Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 0702
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 案の定、隣室の扉は開け放たれていた。
 それに続く個室の扉も、すべて開いていた。
 無機質な空気の中を、美弥子のヒール音だけが響いた。

 洗面所へのコーナーを曲がる。
 さすがに、鏡に映る自分は直視できなかった。
 自分はこの前に、全裸で立っていたのだ。
 鏡と目を合わせられないまま、手を洗った。

 鏡から逃げるように、廊下への扉を抜ける。
 最終時限中の廊下には、人通りが無かった。
 扉を閉ざされた教室が、連なっているだけだ。
 美弥子は、ヒール音を響かせないように、廊下を後にした。

 キャンパスの広場に出ると、暖かな午後の光が降り注いでいた。
 おしゃべりしながら行き交う学生。
 ベンチに腰掛けて、人待ち顔の学生。
 何事も無い日常が、そこにはあった。

 校門を抜けたところで、携帯が鳴った。
 由美からだろうと思って開いたディスプレイには、見知らぬナンバーが表示されていた。
 ひょっとして、さっきの隣室の主?
 一瞬、美弥子の脳裏に、そんな思いが過ぎった。
 もちろん、あり得ないことだ。
 美弥子は、考えを振り切るように、通話ボタンを押した。

「もしもし?
 美弥子さん?
 美里です」
「里ちゃん?」
「今、電話大丈夫?」
「え、ええ」
「あ、携帯番号は、由美ちゃんから教わりました。
 ってのは、ちょっとウソで……。
 由美ちゃんの携帯、覗き見しちゃったの」
「……」

 人の携帯を盗み見るなどという行為は、美弥子の最も嫌うことではあったが……。
 美里には負い目があり、非難の言葉を返すことが出来なかった。

「今、学校?」
「もう、帰るところ」
「これから、予定ある?」
「取りあえずは、無いけど……」
「じゃ、ちょっと話聞いてもらえないかしら?
 姉のことなの」
由美と美弥子 701目次由美と美弥子 703





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2011/04/30 07:33
    • 老「ヒメマスは産卵時期になると、色が黒っぽくなる。
       この時期のヒメマスは、マズいんじゃよ。
       それを知ってる人には、元々黒いクニマスも、マズそうに見えたんじゃろうな」
      み「あ。
       ひょっとして、そのために個体数が保持されたんじゃないですか?」
      老「それもあるかも知れんの」
      み「食べてみたいな」
      老「ウマいぞ~」
      み「食べたことがあるって、生きてるときにですか?」
      老「当たり前じゃ」
      み「それじゃ、江戸時代じゃないですか。
       そもそもクニマスって、田沢湖には、いつごろ放流されたんですか?」
      老「放流なんぞされとらん。
       元々、おった」
      み「だって田沢湖は、カルデラ湖じゃないですか」
      http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110313121106bd4.gif
      み「流入河川なんか、無かったわけでしょ。
       火口に雨水が溜まった湖なら、人が放流しない限り、魚はいないはず」
      http://blog-imgs-33.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011042420104425b.jpg
      老「実は、田沢湖の成因ははっきりとはわかっていないんじゃ」
      み「え?
       カルデラ湖じゃないの?」
      老「もちろん、カルデラ説がもっとも有力ではある。
       昔の書物では、はっきりカルデラ湖と記されてたようじゃしな」
      み「日本一深い湖が、カルデラじゃなかったら……。
       ほかにどんな成因があるんです?」
      老「巨大隕石衝突説もあるぞ」
      http://blog-imgs-33.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110424201040440.jpg
      ↑カナダ・ケベック州「マニクアガン・クレーター」
      み「ほとんどSF」
      老「もうひとつは、断層運動によって窪地が出来たという説。
       諏訪湖の成因が、これじゃな」
      http://blog-imgs-33.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110424201042180.jpg
      ↑諏訪湖

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2011/04/30 07:34
    • み「田沢湖の最大深度って、何メートルでしたっけ?」
      老「423.4メートルじゃ」
      み「いくらなんでも、断層運動で、そんな段差は出来ないでしょ」
      http://blog-imgs-33.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110424201041c83.png
      老「いずれにしろ、不思議な湖じゃよ。
       湖面の標高は、249メートル。
       すなわち、最深部の湖底は、海面下174.4メートルというわけじゃ」
      み「うーん。
       隕石説もありそうですね」
      http://blog-imgs-33.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110424201054237.jpg
      老「じゃろ。
       世界でも、17番目に深い湖じゃ」
      み「ところで、クニマスの起源ですが……。
       放流してないのに、何で昔からいるんです?」
      老「田沢湖には、少ないながら流入河川もあるでな」
      み「あれ?
       そうなんですか?」
      老「じゃから、カルデラ湖とも言い切れないわけじゃ」
      み「なるほど」
      老「文献に残ってるところでは……。
       江戸時代からのようじゃ。
       久保田藩主佐竹義和(さたけよしまさ・1775~1815)が田沢湖を訪れたおり……」
      http://blog-imgs-33.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201104242010445ce.jpg
      老「クニマスを食べた。
       で、お国の鱒ということで、“国鱒”と名付けたと云われておったが……。
       実際には、義和が生まれる前の「佐竹北家日記」に、“国鱒”という記述が残されておる」
      み「じゃ、文献が無いだけで、実際にはずっと昔からいた可能性も?」
      老「クニマスは従来、ベニザケの陸封型、すなわち亜種と考えられてきたが……」
      http://blog-imgs-33.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110424201045026.gif
      ↑ベニザケ
      老「一年を通じて産卵期があることなどから、独立種とする意見もある。
       そうなれば、その起源は……。
       江戸時代どころの話では無くなるの」
      み「ところで!
       どんな味なんです?
       クニマスって」
       続きは、次回。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2011/04/30 11:04
    • 以前に、美里を「里ちゃん」と呼ぶのは女教師と美影姉だけ、と書いたような気がするが……。
      美弥ちゃんもだったな。
      で、と。
      里ちゃんは昨夜、保育の少女と一緒に、由美ちゃんのマンション屋上で女教師にやられたんだよな。
      それは覚えているが問題は、美影姉。
      彼女が最後に登場したのはどういう場面だっけ、と考えたらよう覚えとらん。
      で、確認したよ。
      律子叔母さんが美弥由美コンビによってめでたく破瓜を迎えた後、律子さんと別れて自分のマンションに帰宅した由美ちゃんの前に、美影姉が出現。
      姉は由美ちゃんを脅して、由美・里を引き連れて美弥ちゃんのマンションに押しかけ、女子高時代の美弥ちゃんの画像をネタに美弥ちゃんを嬲ろうとする。
      が、美弥由美武闘派コンビの逆襲に会い、結局里ちゃんにディルドゥでやられてしまった。
      つまり、最後の舞台は美弥ちゃんのマンション自室、相手は妹の里ちゃん、ということであった。これが何日前のことなのかは不明……。
       ちなみに、このあと、Sentimenntal Journey
       の章に入って、由美ちゃんと夏実ちゃんの初めて
       の出会いの場面になるのだが……。
      それはともかく、これを最後にしばらく消息が知れなかった美影姉。
      さあ、どう絡んでくるのだ。
      明日を待て!

    • ––––––
      4. ハーレクイン
    • 2011/04/30 12:06
    • う~む。
      田沢湖の成因ねえ。
      カルデラ説、断層説、隕石説……。
      いくらなんでも隕石はなかろうと思うが。
      流入河川があってもね、他の水系とつながってなければ、魚類の侵入は無理だと思うが。しかし現にクニマスはおったわけだし……。どっからきたんや、クニマスくん。
      繁殖期に体色が変化する動物の場合、その色を婚姻色といいますね。魚類や両生類に多いです。ちなみに入試生物でよく登場するイトヨという魚。こやつの婚姻色は赤。鮭鱒類では銀色が多いですね。イモリでは紫、なんてのもいます。
      ほ~。
      クニマスはやはり「国の鱒」か。
      ただし日本国ではなく、羽後の国。
      久保田藩主、佐竹義和公お召上がりのクニマスかあ。
      義和公は久保田藩9代目の藩主。
      この義和公の父君が8代義敦公、この人は有名だよ。

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2011/04/30 13:19
    •  登場人物ごとの時系列が、わからなくなりつつあります。
       創作ノートのようなものを作ってないので、仕方ありませんが。
       誰か、時系列表、作ってくれんかのぅ。
       22回と、203回で書いた異人池には……。
       イトヨが棲んでたそうです。
       異人池は、砂丘の湧き水で生まれた池です。
       人工的に作られた池ではないので……。
       小さいながらも、砂丘湖に分類されるんでしょう(このへんの分類は、ハーレクインさんに教わりましたね)。
       イトヨは、人が池に放したわけではありません。
       では、なぜイトヨが棲みつくことになったかと云うと……。
       溢れた池の水を、堀に流してたからです。
       堀は、信濃川に繋がってます。
       つまりイトヨは、信濃川から堀を遡り、異人池にやってきたというわけ。
       たしかに、他の水系と繋がってない限り、魚の侵入は無理ですね。
       大昔の田沢湖には、海と繋がる河川が流入してたんでしょうか?

    • ––––––
      6. ハーレクイン
    • 2011/04/30 16:41
    • お~、異人池。
      懐かしいですねえ。
      異人池にイトヨか、いやあ、楽しくなっちゃいますね。
      よく考えれば、田沢湖には目立った流入河川はなくても、流出河川はありますよね。
      だとしたら他の水系、または海から遡上してきたという可能性が考えられるのではないでしょうか。河川を遡るのは鮭鱒類の得意技ですからね。
      竜巻に吸い上げられた魚が空から降ってきた、という話がありました。TVドラマだったかな。
      この可能性はないかな、空から降ってきたクニマスくん(ないない)。
      いやあ、わからんぞ。なんせ湖の主が龍だからな。

    • ––––––
      7. 海苔ピー
    • 2011/04/30 16:54
    • 欲しいですか?
      矛盾点が結構あるから、覚悟しないと行けないよ!
      気がついてるけど、無視してた点もあるんだけど…
      章の話の内容部分に時間が欲しいな~!本編を読まないとね~!
      基本的な資料なら直ぐ出来るよ!
      て言ってもゴールデンウイーク明けになるかも!

    • ––––––
      8. Mikiko
    • 2011/04/30 20:33
    • > ハーレクインさん
       なるほど。
       流出河川から遡上して来たということも考えられるのか。
       イトヨの例を出しながら、まったく思い至りませんでした。
       そっちの方が、ずっと可能性ありそうだ。
       新潟の海岸では……。
       冬の強烈な季節風に吹きあげられ……。
       魚やカニが、空を飛んで来ることがあります(事実じゃ)。
      > 海苔ピーさん
       ぜひほしいです。
       でも、矛盾だらけってのは、ちと怖いのぅ。
       ぜんぜん急ぎません。
       時間のあるとき、気の向いたときでいいからね。
       ありがたやありがたや。

    • ––––––
      9. ハーレクイン
    • 2011/04/30 21:50
    • >Mikikoさん
      >>イトヨの例を出しながら、まったく思い至りませんでした。
      いやあ。私も異人池のイトヨの話を聞いて、やっと思いついたんです。なんで流入河川にばかりこだわってたのかなあ。
      でも、実際のところはどうなんでしょうね。
      成因といい、田沢湖。
      神秘の湖だな。
      >>新潟の海岸では……魚やカニが、空を飛んで来る。
      んじゃ、海岸で網を広げてれば、労せずしておかずや酒の肴が手に入るのか。
      刺し網漁の一種だな。

    • ––––––
      10. Mikiko
    • 2011/04/30 23:36
    •  「待ちぼうけ」という歌を思い出してしまった。
       そんなにタイミングよく飛んで来るもんかね。
       海辺の公園の池(真水)に、カニの死骸が沈んでるのは見たことがある。

    • ––––––
      11. ハーレクイン
    • 2011/05/01 01:47
    • 「空から降ってくる魚」で検索かけてみましたら、あるわあるわ。
      世界中でみられ、日本でもあった、そんなに珍しいことでもないんですね。
      原因はやはり、ほとんどが竜巻ですね。
      ちなみに、この話をネタにしたTVドラマは「キイナ~不可能犯罪捜査官」でした。主演は菅野美穂。
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