2012.1.21(土)
香純が、ワイングラスを持って起ちあがった。
グラスの脚を持ち、眼前にグラスを掲げた。
中を覗きこむ。
「いっぱい出したわ、この子。
腎虚になったんじゃないかしら」
そう言って香純は、弟の傍らにしゃがみこんだ。
弟を気遣うのかと思ったが、そうではなかったようだ。
香純は、亀頭の先に残る雫を、指で掬い取った。
指先が宙で反転し、自らを指差した。
舌が伸びる。
赤く長い舌だった。
舌先に指を擦りつける。
「大丈夫。
味は普通。
匂いは……」
香純の鼻先からは、まだ精液が垂れ下がっていた。
香純はそれを指で絡め取ると、指先を鼻腔に突き入れた。
身を引き上げるように、深く呼吸する。
「匂いも合格。
頭の中、栗の花で満開。
みなさんも、嗅いでみて」
香純は、グラスを掲げて起ちあがった。
目を逸らそうとしたが、一瞬遅かった。
香純の視線に掬い取られてしまった。
香純は、由美の前にグラスを差し出した。
ソファーに埋もれていた由美には、逃れる暇が無かった。
「ほら。
嗅いで」
グラスを突き付けられた。
上体を倒して逃れる。
香純のグラスが追ってきた。
頂点で躱し、顔を伏せた。
視界の真ん前に、香純の股間が見えた。
陰唇が、熟れた果実のように爆ぜていた。
太腿には、ナメクジの這ったような筋が、幾本も印されていた。
由美の視線が、そこに囚われた刹那……。
鼻下にグラスが潜りこんだ。
「うっ」
由美は、額に銃弾を浴びたように仰け反った。
生まれて初めて嗅ぐ匂いが、脳漿を貫いていた。
思いがけないことに、それは植物系の香りだった。
栗の花と言った香純の言葉が、瞬時に理解できた。
若々しい初夏の街路が、脳裏に浮かんでいた。
グラスの脚を持ち、眼前にグラスを掲げた。
中を覗きこむ。
「いっぱい出したわ、この子。
腎虚になったんじゃないかしら」
そう言って香純は、弟の傍らにしゃがみこんだ。
弟を気遣うのかと思ったが、そうではなかったようだ。
香純は、亀頭の先に残る雫を、指で掬い取った。
指先が宙で反転し、自らを指差した。
舌が伸びる。
赤く長い舌だった。
舌先に指を擦りつける。
「大丈夫。
味は普通。
匂いは……」
香純の鼻先からは、まだ精液が垂れ下がっていた。
香純はそれを指で絡め取ると、指先を鼻腔に突き入れた。
身を引き上げるように、深く呼吸する。
「匂いも合格。
頭の中、栗の花で満開。
みなさんも、嗅いでみて」
香純は、グラスを掲げて起ちあがった。
目を逸らそうとしたが、一瞬遅かった。
香純の視線に掬い取られてしまった。
香純は、由美の前にグラスを差し出した。
ソファーに埋もれていた由美には、逃れる暇が無かった。
「ほら。
嗅いで」
グラスを突き付けられた。
上体を倒して逃れる。
香純のグラスが追ってきた。
頂点で躱し、顔を伏せた。
視界の真ん前に、香純の股間が見えた。
陰唇が、熟れた果実のように爆ぜていた。
太腿には、ナメクジの這ったような筋が、幾本も印されていた。
由美の視線が、そこに囚われた刹那……。
鼻下にグラスが潜りこんだ。
「うっ」
由美は、額に銃弾を浴びたように仰け反った。
生まれて初めて嗅ぐ匂いが、脳漿を貫いていた。
思いがけないことに、それは植物系の香りだった。
栗の花と言った香純の言葉が、瞬時に理解できた。
若々しい初夏の街路が、脳裏に浮かんでいた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2012/01/21 07:57
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老「関取が、本場所で締める廻しを、“締込み”と云う。
材質は、繻子織の絹じゃ」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2012011619431745e.jpg
律「まぁ。
繻子織って、サテンのことですよね?」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120116194300c99.jpg
み「へー。
いいもん使ってるじゃない」
老「1本で200万くらいするようじゃな」
み「どひゃー」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201201161942596a4.jpg
み「小千谷縮も真っ青。
でも、アレルギーの人なんて、どうすんだろ?
絹アレルギーって、けっこういるんでしょ?」
律「サポーターの上から巻けば、大丈夫なんじゃない」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2012011619430000e.jpg
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2. Mikiko- 2012/01/21 07:58
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み「お相撲さんは、廻しの下にサポーターなんて着けないよ。
いきなり廻しよ」
律「えー。
そうなの。
Tバッグみたいなサポーター、着けると思ってた」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120116194300399.jpg
み「着けません。
ナマぐるみです」
律「それじゃ、アレルギーの人は、ムリだわね」
み「カイカイよね。
玉袋腫れ上がって、八畳敷。
廻しの中に収まらないね」
http://blog-imgs-24.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2009120619522490c.jpg
律「また、そっちの方に行く!」
み「あのさ……。
廻しって洗わないの、知ってる?」
律「ウソ!
汗まみれでしょ。
なんでよ?」
み「よーわからんが……。
洗うと、ゴワゴワするからじゃない?」
律「ぜったい洗ってるわよ。
コインランドリーとかで」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201201161943173ba.jpg
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3. Mikiko- 2012/01/21 07:58
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み「今度、相撲部屋の前で見張っててみ」
律「そんなヒマじゃないわ」
老「稽古廻しは、水洗いしておるようじゃな」
み「どうやって洗うの?」
老「コンクリートの上に伸ばして……。
水を撒きながら、デッキブラシでこする」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120116194317f5c.jpg
↑岐阜農林高校相撲部
老「後は、天日干しじゃ」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2012011619431692b.jpg
↑青春の風景ですね~
み「思い切りゴワゴワしそうだ。
本場所の締込みは、洗わないの?」
老「絹の繻子織を、デッキブラシでは擦れんじゃろ」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120116194259c1a.jpg
み「それじゃ、洗わないってこと?」
老「本場所は、あっという間に勝負が付くでな」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201201161942583de.jpg
老「さほど、汗も染みんじゃろ」
み「そんなもんかのー。
不潔っぽいけど」
続きは、次回。
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4. ハーレクイン- 2012/01/21 08:34
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由美ちゃんは初めてか、精液。
栗の花の香りねえ。
美弥ちゃんはどうなんだっけ。
アリスワールドでさんざん嗅いでるはずだが、あれは妄想だからなあ。
しかし香純よ。
本来の目的を忘れてはおらんだろうな。
由美ちゃん・美弥ちゃんはあくまで立会人だぞ。
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5. ハーレクイン- 2012/01/21 08:51
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ほんとに、思わぬものがアレルゲンになるんだよなあ。
動・植物性のものだけではなく、化学繊維なんかでも油断できんというし……。
もし絹アレルギーの関取がいれば、絹でなくて他の素材でもいいんじゃないのか。かゆくて気になっておったのでは、相撲にならんだろう。
たぬきのきんたまは八畳敷きだそうですね。
♪たんたんたぬきのきんたまは
風もないのにぶーらぶら……
Tバッ“グ”ではない。紅茶じゃないんだから。
Tバッ“ク”だ。
へー、関取の本場所用の廻しって洗わんのか。
いくら相撲の勝負が短時間で決まるとはいえ15日間だぜ。
それに汗だけじゃなくて土俵の砂もつくだろうし、うんこやおしっこも……いつかは洗わにゃいかんのでは。
手洗いで柔軟剤を使えばごわごわにもならんだろ。
廻し専門のクリーニング店ってないのかなあ。
あ、ひょっとして、一場所のみの使い捨てだったりして。
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6. Mikiko- 2012/01/21 13:27
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苦難の末ようやく関取になり、初めて廻しを締めたとたん発症したら……。
気の毒だよな。
関取の一人もいない小部屋だったら……。
絹の廻しに触る機会って、無いんじゃないの?
今どき、200万の締め込みを毎場所贈ってくれるタニマチなんて……。
おらんだろ。
TバッグとTバック。
ハンドバッグとハンドバック。
ベッドとベット。
サーフィンボードとサーフィンボート。
どっちがどっちやら、わからんくなりません?
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7. ハーレクイン- 2012/01/21 14:09
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給料は横綱でも282万円だからなあ。
やはり使い捨ては無理か。
上手く洗うしかないんじゃないか。
カタカナ語は大概英語なんだから、英語に戻しゃわかるんでないかい(おー、えらそーに)。
Tバックは「後ろ(back)から見たらTに見える」だから「バック」。
二つ飛ばして(とばすな!)、
サーフィンボードは「波乗り用の板(board)だから「ボード」ですな。
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8. ハーレクイン- 2012/01/21 14:23
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緊張感が切れたか、磯東くん。
立ち合い、ふわっと立ったところを胸を突かれて体を起こされ、一気に押し出されてしまいました。
相撲は難しいのう。
これで磯東くんは今場所、3勝4敗で終えることになりました。
無念の負け越しです。
くさるな、磯東くん。来場所、またがんばれ。
ご苦労さん。
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9. Mikiko- 2012/01/21 14:27
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以前、『ピンクレディー世代の女の子たちへ』という本を読んで……。
ピンク・レディーの曲を、ひと通り聞いてみたことがあります。
『渚のシンドバッド』という曲が、とても気に入りました。
その中に、「サーフィンボード小脇に抱え」というフレーズがあるんですが……。
http://www.youtube.com/watch?v=AmkO98VJUKk
彼女たち、明らかに「サーフィンボート」と歌ってるんですよね。
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10. ハーレクイン- 2012/01/21 14:59
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これも懐かしいなあ。
ピンクレディーの解散は1980年でしたね。
その後、何回か再結成されていますが、今はどうなのかな。
「サーフィンボート」ねえ。よく聞いてますねえ。気付かなかった。
どう考えてもボート(小舟)じゃなくて、ボード(板)だよな。
ま、ピンクレディーは「聞く」、というより「見る」、または「踊る」ものだと思うがどうでしょう。
えー、Mikiko’s Roomサイドバーに
東北に行こう!(33)がupされました。
●小千谷縮の「雪晒し」。これは美しい光景です。
●スカポンタン「律」センセの69点解答。
「み」さんは無念のマイナス10万点!
●小千谷縮と布海苔の関係、明かされることなく、
話は“さがり”小路へと迷走する。
ここで玉ノ井部屋の磯東くんに出会ったわけだ。
●GAY話もあるが、積極的にパス!
●関取と取的の違い。
●牧水先生の盗み酒の歌。「足音を……」
●お相撲さんのちんちんはなぜ小さい?
●越後屈指の豪雪地帯「高田」。“この下に高田あり”。
いつもながらの豊富な話題、というと聞こえはいいが、いつも以上の迷走・妄想・暴走・爆走……。
何処へ行く「み」さん、「律」センセ、「マスミン」。
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11. Mikiko- 2012/01/21 20:19
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どこか、耳で覚えてたんでしょうね。
歌詞を読んで、こりゃ違うぜと感じたんでしょう。
でも、あの歌の中では……。
“ボート”の響きの方が、軽快で合ってるんじゃないでしょうか。
いつもながら、番宣ありがとうございます。
こうしてみると……。
脱線、また脱線。
わたしの思考ベクトルは……。
収斂ではなく、拡散の方向を指してるようです。
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12. ハーレクイン- 2012/01/21 21:15
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1970年代以後、言い換えれば小松左京の『日本沈没』以後、日本のSFは広く社会全体への潮流になり、アニメや映画、さらに文学界の他分野などへも進出していきました。
この現象を、筒井康隆氏は「SFの浸透と拡散」と表現しました。
で、日本のSF作家にはギャグ好きが多いですから、誰が言ったか知らないが(たぶん星新一)これを受け、次は「SFの変質と解体」だ、と続けました。
で、さらに悪乗りした他の誰かが、では次は「SFの雲散と霧消」だ、とやった。
これを聞いた筒井氏、さすがに激怒したそうです。
Mikiko’s Roomは「浸透と拡散」まででとどめて下せえね。収斂はしなくていいですから、「変質・解体・雲散・霧消」はご勘弁を……。
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13. Mikiko- 2012/01/21 22:54
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“SF小説”という分野が、無くなったかのようです。
でも、消えてなくなったわけではなく……。
普通の小説の中に、SF的手法が溶けこんだということですね。
わたしは、時代小説との融合作品が好きでした。
考えてみれば、石川英輔の『大江戸神仙伝』シリーズなんかも……。
昔なら、“SF小説”と呼ばれてたんでしょうね。
SFってのは、ある舞台設定を手に入れるためには……。
とても便利な手法ですからね。
『由美美弥』にも、取り入れてみるか?
『元禄江戸異聞』の登場人物が……。
追手に追われ、現代に飛びこんでくるとか。
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14. ハーレクイン- 2012/01/21 23:28
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>普通の小説の中に、SF的手法が溶け込んだ
まさに「浸透と拡散」ですね。
しかしよーかんがえたら“浸透と拡散”って、入試生物のテーマのひとつなんだよな。
ぜんぜんかんけーないけど
>ある舞台設定を手に入れるためには……とても便利な手法
そーそーそー、まったくそのとーり。
>『元禄……』の登場人物が……現代に
はいは~い、Mikikoせんせ。
春秋花ちゃんがえーとおもいまーす。
あと、お蝶さん!
しかし、お蝶さんっておいくつなんでしょーね。春秋花ちゃんふたりぶんくらいかなあ。
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15. Mikiko- 2012/01/22 07:38
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酔っぱらいのタワゴトですね。
文章まで、呂律が回ってないし。
そう言えば、“浸透”については……。
「Mikiko's Garden」の『お漬け物と浸透圧(https://mikikosroom.com/archives/2769814.html)』で、わたしも語っておったな。