2014.5.5(月)
動画を撮ることなどめったにないが、操作方法だけはどうにか思い出せた。
カメラを美弥子に向け、スタートボタンを押す。
が……。
何も起こらない。
不思議な仮面劇の舞台は、スチール写真のように止まったままだ。
白いローブを纏った仮面の女。
床に仰向いた全裸の女。
まさに、前衛劇の一場面だった。
美弥子は、床の女教授に視線を落とした。
しかし、横たわる女教授は、腹部を規則正しく起伏させているばかりだ。
美弥子は女教授に背を向けると、壁際に向かった。
美弥子が立ったのは、造り付けの棚に組みこまれたステレオの前だった。
CDを選び出し、プレーヤーにセットしたようだ。
美弥子がこちらを向くと同時に、大音響が鳴り出した。
普段、こんな音量でステレオをかけることなど無かった。
ここが防音ルームでなかったら、隣から苦情が出るだろう。
曲は確か、『アフリカ』。
これも、父親の趣味だという古いジャズだった。
寝室で仮面を見つけたとき……。
美弥子が父親のアフリカ趣味を嘆きながら、この曲も聞かせてくれた。
サックスの音色が、部屋の空気をうねらせる。
鱗を七色に光らせて這いまわる錦蛇のようだった。
いったい美弥子は、何をするつもりなのか……。
問いかけたい由美だったが、この音量では会話もままならない。
美弥子は、再び部屋の中央に戻ると、女教授の脚元に立った。
美弥子の視線に導かれ、由美も横たわる女教授に目を向けた。
女教授には、明白な変化が見えていた。
腹部の起伏が不規則になっている。
目蓋も小刻みに震えていた。
眠りが浅くなっているようだ。
この音量なのだから無理もない。
サックスの音色が、ブレーキ音のように高まった。
同時に、女教授の両目が開いた。
しばらく天井を見つめていた目が、2,3度瞬きをすると、首が持ちあがった。
脚元に立つ美弥子を見つけると、女教授は一瞬凝固した。
刹那、電撃に撃たれたように起ちあがった。
カメラを美弥子に向け、スタートボタンを押す。
が……。
何も起こらない。
不思議な仮面劇の舞台は、スチール写真のように止まったままだ。
白いローブを纏った仮面の女。
床に仰向いた全裸の女。
まさに、前衛劇の一場面だった。
美弥子は、床の女教授に視線を落とした。
しかし、横たわる女教授は、腹部を規則正しく起伏させているばかりだ。
美弥子は女教授に背を向けると、壁際に向かった。
美弥子が立ったのは、造り付けの棚に組みこまれたステレオの前だった。
CDを選び出し、プレーヤーにセットしたようだ。
美弥子がこちらを向くと同時に、大音響が鳴り出した。
普段、こんな音量でステレオをかけることなど無かった。
ここが防音ルームでなかったら、隣から苦情が出るだろう。
曲は確か、『アフリカ』。
これも、父親の趣味だという古いジャズだった。
寝室で仮面を見つけたとき……。
美弥子が父親のアフリカ趣味を嘆きながら、この曲も聞かせてくれた。
サックスの音色が、部屋の空気をうねらせる。
鱗を七色に光らせて這いまわる錦蛇のようだった。
いったい美弥子は、何をするつもりなのか……。
問いかけたい由美だったが、この音量では会話もままならない。
美弥子は、再び部屋の中央に戻ると、女教授の脚元に立った。
美弥子の視線に導かれ、由美も横たわる女教授に目を向けた。
女教授には、明白な変化が見えていた。
腹部の起伏が不規則になっている。
目蓋も小刻みに震えていた。
眠りが浅くなっているようだ。
この音量なのだから無理もない。
サックスの音色が、ブレーキ音のように高まった。
同時に、女教授の両目が開いた。
しばらく天井を見つめていた目が、2,3度瞬きをすると、首が持ちあがった。
脚元に立つ美弥子を見つけると、女教授は一瞬凝固した。
刹那、電撃に撃たれたように起ちあがった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2014/05/05 07:58
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律「ボク、こんな人の真似しちゃダメよ」
小「はい」
み「即答すな!」
律「あ、ほんとだ。
田んぼばっかりになってきた」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140502201851821.jpg
み「秋の津軽平野を走ってるんだなぁ」
律「しみじみするわね」
み「真冬はここを、地吹雪が通うわけだ」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140502201849fa7.jpg
み「住みたない!」
律「ほんと、大変な暮らしよね」
み「あ、停車だ」
小「『五農校前』です」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140502201830d7d.jpg
み「バス停みたいな駅名だな。
五農校って、五所川原農林?」
小「そうです」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140502201829227.jpg
↑校舎はわりとモダンです。
み「インパクトのある高校名として、間違いなくベスト5に入るね。
正攻法のインパクトだな。
中には、とんでもねー名前の高校もあるからね」
律「どんな?」
み「スマホで引いてみ。
キーワードは、“変わった学校名”
どう?」
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2. Mikiko- 2014/05/05 07:59
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小「スゴいのがありますね」
み「どんな?」
小「これ、何て読むんですか?」
み「見せてみ。
ほー。
こりゃスゴい。
『聖隷クリストファー高校』」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201405022018334f3.jpg
↑ほんとうにあります。
律「どこにあるの?、そんな学校」
み「浜松だって。
うなぎ、食っていいのかな?」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140502201828278.jpg
↑『うなぎの骨の唐揚げ』。東京にいたころ、スーパーの惣菜で、ときどき買いました。
律「知らないわよ」
み「あとは……。
マジか、これ。
『聖母の騎士高校』」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201405022018324ef.jpg
↑しつこいようですが、実在します。
律「漫画の話じゃないの?」
み「長崎の男子校だよ。
学生寮があるみたい。
なんか、アブネー世界なんじゃないの?」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110110120424772.jpg
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2014/05/05 11:40
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知らんなあ。
サックスねえ。
テナーかな、アルトかな、ソプラノかな。
まさか、バスということはあるまい。
アフリカ土産の仮面だと、模様などが描かれているのでは……。
立ち上がる女教授。
まさか、反撃に出ようとでも……。
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4. ハーレクイン- 2014/05/05 11:42
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どんな真似だっけ、で読み返しましたよ、前回。
↓これですな。
み「働くより、腹空かして寝てる方がマシだと、つくずく思ったね」
律「あ、ほんとだ。
田んぼばっかりになってきた」
今日は確か……10月10日だよな。
とっくに刈り入れは終わっているのでは。
地吹雪って「通う」のか、「み」さん。
「五農校前」の駅名表示。
なんか書体が違うような……。
「五所川原農林高校」の校庭。
冬は雪に埋もれるんだろうね。
「聖隷クリストファー高校」
「聖母の騎士高校」
聖母たちのララバイ、は岩崎宏美。
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5. Mikiko- 2014/05/05 12:45
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わたしは、CDを持ってます。
奏者は、ジョン・コルトレーン。
津軽の稲刈り。
↓9月下旬から10月初旬にかけてのようです。
http://www.kcsnet.ne.jp/kyoei/linkpage/tsugaru/9_tanbo/index.html
10月10日には終わってるでしょう。
冬の季節風は、ほぼ正確に北西から吹くので……。
自然と“通う”という表現になるのです。
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6. ハーレクイン- 2014/05/05 15:57
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前回(83)の時に書いたかどうか覚えていないのですが、前々回(82)から、道連れが「食」くんから「小」くんに変わっております。「食」くんは哀れ「くまげら」くん車中に置き去り、代わって東京の小憎らしい小学生「小」くんが道連れです。
それでは、お賑やかに参りましょー。まずは、芦野公園駅ネタから。
●いやあ、素敵な駅舎ですねえ、芦野公園旧駅舎。
●いやあ、強引なおっさんですねえ、金木町長。
●>津軽鉄道の『芦野公園』を知らんか。ま、地元に誇りを持つのは結構なことです。
●忖度は「そんたく」ですね。
●2,200本の桜。大阪・造幣局の桜とどちらが多いかなあ。
●調べましたところ350本でした。芦野公園の圧勝ですね。
●>小「このあたりのサクラは、ちょうどゴールデンウィークが見ごろなんです。ふむ、では今が盛りと咲き誇っていると……。
●「津鉄サポーターズクラブ」の「幻の観桜会」。なかなか洒落たことをやるではないか。
●立佞武多は8月4日~8日。京都では祇園祭が終わってやれやれ、という頃だな。
●ストーブ列車。車内温度は50℃超。アホとしか思えん。
●風鈴列車。やかますい。人の迷惑考えろ。向かいの家、今年も下げるんだろうな、風鈴。
●JR九州の特急「はやとの風」は窓が開きます。「はやと」は「隼人」だろうな。
●小湊鉄道。千葉県市原市の五井(ごい)駅から、同県夷隅郡大多喜町の上総中野駅を結ぶ。軌間1,067mm。路線総延長39.1km。起・終点を含む駅数21。上総中野駅でいすみ鉄道いすみ線に連絡。
●津鉄・鈴虫列車は、先代社長のアイディア。はやり、おっとやはり、トップの発想力が企業の体力を決めるんだね
●鈴虫の鳴き声、喧しいほどだそうです。
●わたしは、学生時代は金沢だったけど、さほど冬は嫌ではなかったなあ。
●引っ越す前の家の近くに、田んぼの中を突っ切る小道がありました。その道の傍らにコスモスが生えてるんですね。で、ご近所さん達は皆「コスモス街道」と呼んでいました。ちょっと気恥ずかしいですけどね。
●神宮外苑のイチョウ並木。美しいそうですね。ここで、どれほどの映画やドラマが撮影されたことか。
●冬晴れの東京の空に聳え立つ東京タワー。美しいですね。
●イギリス、ロンドン(?)の冬景色。こんな気候から『ジーキル博士とハイド氏』や『フランケンシュタイン』が生まれたのでしょうか。
●はさ木に掛ける稲。こんなこと言っちゃなんですが、美しい光景でしょうね。
●新潟でスキーとくれば、何といってもレルヒ少佐。
●なんか……新潟の気候。聞いただけで憂鬱になってくるなあ。
●冬の匂いねえ。全く季節感が無いなあ。
●臨時召集令状の宛先は、奈良県最南端、吉野郡十津川村。日本が実効支配している地域では、面積最大の村だそうです。
●いくらなんでも-46.6℃って……。シベリアかアラスカ並ではないか、八戸。
●「地吹雪体験ツアー」。なにをまた好き好んで、もの好きな。こちらで天気図を掻くと、まず記入する機会はありません「地吹雪」。あと、「砂塵嵐」もね。
●モンペ、角巻はないけど、カンジキを履いたことはあります。てゆうか、学生時代の冬は毎日のように履いていました。
●おー、馬橇はともかく「鱈のじゃっぱ汁」。「じゃっぱ」はアラ。魚のアラ料理って、なんでこんなに美味しそうなんだろうね。
●うわあ懐かしい、クイズダービー。はらたいら氏は 2006年11月10日逝去。
●インドの通勤列車。あれ、パキスタンじゃなかったっけ。
●火星ときますと、ジョン・カーターとデジャー・ソリスの大冒険活劇。
●「ぐれダルマ」。意味わからん。
●美人アテンダントさん。やはり津軽出身なのかね。
●ワンマン列車。料金をてっぺんの小箱に放り込むだけだよ。おつりがいる人は、その右脇が両替機になっています。
●酔っぱらいのおっさんの横に平気で座るお姉さん。この程度でビビっていては、夜の通勤列車には乗れません。
●「ユニットサッシ」「窓戸錠」「バランサー窓」「下降式窓」「油圧式バランサー」。わかったようでわからんなあ。
●>み「大人になると、どんどん世の中の仕組みがわかってくるよ」。勉強になります「み」さん。
●エリマキトカゲは、何故口を開いて走るか。そりゃあ、餌が口に飛び込んでくるのを期待してるんじゃないの。
●>み「わたしの頭は、基本的に理系なんだな」。わたしも、白衣を着る仕事に付きたかったなあ。
●京田辺は、京都府南部に位置する市。
●「十川駅」のトンガリコーン。ま、印象的ではあります。列車をけん引する、えーとDDだっけ? ヘッドマークが「太宰」。青森だ、津軽だ、どこまで行っても太宰だ。
●桜桃忌は太宰の忌日ではありません。遺体が発見された日です。
●「津軽フリーパス」。JR青森-碇ヶ関間、JR川部-五所川原間、津鉄 津軽五所川原-金木間、弘南鉄道 黒石-大鰐間、あと、弘南バス。これで2,000円は超お得でないかい、たぶん。
●磔台の女性。一体どういう画像なんだ。それにしてもおっぱいデカそう。
はい、というわけで御座いまして今、季節は春たけなわ。
しかし、津軽鉄道は紅葉の季節でしょうか。色づく津軽の里を快調に駆け抜けるディーゼル列車「走れメロス」くん。次の停車駅は「五農校前」。本編ではもう到着しましたが……。
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7. ハーレクイン- 2014/05/05 15:59
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演奏はコルトレーン、楽器はテナー・サックス。
トランペッターのマイルス・デイビスと並ぶモダンジャズの巨匠です。
わたしたちはカッコつけて「トレーン」と呼んでいました。
しかし、なんで記憶にないんだろう、アフリカ。
津軽の稲刈り。
津軽ときますと、やはりリンゴですが……。
稲刈りも秋の風物詩ですねえ。のんきなことを言うな、と叱られそうですが。
「通う」季節風。
なるほど。
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8. Mikiko- 2014/05/05 20:10
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ぜんぜん関係ありませんが、こちら、ただいま雨が降っています。
乾ききっていたので、まさに恵みの雨です。
明日は、ゴールデンウィーク最終日。
慈雨に潤った越後平野を、走って来ようかの。
コルトレーン。
愛称が、トレーン(Trane)だったそうです。
↓わたしは、『オレ!』が大好きでした。
http://www.youtube.com/watch?v=_Z5cRYd1Vr4
酔っ払って聞くと、最高でしたね。
和笛の音色に通じるものがあるような……。
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9. ハーレクイン- 2014/05/05 21:10
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歴史的な名演です。
トレーンはサックス奏者ですが、実はフルートも吹きます。
わたしの師匠の一人です。
ま、第一はハービー・マンですが。次いで、ジェレミー・スタイグ。
ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスが、スタイグと共演したアルバム「ホワッツ・ニュー」。名演です。
いいなあ、笛って。
フルートも横笛なんだよ。
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10. Mikiko- 2014/05/06 08:08
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超苦手でした。
とうてい、人と同じ速度で吹けない。
合奏のときは、吹いてるふりだけしてました。
高田馬場の『マイルストーン』というジャズ喫茶には、よく行きました。
たのむのは、バーボンとナッツだけ。
ジャズを聞くと、ナッツ類が食べたくなってしまうのは、そのときの名残でしょうか。
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11. ハーレクイン- 2014/05/06 08:52
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ジャズ関係者にとっては、ほんとに懐かしい店名ですねえ。
リコーダー。
あれは縦笛ですが、私の得意は横笛です。
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12. Mikiko- 2014/05/06 12:43
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チェーン店だったのか?
縦笛で真っ先に連想するのは……。
レッドスネークカモンですね。
↓本日の『ばんえつ物語号』。
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201405061224107ae.jpg
ようやく、チビらずに撮れました。
とりあえず、『ばんえつ』撮影は、これで卒業ということで。
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13. ハーレクイン- 2014/05/06 14:37
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わたしが行ったのは新宿ですから、チェーン店なのかもしれません。
レッドスネークカモーンの……
ショパン猪狩さんが、今月13日に逝去されたそうです。
心不全、享年76歳。
ご冥福をお祈りいたします。
あの、へびを操っていたのは奥様だそうです。
「ばんえつ」くん。
元気そうだの。
「ばんえつ」撮影。なんで卒業なんだよう。
また来年も頼んまっせ。
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14. Mikiko- 2014/05/06 18:51
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ローマ帝国時代、街道に1ローママイル(1000歩)ごとに設置された石の標識のことだそうです。
『ばんえつ』撮影は朝が早いので、忙しくてならんのじゃ。
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15. ハーレクイン- 2014/05/06 23:22
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ははあ、「1マイル石」ということですか。
日本でいうと「距離標(キロポスト)」ですね。
昔は何と言ったのかなあ。主な街道には縦長の、四角い道標が立ってましたよね。
「ばんえつ」くんって、そんなに朝が早いのか。
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16. Mikiko- 2014/05/07 07:39
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一里塚でないの?
『ばんえつ物語号』が、わたしの撮影ポイントを通るのは……。
10時ちょっと前です。
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17. ハーレクイン- 2014/05/07 10:53
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今日はどこまで行ったやら。
それは「蜻蛉釣り」やがな。
「ばんえつ」くんは10時前。
撮影には楽勝でないの。
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18. Mikiko- 2014/05/07 20:18
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10時前に家を出るのは、至難なのじゃ。
せっかくの休みに、早起きする気にはならんし。
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19. ハーレクイン- 2014/05/07 22:04
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なにかなあ。
エッチなことかなあ。
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20. Mikiko- 2014/05/08 07:24
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そんなことしてられまっかいな。
誰かと違って、週に2日しか休めない身には、やらねばならぬことが無限にあるのです。
やりきれず先送りになることの、いかに多いことか。
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21. ハーレクイン- 2014/05/08 09:15
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で、やり残したまま生涯を終えるんだろうね。
♪人生楽ありゃ苦もあるさ
涙の後には虹も出る
……………………
あとから来たのに追い越され
泣くのがいやならさあ歩け