Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 1331
コメント一覧へジャンプ    コメント投稿へジャンプ


 由美は腰を浮かせ、机の前に掛かるカーテンを開いた。
 夜だった。
 明るい室内から、窓の向うは見えない。
 夜の窓は鏡となり、由美の姿を映していた。

 期末試験が近づいていた。
 それに向けて、机に向かっているのだが……。
 集中力が途切れ始めていた。
 高校生のころは、もっと長時間集中できてたはずだ。
 息を止めて沈んでいられる時間が、すっかり短くなってしまったようだ。

 窓に映る自分を見つめる。
 見た目は、高校時代とさほど変わっていない。
 しかし、その内奥は大きく変化していた。
 呼吸が短くなってしまったのは……。
 あまりにも刺激の多い日々が続いたせいだろうか。

 上京してからの出来事が、次々と脳裏を掠めた。
 美弥子の姿が、窓に映った。
 裸体だった。
 あわてて由美は、カーテンを閉じた。
 集中するため、試験勉強は別々にしようと言い出したのは由美だった。
 今ごろは美弥子も、マンションの一室で机に向かっているに違いない。
 こんなことではいけない。
 由美は椅子に座り直し、教科書に目を落とした。
 しかし……。
 一旦切れた集中の糸は、容易に繋がってはくれなかった。
 由美は、音を立てて教科書を閉じると、椅子から起ちあがった。

 ワンルームの小さな部屋は、振り返ればすぐにベッドだ。
 枕元に、しゃがみこむ。
 柔らかな羽根布団では、可愛いお客様が眠っていた。
 赤黒い顔をした、一つ目のお客様。
 そう。
 美弥子の持つディルドゥだった。

 別れて試験勉強をするにあたり、互いの分身を交換したのだった。
 美弥子には、ミッフィーの縫いぐるみを渡してあった。
 幼児のころから一緒に寝てきた人形だ。
 ミッフィーを抱き取った美弥子は、代わりにビスクドールを預けようとした。
 やはり、子供のころから一緒に過ごした人形だそうだ。
 しかし、由美はそれを断り、ディルドゥを所望したのだ。
 美弥子は、吊り合わないと言って不服そうだったが……。
 強引に押し切った。
 幾度となく美弥子の胎内に埋もれてきたディルドゥだ。
 これ以上の分身が、ほかにあろうか。
由美と美弥子 1330目次由美と美弥子 1332





コメント一覧
コメント投稿へジャンプ    ページトップへ

    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2013/09/27 07:31
    • 食「あ、そうそう。
       この杉のかたわらに、板碑(いたび)が並べてあって……」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130921195400fc9.jpg
      食「『関の古碑群』と呼ばれてます」
      み「“こひぐん”ってのはなんじゃい?」
      食「古い碑(いしぶみ)の群と書きます」
      み「古いっていつごろ?」
      食「14世紀前半です」
      み「室町時代?」
      食「鎌倉時代の末期ですね」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130921195334d4c.jpg
      ↑鎌倉の大仏さま。高さは、11.39メートル。鎌倉市の津波想定は14.5メートル。大仏さまは、完全に水没します。
      み「そりゃ古いわ」
      食「菅江真澄も、この碑を見ていったようです」
      み「何の碑なわけ?」
      食「『津軽大乱』と呼ばれる安藤氏の内紛があって……。
       そこで討ち死にした武者の霊を慰めるために作られたようです」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201309211953542ee.jpg
      ↑なぜか楽しそうに討ち死にする松平弾正(山梨県笛吹市『川中島合戦戦国絵巻』より)
      み「群っていうからには、たくさんあるわけ?」
      食「42基ですね」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130921195338778.jpg
      み「縁起悪る。
       何でそんな数にしたんだ?」
      食「田畑の開墾などのとき、土の中から発掘されたものなんです。
       それを、1箇所に集めたんですよ」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201309211953538c5.jpg

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2013/09/27 07:34
    • み「なるほど。
       焚付にはしなかったわけね」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130921195332727.jpg
      ↑『箱根関所資料館』
      食「出来るわけないじゃないですか。
       石ですよ」
      み「さっき、板の碑って言っただろ」
      食「石を板状に加工してるから、板碑です。
       第一、木の板で作った碑なんか、何百年も残ってるわけないですよ」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2013092119535740a.jpg
      ↑まれには残ります。長岡市『八幡林遺跡』で出土した「沼垂城」と書かれた木簡(720年頃のもの)。
      み「石なら、何千年残ってても、不思議なかろ。
       わたしはやっぱり、千年生きてる木の方に、興味があるな」
      食「実は、もう1本、見ておきたい木があるんです」
      み「まだあるのか。
       それも巨木?」
      食「ま、そこそこ大きいですが……。
       樹齢は100年程度です」
      み「何だ大したことないじゃん。
       何の木?」
      食「タブノキです」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130921195331595.jpg
      ↑芽吹きは美しく、花が咲いたようです。
      み「おー。
       日本海側の海っぱたで見かける木だ。
       新潟にもあるよ」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130921195335681.jpg
      ↑新潟市内の民家に聳えるタブノキ。
      み「でも、樹齢100年くらいのは、別に珍しくないでしょ?」
      食「北限のタブと云われてます」
      み「あ、そうか。
       青森だったな。
       タブは暖地系の常緑樹だもんね」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130921195356987.jpg
      ↑野槌神社の大タブ(高知県香南市)。幹囲9.2m。樹齢300年。
       続きは、次回。
      P.S.東北楽天、優勝おめでとうございます。今日は、帰りが少し遅くなるかも知れません(楽天の優勝とは関係ありません)。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2013/09/27 10:01
    • 宣言通り、すぱっと切り替わりましたな。
      あの後、女教授がどうしたとか、よけいな未練を残さない潔さ、ということでしょうか。
      「裏窓」に引き続き、新章題は「階上の散歩者」。
      ヒッチコックの次は乱歩ですか。
      ミステリー物が続きますねえ。
      それにしても由美ちゃん、大丈夫か、期末試験は。勉強というのは、誰も助けてはくれんのだぞ(説教はよせ)。

    • ––––––
      4. ハーレクイン
    • 2013/09/27 10:05
    • 誰だってそう思うよなあ「み」さん。
      薄い板状の石碑ねえ。
      はい、ここで問題です。
      室町時代と鎌倉時代は、どちらが古いでしょう。
      正解者には、東大寺、奈良の大仏観光ツアーにご招待します(なんで奈良やねん!)。
      追加問題です。
      奈良時代の次の時代を何というでしょう。
      正解者には、叡山電鉄鞍馬駅前の巨大天狗面観光ツアーにご招待します。
      安藤氏は、室町期以降は安東氏と表記されるようです。
      それにしても、松平弾正(何者だあ?)。真面目に死ねよ、仮にも松平だろ。
      ははあ、これは懐かしい、「沼垂城」の木簡。
      たしか、『東北』の始めの頃に出てきたのでは。
      それにしても沼垂。
      「ぬたり」ではダメで「ぬったり」で変換しおるなあ、PCの奴め。
      タブ、タブノキは照葉樹林帯を代表する樹種です。照葉樹林(常緑樹)は西日本、東日本には夏緑樹林(落葉樹)が分布します。
      ただし、“海っぱた”は、かなり北の方(福島県、新潟県あたり)まで照葉樹林帯です。学べよ、受験生諸君。
      ですから確かに、青森でタブは珍しい。間違いなく「北限のタブ」ですね。それにしても、どうやって生育したんだろう。誰かが植えたのかなあ。
      椿とかサルとか、北限が多いなあ、青森。
      東北楽天ゴールデンイーグルス。
      球団成立の経緯を考えれば、わずか9年でリーグ優勝したというのは東北の奇跡ともいえるのでは。
      しゃきっとせんかい!タイガース!!
      下手したらカープに抜かれて3位に終わるぞ!

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2013/09/27 20:35
    •  場を散らかしたまま逃げ去るという得意技ですね。
       後は野となれ戦法。
       すんません。
       松平弾正ではありませんでした。
       ↓正解は、松永弾正(松永久秀)です。
      http://kotatu.jp/hyo/isawa/report/2007/13.htm
       東北楽天、あっぱれでした。
       それにしても……。
       クライマックスシリーズというのは、納得できん。
       田中投手には、ぜひ巨人打線をねじ伏せてほしいです。

    • ––––––
      6. ハーレクイン
    • 2013/09/27 22:50
    • 実はわたしもこう言いたかったんですよ。
      「あとは野となれ」というよりも、「三十六計逃げるに如かず」。
      松永弾正は、戦国時代の武将。
      いろいろあって織田信長の家臣になり、またいろいろあって信長に反逆。最後は信貴山城の天守で爆死。
      信貴山(しぎさん)は、大阪・奈良の府県境に聳える標高437mの山です。『信貴山縁起』で有名ですね。
      松平弾正もいました。
      本名、池田喜長(よしなが)。天保7年(1836年)に没した旗本。知行七千石。
      しかし、旗本の分際で松平とは……。
      >クライマックスシリーズというのは、納得できん
      ごく当たり前の感想ですね。
      集客手段以外の何物でもありません。こいつのおかげで「日本シリーズの覇者」「日本一」の値打ちが落ちたんだよ。
      ま、ともあれ田中将大(まさひろ)投手、マー君(この呼び方、何とかならんか)に「驕れるジャイアンツ」を叩きのめしてほしいという思いは同感ですが、難しいかもしれんぞ。
      マー君の嫁さん、里田まいちゃん。よかったのう、苦労が報われて。
      タイガースがCSを制する可能性は限りなくゼロに近い。一勝もでけんかったりして。

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2013/09/28 08:10
    •  律令時代、弾正台という監察・警察機構が作られました。
       すごく怖そうですが、実際には、ほとんど機能せず……。
       結局、皇族の名誉職みたいになってしまったようです。
       弾正台の長官は従三位相当官で、親王が任ぜられることが多く……。
       弾正宮などと称されたそうです。
       単に「弾正」と称する場合は、弾正台の職員を指したものだとか。
       松永久秀が、弾正を名乗ったのは……。
       弾正台の次官のひとつ、弾正少弼(しょうひつ)に任ぜられてたからだそうです。

    • ––––––
      8. ハーレクイン
    • 2013/09/28 10:46
    • えらい由緒ある官職ですなあ。
      ほとんど名前だけ、という感じもしますが。
      松永弾正は弾正少弼。
      政務次官、みたいなものかなあ。
      政務次官は2001年に廃止されました。現在は副大臣、および大臣政務官。

    • ––––––
      9. Mikiko
    • 2013/09/28 12:44
    •  長官は、尹(いん)。
       次官が、弼(ひつ)で、大弼(だいひつ)と少弼(しょうひつ)がいます。
       少弼は、弾正台のナンバー3という地位ですね。

    • ––––––
      10. ハーレクイン
    • 2013/09/28 19:56
    • 尹(いん)、大弼(だいひつ)、少弼(しょうひつ)……。
      うーむ。
    コメントする   【由美と美弥子 1331】
コメント一覧へジャンプ    ページトップへ


Comment:本文 絵文字  ※入力できるのは、全角で800字までです。

↓お帰りのさいには↓
愛のワンクリ お願いします
新しいウィンドウは開きません

相互リンクサイトのみなさま(Ⅰ)
問答無用の吸血鬼R18 新・SM小説書庫2 Japanese-wifeblog 愛と官能の美学
知佳の美貌録 未知の星 熟女と人妻エロンガ 赤星直也のエロ小説
[官能小説] 熟女の園 電脳女学園 官能文書わーるど 只野課長の調教日記
ちょっとHな小説 都会の鳥 人妻の浮気話 艶みるく 西園寺京太郎のSM官能小説

相互リンクサイトのみなさま(Ⅱ)
熟女・おばさんの性体験談 黒い教室 人に言えない秘密の性愛話 Playing Archives
被虐願望 女性のための官能小説 性転換・TS・女体化劇場 性小説 潤文学ブログ
羞恥の風 女の陰影 女性のH体験告白集 変態小説
むね☆きゅんファンサイト 週刊リビドー かおるの体験・妄想 ぺたの横書き
あおいつぼみ 葵蕾 最低のオリ 魔法の鍵 Mikiko's Roomの仮設テント
恥ずかしがりたがり。 官能的なエロ小説 濠門長恭の過激SM小説 淫芯

相互リンクサイトのみなさま(Ⅲ)
お姫様倶楽部.com 被支配中毒 出羽健書蔵庫 かめべや
HAKASEの第二読み物ブログ 女教師と遊ぼう 平成な美少女ライトノベル 官能の本棚
禁断の体験 エッチな告白集 おとなの淫文ファイル エッチのあとさき 恥と屈辱の交差点 潤文学
ましゅまろくらぶ 空想地帯 恍惚團 ~ドライ・オーガズムの深淵~ Angel Pussy 週刊創作官能小説
ろま中男3 渡硝子の性感快楽駆け込み寺 漂浪の果てに アダルト検索一発サーチ

快感小説 SM・お仕置き小説ブログ 官能秘宝園 制服美少女快楽地獄
秘密のエッチ体験談まとめ 18's Summer 淫鬼の棲む地下室 被虐のハイパーヒロインズ
ひめ魅、ゴコロ。 おしっこ我慢NAVI 妄想ココット ライトHノベルの部屋
レズ画像・きれいな画像倉庫 riccia 調教倶楽部 ちょっとHなおとなのための…
緊縛新聞 Eros'Entertainment オシッコオモラシオムツシーン収集所 エピソードセックス
マルガリテの部屋 アダルト官能小説快楽機姦研究所 渋谷子宮 RE:BIRTH 羞恥集
黒塚工房 プライド 女性作家専門官能小説 官能小説 レイプ嗜好
人妻!人妻!人妻! wombatの官能小説 黒イ都 羊頭狗肉
ひよこの家 美里のオナニー日記 エロショッカー軍団 相互リンク、募集してます!
★相互リンク募集中!(メールしてね)★

ランキング/画像・動画(1~10)
シンプルアダルト動画サーチ 人気ブログランキング
にほんブログ村 ライブドアブログ
官能小説アンテナ エログちゃんねる
官能文章アンテナ アダルトブログランキング


ランキング/画像・動画(11~30)
GL Search Adult Novels Search オンライン小説検索・R小説の栞 おたりんく








<ランキング/画像・動画(31~50)ここまで-->
△Top