2011.7.25(月)
センチコガネは列を成し、競うように歩んでいた。
脚の鉤爪が、地面の埃を巻き上げている。
彼らが一直線に向かう先は……。
無論、美弥子の産み落とした大便のほかにない。
「確か、うんちを切り取って、球にするんだよね」
「普通のセンチコガネなら……。
そうでしょうけどぉ。
コイツらは、特殊な習性を持ってるんです」
「どんな習性?」
「見ればわかりますぅ」
群の先頭が、とうとう大便に到達した。
前脚を大便に掛け、身を起こした。
しかし、それ以上登ろうとはしなかった。
最後尾の脚は、地面に着いたままだった。
「ほら、始まりますよ」
センチコガネは、身体を煽り始めた。
腹部を、大便に向けて振り始めたのだ。
「何してるんだろ?」
「よーく見てください。
うんちに何か挿しこんでるでしょ」
「あ」
美弥子は、昆虫に詳しいわけではなかった。
小学生のころ、図鑑で見た程度だ。
しかし、このセンチコガネの形態が尋常で無いことは、乏しい知識からでも判った。
下腹部から、角のようなものが起ちあがっているのだ。
黒光りしながら反り返る角は、カブトムシのそれを思わせた。
「産卵してるの?」
「違いますぅ。
こいつらは、ぜんぶオスですぅ。
ペニスで産卵するわけ無いでしょ」
「じゃ、何でそのペニスを、うんちに挿しこんでるわけ?
しかも、挿したり抜いたり」
「もちろん……。
セックスしてるんですわ。
温かいうんちに抱きついて……。
気持ち良くなってるんです」
「それじゃ、セックスじゃなくて、オナニーじゃん。
不毛なヤツら」
「そんなこと言ったらいけませんわ。
オナニーは、豊かなイマジネーションを持つものだけに許された……。
至福の行為なんですから」
脚の鉤爪が、地面の埃を巻き上げている。
彼らが一直線に向かう先は……。
無論、美弥子の産み落とした大便のほかにない。
「確か、うんちを切り取って、球にするんだよね」
「普通のセンチコガネなら……。
そうでしょうけどぉ。
コイツらは、特殊な習性を持ってるんです」
「どんな習性?」
「見ればわかりますぅ」
群の先頭が、とうとう大便に到達した。
前脚を大便に掛け、身を起こした。
しかし、それ以上登ろうとはしなかった。
最後尾の脚は、地面に着いたままだった。
「ほら、始まりますよ」
センチコガネは、身体を煽り始めた。
腹部を、大便に向けて振り始めたのだ。
「何してるんだろ?」
「よーく見てください。
うんちに何か挿しこんでるでしょ」
「あ」
美弥子は、昆虫に詳しいわけではなかった。
小学生のころ、図鑑で見た程度だ。
しかし、このセンチコガネの形態が尋常で無いことは、乏しい知識からでも判った。
下腹部から、角のようなものが起ちあがっているのだ。
黒光りしながら反り返る角は、カブトムシのそれを思わせた。
「産卵してるの?」
「違いますぅ。
こいつらは、ぜんぶオスですぅ。
ペニスで産卵するわけ無いでしょ」
「じゃ、何でそのペニスを、うんちに挿しこんでるわけ?
しかも、挿したり抜いたり」
「もちろん……。
セックスしてるんですわ。
温かいうんちに抱きついて……。
気持ち良くなってるんです」
「それじゃ、セックスじゃなくて、オナニーじゃん。
不毛なヤツら」
「そんなこと言ったらいけませんわ。
オナニーは、豊かなイマジネーションを持つものだけに許された……。
至福の行為なんですから」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2011/07/25 06:16
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み「似たようなもんだわい。
やぁやぁ、菅江真澄!
ここで逢うたが百年目。
盲亀の浮木優曇華の花咲く今月今夜のこの月を……。
僕の涙で曇らせてみせよう」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011062420092107a.jpg
律「Mikiちゃん……。
お湯あたりしたんじゃない?」
http://blog-imgs-34-origin.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011070209574871c.jpg
み「この人、江戸時代の人だよ」
律「恥ずかしいこと言わないでちょうだい。
救急車呼ばれるわよ」
み「寒風山から、ずっとつきまとわれてるんだって」
律「わたしは初対面だけど」
み「最初の時は、時間を止めてたからね。
帰りのバスでは、夢の中に出てきた」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011072120262040d.jpg
律「いいかげんにしなさい。
ほんっとに、頭どうかしたんじゃないの」
老「面白い娘さんじゃ。
はて。
御新造さんだったかの?」
み「すっとぼけおって。
わたしが独身のことくらい、知ってるくせに。
何しろ、毎朝のオナニー、覗いてたんだからね。
い、痛い痛いっ。
先生、なんで耳引っ張るのよ」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110721202621787.jpg
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2. Mikiko- 2011/07/25 06:16
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律「ほんとに怒った。
冗談が過ぎるわ。
耳が千切れないうちに、座りなさいよ」
み「痛い痛い。
耳なし芳一じゃないんだから」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110721202622993.jpg
み「あ~痛て。
平家の亡霊級の馬鹿力」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110721202623ca2.jpg
律「うるさい。
すみませんね、せっかく席譲ってくださったのに。
普段は、これほど馬鹿じゃないんですけど。
ほんとに、お湯に当たったのかしら?」
老「ほ~。
『華のゆ』ですかな?」
律「え?
どうしてわかるんです?」
み「やっぱり覗いてたなー」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201107032021210bd.jpg
[打消]み[/打消]律「こら!
まだ云うか」
老「実は……。
覗いておりました」
律「え!」
老「というのは、もちろん嘘ですが……。
わたしも、さっきまで『華のゆ』を利用しておりましてな。
休憩室で休んでると……」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110703202107c89.png
老「お2人の元気な声が聞こえて来ました。
そのときと、同じお声のようでしたでな」
律「まー。
シャーロック・ホームズみたいですわね」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201107212026230d2.jpg
律「でも、恥ずかしいわ。
何しゃべってたのかしら。
この人、でっかい声出してたから」
み「わたしのせいかよ!
しかし……。
休憩室で、わたしらの声を聞いてるのに……。
ここに先回りして飲んでるってのは、どういうわけ?」
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2011/07/25 10:52
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喫茶店の裏庭のセンチコガネは、メスがおらんのか。
それは気の毒だ。
こういう場合、一部の個体が性転換して……、という手があるのだが。
食べ物である糞をメスに見立ててのオナニーか。
まさに不毛の行為だな。
ヒトのオスの中には、糞の替りに蒟蒻を使うという輩がおるが……。
由美美弥。
今日の名科白。
ウサギ「オナニーは、豊かなイマジネーションを持つものだけに許された……。至福の行為なんです……」
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4. ハーレクイン- 2011/07/25 11:43
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「み」さんの突込みを、軽くあしらう菅江真澄翁。
さすがの貫録。
今回は律子先生にも語るつもりかな。
金色夜叉、井上陽水、耳なし芳一、平家蟹……。
今日も盛りだくさんの引っ張りネタ。
極めつけは、ドイル「まだらの紐」。
没落貴族の館におこる惨劇!
巧妙に仕組まれた密室殺人!
被害者が残した「まだらの……紐」の言葉!
謎が謎を呼ぶ猟奇ミステリー!
さあ! まだらの紐の正体は……って、表紙の挿絵に描いてあるでねえか。
挿絵画家が、本編のネタばらしをしてどうする!!
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5. Mikiko- 2011/07/25 19:44
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中学のときハマりましたね。
独特の雰囲気があって、止められなくなりました。
長編の題名は、すべて覚えてます。
「緋色の研究」「四つの署名」「バスカヴィル家の犬」「恐怖の谷」。
でも、やっぱり短編が面白かったなぁ。
「まだらの紐」「踊る人形」「赤毛組合」「唇のねじれた男」。
内容はほとんど飛んでるけど……。
題名は、頭に残ってますね。
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6. ハーレクイン- 2011/07/25 21:01
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最初に読んだのは「赤毛連盟」。
そのどんでん返しの鮮やかさに、あっけにとられたのをよく覚えています。
熱狂的なホームズファンをシャーロキアンというそうですね。
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7. 海苔ピー- 2011/07/25 21:33
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み「こら!まだ云うか」
これて「律」のセリフだよね!
あら探ししてるんじゃないよ!
イケズしてるんじゃないよ!
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8. ハーレクイン- 2011/07/25 21:43
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私もそこんとこ、突っ込もうと思ったんですけどね。
なんか嫁いびりをする舅みたいな気分になって、控えました。
海苔ピーさんなら小姑かあ。
海苔「まあた間違いよって、だら(金沢語;アホ)な嫁じゃ」
Miki「いやん、もう、いけずぅ」
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9. Mikiko- 2011/07/26 06:23
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大歓迎です。
自分で読み返してても、細かいミスは取り切れませんから。
さっそく、取り消し線を入れさせてもらいました。
『紙上旅行倶楽部』にアップするときは、取り消し線を外させてください。