Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 0847
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「あなたたちも、お風呂使って来なさいよ。
 ここのお風呂、いいわよ。
 広くて。
 2人でも楽々。
 カランも2つあるし。
 あ、そうそう。
 洗い場に洗濯機があるから……。
 今着てるものは、みんなそこに放りこんでちょうだい。
 お風呂あがったら、バスローブ着て来て。
 これと同じのが、棚に置いてあるから」
「そのバスローブ、別荘の備え付けなの?」
「ううん。
 わたしがあつらえた。
 今日のためにね」

 案内されたバスルームは、たしかに大きかった。
 外観はこじんまりと見えた建物だが、思いのほか広いようだ。
 林に埋もれていたので、小さく見えたのかも知れない。

 案内してくれた叔母が、由美の耳元で囁いた。

「ゆっくりしていいのよ。
 時間はたっぷりあるから」

 叔母は、思わせぶりなウィンクをして、バスルームを後にした。

「美弥ちゃん、早く入ろ。
 でもさ、なんかもったいないよね」
「どうして?」
「だって。
 せっかく、2人ともノーパンで来てるのに……。
 お風呂場で裸になったんじゃ、あたりまえじゃない」
「しょうがないじゃないの。
 わたし、早くシャワーが浴びたい」
「ここ、何かあるのかな?」

 由美は、洗面台の脇に掛かるカーテンに歩み寄った。
 シャワーカーテンのような手触りだった。
 由美はカーテンを開いた。

「うわ」

 明るい光が、由美の顔を打った。
 カーテンには、防水だけでなく、遮光の機能もあったようだ。
 カーテンの向こうは、ガラス扉だった。
 さらにその向こうには、木製のデッキが広がっていた。
 デッキの美しい木目に、木漏れ日が揺れている。

「すごーい。
 ほら、テーブルセットまで置いてある」
「ほんとだ」
「きっと、お風呂上がりに、ここでくつろぐんだね」

 由美は、ガラス扉の錠を外し、サッシをスライドさせた。
 陽に暖められたデッキから、木の香が匂った。
由美と美弥子 846目次由美と美弥子 848





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2011/11/19 07:30
    • み「次、次」
      老「全体の香味のバランスを確かめたら……」
      み「やっと飲むんだね」
      老「吐き出す」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011111320043503e.jpg
      み「出すなよ!」
      老「後味やキレを見るためじゃ」
      み「ノド越しは?」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113200436b21.jpg
      老「あれは、味では無い」
      み「ちぇ。
       せっかく人が注いでやったお酒、吐き出す気か」
      老「出さぬよ」
      み「何で」
      老「きき酒と云うのは、常温の酒で行うものじゃ」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113200438172.jpg
      老「これは燗酒じゃろ」
      み「なんじゃそれ!
       結局、只飲みじゃん」
      老「雰囲気だけはわかったじゃろ」
      み「もっともらしい顔してやるってのは、わかった」
      老「味の方は、ご自分で確かめなされ。
       ま、高級酒では無いが……。
       酒らしい酒じゃよ」
      み「何で盃出すのよ?」
      老「おかわりじゃ」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113200436277.jpg
      み「ダメー」
      老「一杯では味わうこともならぬわ」
      み「全然きき酒できてないじゃん」
      律「Mikiちゃん、お注ぎしなさい」
      み「そう言えば……。
       何で、マスミンにお酒おごってるわけ?」
      律「それも忘れたの?
       このお蕎麦の由来を教えていただくんでしょ」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011111320045821f.jpg

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2011/11/19 07:31
    • み「あ、そうだった。
       タダ酒はいかんよ、ちみ。
       ちゃんと注がれた分は、語りなさい」
      老「お前さまが、話の腰を折ってばかりいるからでないか」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113200435eee.jpg
      ↑鯖折り(さばおり)
      み「いつそんなことしたよ?」
      老「『寒戸の婆』を持ちだしたではないか」
      み「どこからその話になったんだっけ」
      老「じゃから……。
       放浪癖のある弥助が、10歳のとき……。
       家を出たまま帰ってこなかった、というところまでじゃよ」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113200459593.jpg
      ↑読んだと思うのだが、まったく記憶に無し
      み「あぁ、そうだった。
       思い出した。
       それでは、続きをどうぞ。
       早くしないと、お蕎麦食べ終えちゃうぞ」
      老「話の腰を折るでないぞ」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113200437035.gif
      み「へいへい」
      老「結局弥助は……。
       1年経っても、2年経っても帰らなかった。
       親もようやく諦め、葬式を出した」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113200458075.jpg
      み「やっぱり、似てるじゃないの。
       『寒戸の婆』と」
      律「Mikiちゃん」
      み「へいへい。
       お先をどうぞ」
       続きは、次回。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2011/11/19 08:19
    • 律子先生御誂えのバスローブか。
      なんか儀式のためのユニフォームのような。
      今夜の儀式がサバトのように思えてきたぞ。
      美しき変態魔女たちの宴……。
      前祝いかあ、由美ちゃん。
      デッキで始めるんではなかろうな。
      章題が章題だからなあ。

    • ––––––
      4. ハーレクイン
    • 2011/11/19 08:22
    • マアスミン。
      ひょっとして酒を含んだまましゃべってるのでは……。
      鯖折りの語源。
      例によってWiki。
      ……………………………………………………
      鯖は「生き腐れ」といわれるほど傷みやすい魚なので、冷蔵技術のなかった時代には、鮮度を保つために釣り上げたその場で首を折って血抜きし、活け締めにされることが多かった。鯖折りの名称は、技を掛けられた力士がちょうどその首を折られた鯖のような姿になるところからついたとされる。
      ……………………………………………………
      「首を折って血抜き」は凄まじいな。
      マチューリン『放浪者メルモス』か。
      知らんかった。
      ていうか、ゴシックってほとんど読んだことない。
      シェリー『フランケンシュタイン』くらいかなあ。
      どうも“幻想”や“ファンタジー”は苦手でのう。

    • ––––––
      5. ハーレクイン
    • 2011/11/19 10:01
    • 昨夜見たおかしな夢
      どういうわけか、超豪華大型クルーザーを一人で操船しているHQ(免許もないのに)。
      で、どういうわけかガス欠。
      強い風にあおられて漂い始めるクルーザー。
      “やばい”ということであわてて錨を放り込む。
      ふと気がつくと場所は河の上。
      河岸にはセルフ給油のガソリンスタンドが。
      スタンドの兄ちゃんに「「ガソリン(軽油やったかな)をポリタンで分けてくれ」というと兄ちゃん、
      「給油ホース、十分届きまっせ」という。
      クルーザーまで数十メートル。
      ほんまかいな、で引っ張ってみると届いた(んなアホな)。
      で、給油を始めるとさすがに船。
      入るわ入るわ。
      気がついたら給油量が2000リットル(起きてから計算したところドラム缶10本分)を超えている(何ぼクルーザーでもそんなに入るんかあ)。
      「やばい、そんな金ないぞ」、
      というところで目が覚めました。
      さあ、こいつの夢判断のできる方。
      おられませんか。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2011/11/19 13:19
    •  実に簡単です。
       クルーザーは、HQ氏そのもの。
       酒が飲みたいなと思いながら(ガス欠)、ふらふらと道(川)を歩いてると……。
       一杯飲み屋(セルフのスタンド)が目に入る。
       で、ついつい足を踏み入れてしまうわけ。
       「強い風にあおられて」ってのは、自分のせいじゃないという言い訳ですね。
       で、一杯のつもりが、ついつい調子に乗って飲み過ぎる(ガソリン=お酒)。
       ところがここで、給料前で財布の中身が乏しいことに気がつく。
       「やばい! 勘定足りるか?」
       この状況が、そのまんま夢になって現れたわけですね。
       金さえあれば、なんぼでも飲めるのに……。
       という願望も含んでおるな。
       哀しい夢です。

    • ––––––
      7. ハーレクイン
    • 2011/11/19 15:31
    • フロイト「夢の解釈は、無意識の活動を熟知する王道である。」
      「一般的には夢とは潜在的な願望を充足させるものである。つまり夢は無意識による自己表現であると考えることができる。」
      いやあー。
      “お見事!”としか言いようがありませんなあ。
      わたしって、わかりやすい人間なのかなあ。

    • ––––––
      8. Mikiko
    • 2011/11/19 20:08
    •  夢解釈三段の実力。
       ていうか、解釈用にあつらえたような夢です。
       わかりやすすぎ。
       そう言えば、ユングに傾倒してた時期があったなぁ。
       アニマ、アニムスとか。
       マスミンは、オールドワイズマンかも知れませんね。

    • ––––––
      9. ハーレクイン
    • 2011/11/19 21:33
    • そんな段位があるのか。
      HQは珠算三級。
      アニマ:男性の無意識人格の女性的な側面。
      アニムス:女性の無意識人格の男性的な側面。
      ふむ。
      スキュバス(女性型夢魔)&インキュバス(男性型夢魔)とは違うんだな。
      オールドワイズマンは老賢者、老いぼれ魔法使い。
      全然関係ないけど、ワイズマンというドイツの生物学者がいます。
      ダーウィンの進化説を発展・展開し、「新ダーウィン説」という進化学説を唱えました。

    • ––––––
      10. Mikiko
    • 2011/11/19 22:42
    •  ファザコンと関係があるようですね。
       わたしの父も、ウンチクをひけらかすのが大好きな人でした。
       彼が得得と語るウンチク話が、枕元の週刊誌に載ってるのを見つけ……。
       母と笑ったことがありました。
       今日のお酒は……。
       久しぶりに、バーボンの牛乳割りにしました。
       東京でよく飲んだ、懐かしい味です。

    • ––––––
      11. ハーレクイン
    • 2011/11/19 23:12
    • 「スターウォーズ」のヨーダみたいだな。
      うーむ。
      私も「ウンチクおやじ」と、家族に笑われておるのかもしれぬ。
      実は、めんどくさいので、前々々コメの夢の話では省略したのだが、例のクルーザーには、つい先日も一緒に飲んだ飲み友達が乗っておったのだよ。
      はっきり言って、今までフロイトやユングは相手にしていなかったのだが、ちょっと考えを改めんといかんかなあ、と思えてきた。
      人間とは面白いのう。
      なんかバーボンの香りの記憶が……。
      今飲んでるのを呑み切れば、久しぶりにバーボンを飲んでみるかな。
      なつかしいなあ。

    • ––––––
      12. Mikiko
    • 2011/11/20 06:54
    •  ほんまに面白いです。
       『ねじ式』も読もう!
       わたしが初めて飲んだウィスキーは、サントリーの角瓶でした。
       高3の夏、東京で予備校通いをしてたとき。
       こんなマズいものを、人は何で飲むのかと思いましたね。

    • ––––––
      13. ハーレクイン
    • 2011/11/20 09:28
    • 父親が大事そうに、それこそ舐めるように飲んでいたのを思い出します。
      普段は安ウィスキーの定番、「サントリー・レッド」でした。
      角瓶はどこから手に入れたのか、貰いものだったのかなあ。
      本当に美味そうに飲んでました。
      その壜の独特の形状。
      強く印象に残りました。
      「よーし、いつか『角』を飲むぞ」と思ったものです。
      初めて飲んだのは学生時代ですが、味の記憶は全くありませぬ。
      あと、「ダルマ」の愛称で知られる「サントリー・オールド」
      これは往時の酒のみの憧れそのものでしたね。
      それにしても、当時の酒のみが飲むのはたいがい「レッド」でした。
      サントリーさんは高級ウィスキーも多々販売されてますが、大衆に愛される酒も大事にしていただきたいものです。
      しかし……予備校生に「角瓶」はもったいないなあ。
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