Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 1746
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 美弥子は、大型冷蔵庫に縋るように座りこんでいた。
 雷は、まだ止んでいなかった。
 間欠的な稲光が、厨房の調度から影を奪っている。

「美弥ちゃん、大丈夫?」

 美弥子はカクカクと頷いたが、とうてい大丈夫な様子には見えなかった。
 縋りつく美弥子を抱き、背中を擦る。
 温もりが愛しかった。

「どうしたの?」

 目を声の方に向けると、千穂だった。
 この雷で、目を覚ましたのだろう。

「怪我でもした?」

 駆け寄ってきた。

「違います。
 この人、雷が苦手なんです」
「なんだ……。
 良かった」
「すみません。
 洗濯物、間に合いませんでした」
「いいのよ。
 雨が上がってから、取りこみましょう」
「はい」

 千穂の様子には、屈託が無かった。
 どうやら、錠の仕掛けは上手く働いてくれたらしい。

「あの……」
「なに?」
「さっき外で、こないだの農協の人を見かけたみたいだったんですけど」

 由美は、ちょっとカマをかけてみた。

「あ、そう?」

 案の定、千穂は視線を泳がせた。

「濡れなかったかしら?」
「大丈夫でしょ。
 どこかの家に避難してるわよ。
 ここらへん、お客さんが多いから」
「ですよね」
「見かけたって、物干し台のところ?」
「いえ。
 外の道路です」
「そう」

 千穂は、ホッとした様子を見せた。

「今日は、お客さん、何人でしたっけ?」
「おひとりよ。
 もう海は、土用波が立ってるものね」
「サーフィンですか?」
「ううん。
 常連さん。
 季節に関係なく、いらしてくださるの。
 ここに来るとホッとするんですって」
「わかります。
 わたしも来たいもの」
「そう?
 嬉しいわ」
由美と美弥子 1745目次由美と美弥子 1747





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2015/05/01 07:26
    • 律「安あがりな女」
      み「どうせわたしななんか、老後、微々たる年金しかもらえないんだからさ。
       今から、お金のかからないことで喜びを感じる習慣を付けておかねばならんのよ」
      律「年金って、いくらくらいなの?」
      み「先生は、年金の心配なんていらないでしょ。
       蓄えもあるだろうし。
       わたしは、今のお給料じゃ、貯蓄も出来ない。
       わたしの会社は、退職金もありません」
      律「ブラックじゃない」
      http://blog-imgs-74.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20150426185651552.jpg
      ↑ブラック以前に、これは犯罪です。
      み「アホたれ。
       世の中小企業は、たいがいこんなものです。
       退職金が出るのは、大企業と公務員だけ。
       だから、たとえ定年まで勤めあげたとして……。
       蓄えはゼロ、しかも、退職金もゼロよ」
      http://blog-imgs-74.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201504261856506ea.jpg
      ↑人はそれを、ゼロテスターと呼ぶ。
      律「どうやって食べていくの?」
      み「だから、年金でしょ」
      律「どのくらい出るの?」
      み「『ねんきんネット(http://www.nenkin.go.jp/n/www/n_net/)』というところで、試算してみたら……。
       月額、11万円くらいだった」
      http://blog-imgs-74.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20150426185652931.jpg
      律「食べていけないじゃないの」
      み「食べていくしかおまへんがな。
       これで」

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2015/05/01 07:27
    • み「これが、日本で定年まで働いた人の報酬なんです。
       てなわけで、目指すは、月額10万円の暮らしです」
      http://blog-imgs-74.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20150426185655d39.jpg
      ↑ほんまかー?
      律「東京じゃ、とてもムリよ」
      み「東京の人は給料も高いから、年金もその分多くもらえるじゃない。
       ま、わたしはいざとなれば、土地を売れば、少しは糊口をしのげます。
       100坪あるから、1千万にはなるじゃろ。
       月10万なら、100ヶ月分。
       8年間、生き延びられます。
       えーい、止め!
       こんな、辛気臭い話」
      http://blog-imgs-74.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201504261857081d5.jpg
      律「あんたが言い出したんじゃないのよ」
      み「話を戻します。
       なので、お昼さえ食べなければ……。
       1日ずーっと、通しで時間が使えるわけよ」
      律「昼食も食べずに、用もないバスに乗ってる人の気が知れないわ」
      み「実は、バスを使う前は、歩いてたのです。
       東京に住んでたときは、街歩き、大好きだったからね。
       最初のきっかけは、二日酔いで、満員電車に乗る気がしなかったこと」
      http://blog-imgs-74.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20150426185710228.jpg
      ↑毎日これは辛い。
      律「それで、歩いたわけ?」
      み「さよです」
      律「遅刻じゃない」
      http://blog-imgs-74.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2015042618565442e.jpg
       続きは、次回。
      P.S.本日は飲み会で遅くなります。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2015/05/01 09:07
    •  雷におびえる美弥ちゃんはともかく、何ということもない日常のようです。
       うわべは、ね。

    • ––––––
      4. ハーレクイン
    • 2015/05/01 09:12
    •  残業代、ありません。授業後の質問対応への報酬、ありません。予習・復習への報酬、むろんありません。
       厚生年金、ありません。国民年金を自前で掛けます。掛け金、高いよー。年金、安いよぉ~。
       健康保険、ありません。国民保険に自前で入ります。保険料、高いよー。
       そうか、予備校って、ブラックだったのか!
       もちろん、退職金など……あ「慰労金」という涙金はくれたな。
       え!? 「み」さんの年金って11万円もあるのか。わたしなんて一ケタ万円だぞ。蓄えを食いつぶしたら、それこそ首をくくるしかないなあ。
       おー『月6万円で豊かに暮らす! ビンボという生き方』。
       わたしのために書かれたような書物ではないか、これは読まねば。
       買うのはもったいないから(ゆるせ、川上はん)、図書館だな。わたしの住んでるとこは、図書館だけは充実してるんだよ。こないだ、駅前の出張所が増えたし。
       あと、野山と川も「市」のくせに充実してます。
       土地を売る!
       くそー、栃餅、いや土地持ちかい!「み」さん。
       ちょっとでもビンボ連帯感を感じたわたしが愚かだった。
       くそー、いいなあ田舎は。
       アリスの白うさぎ。
       これはディズニーかな。
       時計の針が指す時刻は、書物の挿絵によって異なるそうです。時計に針がない場合もあるそうですが、その方が面白いよね。
       「大変だ!大変だ!遅刻しそうだ!」
       ルイス・キャロルって天才だね。変人という説も……。

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2015/05/01 22:29
    •  なるほど。
       学校の先生と違って、授業してる時間分だけ、報酬が支払われるというわけですね。
       でもそれは、準備のための時間も込み込みの単価と考えるべきじゃないですか。
       大阪で100坪持ってたらお大尽なのでしょうが……。
       新潟では、十把一絡げの三度笠です。
       大正13年の調べでは、北海道を除く国内に、1,000町歩(1,000ヘクタール)地主が9家あったそうですが……。
       うち、5家が新潟県でした。
       ちなみに、1,000町歩ってのは、三内丸山遺跡の25個分です。

    • ––––––
      6. ハーレクイン
    • 2015/05/02 01:32
    •  ま、それはそうなんですがね。確かに、単価は高いです。
       世間一般の人が聞けば目を剥くでしょうね。
       時間給が多いですが、50分あたりとか、10分あたり、なんてとこもあります。
      >十把一絡げの三度笠
       少し考えちゃいましたよ。
       三波春夫センセ『雪の渡り鳥』ですな。
      ♪かぁぁっぱぁ~かぁらぁげぇてぇ~
       さぁんどぉ~がぁあさぁ~
       どこを塒の渡り鳥……
       大正13年……。
       何を言いだすねん、と思いましたがなるほど。
       こういうのをお大尽というんだろうね。一体何人の小作を使ってたんだろう。
       しかし1,000町歩の土地も、全て接収されちゃったわけだ、進駐軍に。
       坂東眞砂子『山妣』は越後の山村が舞台。おどろおどろしく美しく、哀しい物語ですが、登場人物の一人が小作の娘です。作品中ではいわば“チョイ役”なのですが、なかなか存在感のある存在でした(だから、けったいな日本語はやめろって)。
       「けったい」は大阪語だそうで「怪体」と書くと思っていましたが、「卦体」「希代」の変化、とするサイトさんがありました。どうなんでしょうね。広辞苑には「『卦体』の転」とありました。
       1,000haといいますと、こちらでは高石市1個分くらいですね。といってもピンとこないでしょうね、高石市なんて。他県の方は知らんでしょう。わたしも知りません(わはは)。
       大阪湾沿岸、堺市の南隣ということですから、いずれ工業地。小汚いとこなんでしょう(高石の人、ごめん)。

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2015/05/02 08:17
    •  そんな本歌があるとは知らなんだ。
       うちの近くにも、1,000町歩地主の家が残ってて……。
       ↓『北方文化博物館』として公開されてます。
      http://www.hoppou-bunka.com/
       いけね。
       もう、こんな時間だ。
       今日は、二日酔いですが……。
       車で行きます。
       捕まりませんように。

    • ––––––
      8. ハーレクイン
    • 2015/05/02 09:59
    •  はいはい、覚えてますよ。
       以前出てきたよね。
       『なんとか家』っていったよね(覚えてへんやないか)。
       たしか、建築資材として会津あたりから、巨大な丸太を筏にして運んだとか。で、途中の橋が通れないので壊して通り、あとで立派な橋を架け替えて返したとか、云うあれだろ。違うかなあ。
       『寒戸の婆』の話も絡んでいたのでは。
       お、そうか、出勤でしたな。ご苦労様です。
       事故にはごちうい。踏切で立ち往生とか、しはらんように。

    • ––––––
      9. Mikiko
    • 2015/05/02 19:28
    •  中川家ではなく、伊東家でもなく……。
       伊藤家です。
       寒戸の婆が現れた台所を、伊藤家の台所みたいだと想像したんでしたっけ?
       伊藤家の台所では、10人ほどの家族と60人の住込み使用人のため、毎朝、1俵の米が炊かれたそうです。
       会社に行くのに踏切は渡らないので大丈夫でした。
       オートマで立ち往生なんて、しまっかいな。

    • ––––––
      10. ハーレクイン
    • 2015/05/02 22:14
    •  『剛と礼二』、伊東家は『食卓』ですな。
       で、伊藤家。
       あまりに普通の名前なので、印象に残らなかったんでしょうね(それはそれで失礼だぞ)。
       日本で一番多い苗字じゃなかったかなあ、で調べましたら伊藤さんは第6位でした。1位は佐藤さんですね。
       それにしても「60人の“住込み”使用人」は凄まじいね。いるんだねえ、ていうかいたんだねえ、お大尽って。
       伊藤家、といいますか『北方文化博物館』HPのトップには↓このようにありました。
      「江戸時代中期、農から身を起こし、やがて豪農への道を歩み、代を重ねて巨万の富を築いていった一族が伊藤家です。全盛期には、1市4郡60数ヶ町村に田畑1,370町歩(1,372ha)を所有し、越後随一の大地主として、その名は県下に鳴り響いていましたが、農地解放により広大な農地は伊藤家の所有を離れることになります(HQ注:犯人は進駐軍)。
       ……………………………………………………
       現在では……(土地などは)跡形もなく、ただ、かつて豪農の館、伊藤家だけが、昔の面影そのままに、数々の歴史を秘めて残っています」
       東京銀座か、大阪の曽根崎新地かは定かでないが、とある高級バーでは、高い酒をキープすると「よっ、お大尽!」と掛け声が掛かるといふ……。
       知らんで、聞いた話や。
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