で踊りの舞台をあと三日ほど残しております。後三日ほど私をこの地に留め置いていただけませんでしょうか・・?。
 お礼に、お客様のご接待にひと舞い、妹を伺わせまするゆえ・・・。」
「で、でも、先程のお話では・・・。」
妙は美夜叉の申し出に戸惑った。
「ご心配ありません、奥様・・。私はもう、奥様の前には決して姿をお見せしません。
 そして奥様との事も・・・、決して誰にも・・・。」
囁きと共に唇を塞がれながら、妙は再びその瞳を閉じた。
続元禄江戸異聞(十二)目次続元禄江戸異聞(十四)




コメント一覧
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    • ––––––
      1. ハーレクイン
    • 2012/03/15 09:12
    • 春秋花&美夜叉の三人がかりかと思ってたら。美夜叉一人か。
      >美夜叉は妙が賢妻であるが故に、正面からその心に踏み込んで行く
      なーるほど。
      これも一つの策略か。
      相手に合わせて自在に対応を変えると。
      やっぱり役者が違うなあ、尾張白蝋衆。
      ふむふむ。 φ(.. )メモメモ
      >ああ……堪りませぬっ。……ああ……もう……狂うてしまいます……!
      あっさり落ちるお妙の方。
      >聡明で貞淑であればあるほど、
       それが恥辱に打ちひしがれると、後はかえって意のままになる
      「配下の一人」って、誰なんだろうね。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2012/03/15 20:00
    •  いわゆる“男女(おめ)”のこと(「続元禄江戸異聞(四)https://mikikosroom.com/archives/2770695.html」のコメント参照)。
       ↓『百合辞典』によると……。
      http://www.lares.dti.ne.jp/~maton/Terminology.htm
       「昭和6年発行の誠文堂『モダン隠語辞典(宮本光玄著)』には、『上級の女学生が下級の美少女を愛することをいふ』」と、あるそうです。
       “モダン”ってのが、味わい深いですね。
       昔からの用語が、モダンに転用されてる例ってことでしょうか。
       ちなみに新潟では……。
       “あなた(You)”のことを、“おめさん”と云います。
       これはもちろん、“お前さん”が訛ったものですが。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2012/03/15 20:39
    • 『百合辞典』!
      『モダン隠語辞典』!
      ふーん。
      どの世界にもあるんですねえ、辞典。
      ま、用語が統一されていなければ、議論も考察もあったもんじゃないですからね。
      辞典の編纂は大変な労力を要しますが、極めて重要な作業です。
      ご苦労様です。
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