2014.4.23(水)
女教授は、シルクらしい光沢のある布地を摘むと、薄皮を剥ぐように肌を滑らせた。
脚元に落ちた布地は、二回りほども小さくなって見えた。
女教授は、はかない布地を跨ぎ越すと同時に、しなを作って踊り始めた。
「どう?
舞台なら、わたしが踊り出しただけで万雷の拍手よ」
乳頭が鳩尾の高さまで垂れた乳房。
下腹部では、脂肪の束がストッキングに段を作っている。
内腿が擦れ合うほどの太い脚。
お世辞にも美的な印象は持てなかった。
「不服かしら?
まだ、男ってものが判ってないようね。
男はね……。
わたしの前に踊ってたモデルみたいな子より……。
わたしのこの身体の方が、興奮するのよ。
わかる?
リアリズムって云うのかしらね。
モデルの子は……。
あそこのお客にとっては、額縁の向こう側の存在でしかないの。
自分とは別世界の人間って感じかな。
でも、わたしは違うわ。
この身体でしょ。
近所で擦れちがう肉の弛んだおばさん。
商店街で自転車を押してる大きなお尻。
そんなとき、男は必ず裸を想像してるのよ。
わたしの舞台では……。
そんな身近な存在が、目の前で裸になった姿を見れるの。
妄想が現実になる。
興奮度が違うのね。
自分の肌との近さの違いよ」
しゃべり続けるうち、女教授の頬には赤みが差し、胸元のそばかすに、うっすらと汗が浮き始めた。
「そして、男の興奮を感じるとき……。
わたしの肌も燃えあがる。
あぁ、気分出てきた」
女教授は、両腕をバレリーナのように高く掲げた……。
肘を折り曲げた白鳥のポーズのまま、女教授は自動人形めいた動作で回り始めた。
黒いストッキングは、臀部から股間にかけてが大きく刳り抜かれている。
サスペンダーストッキングというアイテムだ。
ショーツは、ストッキングの上に穿かれている。
この穿き順を間違ってる女性がいるという話を、教授室で聞かされたことが思い出された。
脚元に落ちた布地は、二回りほども小さくなって見えた。
女教授は、はかない布地を跨ぎ越すと同時に、しなを作って踊り始めた。
「どう?
舞台なら、わたしが踊り出しただけで万雷の拍手よ」
乳頭が鳩尾の高さまで垂れた乳房。
下腹部では、脂肪の束がストッキングに段を作っている。
内腿が擦れ合うほどの太い脚。
お世辞にも美的な印象は持てなかった。
「不服かしら?
まだ、男ってものが判ってないようね。
男はね……。
わたしの前に踊ってたモデルみたいな子より……。
わたしのこの身体の方が、興奮するのよ。
わかる?
リアリズムって云うのかしらね。
モデルの子は……。
あそこのお客にとっては、額縁の向こう側の存在でしかないの。
自分とは別世界の人間って感じかな。
でも、わたしは違うわ。
この身体でしょ。
近所で擦れちがう肉の弛んだおばさん。
商店街で自転車を押してる大きなお尻。
そんなとき、男は必ず裸を想像してるのよ。
わたしの舞台では……。
そんな身近な存在が、目の前で裸になった姿を見れるの。
妄想が現実になる。
興奮度が違うのね。
自分の肌との近さの違いよ」
しゃべり続けるうち、女教授の頬には赤みが差し、胸元のそばかすに、うっすらと汗が浮き始めた。
「そして、男の興奮を感じるとき……。
わたしの肌も燃えあがる。
あぁ、気分出てきた」
女教授は、両腕をバレリーナのように高く掲げた……。
肘を折り曲げた白鳥のポーズのまま、女教授は自動人形めいた動作で回り始めた。
黒いストッキングは、臀部から股間にかけてが大きく刳り抜かれている。
サスペンダーストッキングというアイテムだ。
ショーツは、ストッキングの上に穿かれている。
この穿き順を間違ってる女性がいるという話を、教授室で聞かされたことが思い出された。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2014/04/23 07:19
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み「あ、駅だ」
小「『十川(とがわ)駅』です」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140419095004772.jpg
↑なんでこんなトンガリコーンを付けたんでしょう? “はなわ”のようです。
律「もう着いたの?
さっき発車したばっかりじゃない」
小「『十川』までは、1.3キロしかありませんから。
2分で到着です」
み「歩いても15分だな」
律「この辺までは、まだ宅地とか工場があるわね」
小「もう少しすると、水田が広がりますよ」
み「ほうか」
小「お姉さんたちは、どこまで行くんですか?」
律「そうだ。
それ、教えられて無かったんだっけ。
どこよ?」
み「ま、今さら隠しても仕方ないか。
『金木』だよ」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140419095020acc.gif
小「なんだ。
そんなに早く降りちゃうんですか。
もったいないですね」
み「チミと違って、用もないのに終点まで行く趣味は無いの。
でも、津軽まで来たら……。
やっぱり、斜陽館だけは押えておかないとな」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201404190950036d6.jpg
律「太宰治ね」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140419095018da8.jpg
↑津軽三味線会館には、なんと、太宰の“ねぷた”がありました。
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2. Mikiko- 2014/04/23 07:20
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み「大好きってわけじゃないんだけどね。
やはり、気になる作家です」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140419095002d50.jpg
↑桜桃忌(6月19日)の禅林寺(三鷹市)。今もこのにぎわいです。
律「『金木』までって、あとどれくらい?」
小「もう、20分もありませんよ(18分くらい)」
律「なんだ、近いのね。
それでいくらだっけ?」
み「530円」
律「高いんじゃない?」
み「ま、高いわな。
バス並みだ」
小「仕方ありませんよ。
お客さんが少ないんですから」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201404190949598b4.jpg
↑ジモティーは1人もいないようです。
み「行って帰って、1,060円だぜ」
小「あ、そうだ。
もし、この近辺を楽しむつもりなら……。
いい切符があるんですよ。
その名も、『津軽フリーパス』」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140419095019d11.jpg
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2014/04/23 09:23
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>垂れた乳房
>ストッキングの段
>太い脚
>肉の弛んだおばさん
>自転車を押してる大きなお尻
で、
>そんなとき、男は必ず裸を想像してる
そうかなあ。
どうしてもピンと来んなあ。
わたしはやはり「別世界の人間」の方が好みだなあ。
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4. ハーレクイン- 2014/04/23 09:25
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♪緑の丘の赤い屋根
とんがり帽子の時計台……
なんぼなんでも古すぎたか。
『鐘の鳴る丘(とんがり帽子)』は昭和22年(1947年)リリース。
菊田一夫作詞、古関裕而作曲、川田正子歌唱。
それにしても、ストーブ列車を引くDD。
エンブレムが「太宰」だね。
「行く先は金木」
わたしたちは聞いていたよ、「律」せんせ。
で、金木とくれば太宰、斜陽館。
『斜陽』は太宰の代表作(んなこた、わあっとるわい)。
太宰のねぷた。
ちょっとビビるね。
へえ。
桜桃忌は三鷹でやるのか。
禅林寺ねえ。
それにしてもこの賑わい?
人気あるんだなあ、太宰。
アホなことを書いてしまった。
太宰が入水自殺を遂げたのは東京都三鷹市。
で、墓があるのが三鷹の禅林寺。
ここで桜桃忌が行われるのは当たり前だのクラッカー。
太宰の自殺は昭和23年(1948年)6月13日だが、遺体が発見された6月19日を命日として桜桃忌が行われる。この日は、太宰の誕生日でもあります。
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5. Mikiko- 2014/04/23 19:44
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開業は、1961年(昭和36年)4月25日。
『鐘の鳴る丘(とんがり帽子)』とは、関係なさそうですね。
あさってで、築53年。
よく保ってると言うべきでしょう。
桜桃忌。
晩年の短編小説『桜桃』にちなんで命名されたとか。
墓前で静かに太宰を偲びたかったら、別の日に行くべきでしょうね。
太宰の死の翌年、田中英光という作家が墓前で自殺してます。
↓なんと、『太宰治検定』がありました。
http://www.dazaikentei.com/
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6. ハーレクイン- 2014/04/23 21:16
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大正2年(1913年)1月10日-昭和24年(1949年)11月3日。
旧東京府東京市赤坂区榎坂出身、東京都三鷹市禅林寺で自死。
代表作は『オリンポスの果実』。
うわあ、懐かしい。
たしかね、わたしらの若い時代によくあった(今もあるけど)月刊小説誌に掲載された中編だと思います(調べたら「文學界」でした)。
昭和7年(1932年)、第10回ロサンゼルスオリンピックにボート選手として出場した「ぼく」(モデルは田中本人)と、その大会中に知り合った「秋子」という女性(モデルは陸上の相良八重選手)との、プラトニックラブがテーマの作品です。
舞台のほとんどが、太平洋を往復する船上という、ユニークな設定。確か、二人で卓球をしたりしてました。
いやあ、ほんとに懐かしいなあ。
田中英光。
太宰の弟子だったんですね。
ちなみに、英光の子息がSF作家の田中光二氏。多作の人で作品は300点をこえるとか。
ですから、代表作は絞りにくいのですが『幻覚の地平線』『白熱』『オリンポスの黄昏(父英光との葛藤を描いた作品)』あたりですか。わたしの好みで、ですが。
「太宰治検定」
わたしは絶対無理だな。
「酒検定」と「生物検定」ならなんとかなるかな、と。
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7. Mikiko- 2014/04/24 07:30
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残念ながら、読んだことないです。
『オリンポスの果実』は、完全なフィクションではないようです。
田中は実際、早大在学中、ロサンゼルスオリンピックにボート選手として出場してますから。
身長、180㎝あったそうです。
享年36。
もったいない。
『日本酒検定』というのがありました。
↓10級から4級まではネット受験もでき、受験料もかかりません。
http://www.ssi-w.com/?page_id=2394
受けてみようかな?
↓なお、わたしが「銅の達人」に合格した『新潟清酒達人検定』はこちら。
http://www.niigata-sake.or.jp/torikumi/kentei/
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8. ハーレクイン- 2014/04/24 10:09
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>完全なフィクションではない
そうですね。
オリンピックに参加した時の経験を基にした、ま、私小説ですね。
でね、「ぼく」と「秋子」。互いの思いはわかりあっているのに、どうしても告白できない。あんたらは中学生かい、と言いたくなるような淡い初恋話です。
甘っちょろいと言えば、これほど甘っちょろい物語もありませんが……。
ま、あの頃はわたしも若かったよ。
日本酒検定。
「合格者の人物像」というのがありました。
●1級・準1級:日本酒のあらゆることに精通し、後世へ適切に継承発展を行える者。
●2級:日本酒の特徴、魅力を理解したうえで、新たな楽しみ方を考案できる者。
●3級:日本酒の基礎知識、周辺知識のみならず、特徴、魅力を理解し第三者に伝えられる者。
●4級~10級:日本酒、および関連知識を広く修得し、TPOに合わせて商品選択ができる。
「TPOに合わせて商品選択」というのがどんななんかなあ、と思いますが、ま、これは受けてみないとわかりませんわな。
しかし、4級と10級とではどのくらい違うんだろうね。
ネット検定の受け付けは7月1日(火)から、だそうです。
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9. Mikiko- 2014/04/24 20:32
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そろばんでは、かなりな実力差になると思います。
しかし『日本酒検定』で……。
8級と7級の問題を作り分けるのは、ほぼ無理だと思います。
『日本酒検定』だけに、半分、洒落なんじゃないすか。
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10. ハーレクイン- 2014/04/24 21:25
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>半分、洒落
お、久しぶりに出ました。
お得意の駄洒落。