2010.11.6(土)
窓ガラスの中で、クローゼットの扉がゆっくりと開いていく。
クローゼットの前面は、窓に対して真横を向いていた。
扉の蝶番は、窓側にある。
片開きの扉は、こちらからの視界を遮るかたちで開いていった。
クローゼットの下部には、引き出しが2段付いていた。
クローゼット本体は、その引き出しの上に載っている。
開いた扉は、床との間に、引き出し分の距離を保っていた。
蝶番の軋みが途絶えた。
扉は、窓と平行になるまで開いていた。
クローゼットに入っているのは、由美以外に考えられない。
しかしミサは、振り向くことすら出来なかった。
故の無い恐怖が、全身を凍らせていた。
開ききった扉の下に、白い脚が生まれた。
細い脛が真っ直ぐに伸び、足先が床に着いた。
スカートのよく似合う、華奢な由美の脚に違いなかった。
しかし、恐怖は収まるどころか、嘔吐感のように喉元を突き上げ続けた。
白い脚がもう1本生まれ、2本が寄り添って床に並んだ。
前方に歩み出す。
いよいよその姿が現れるのだ。
ミサは、尻たぶまで鳥肌を立てながら、固唾を呑んで見守った。
「ひ」
最初に扉の外に現れたのは……。
顔でも、乳房でも無かった。
股間にあたる位置だった。
締め上げたハムのような赤黒い固まりが、扉から突き出て来たのだ。
見紛うべくもなく、あのディルドゥだった。
陰茎は、ほぼ水平を保ってた。
おそらく、根元を掴んだ手が、男根を押し下げているのだろう。
男根だけを扉の外に突き出して、両脚の歩みは止まっていた。
由美は、自分を驚かせようとして、クローゼットに入っていたのだ……。
ミサは、自らにそう言い聞かせた。
懸命に笑みを作り、振り向いた。
クローゼットの前面は、窓に対して真横を向いていた。
扉の蝶番は、窓側にある。
片開きの扉は、こちらからの視界を遮るかたちで開いていった。
クローゼットの下部には、引き出しが2段付いていた。
クローゼット本体は、その引き出しの上に載っている。
開いた扉は、床との間に、引き出し分の距離を保っていた。
蝶番の軋みが途絶えた。
扉は、窓と平行になるまで開いていた。
クローゼットに入っているのは、由美以外に考えられない。
しかしミサは、振り向くことすら出来なかった。
故の無い恐怖が、全身を凍らせていた。
開ききった扉の下に、白い脚が生まれた。
細い脛が真っ直ぐに伸び、足先が床に着いた。
スカートのよく似合う、華奢な由美の脚に違いなかった。
しかし、恐怖は収まるどころか、嘔吐感のように喉元を突き上げ続けた。
白い脚がもう1本生まれ、2本が寄り添って床に並んだ。
前方に歩み出す。
いよいよその姿が現れるのだ。
ミサは、尻たぶまで鳥肌を立てながら、固唾を呑んで見守った。
「ひ」
最初に扉の外に現れたのは……。
顔でも、乳房でも無かった。
股間にあたる位置だった。
締め上げたハムのような赤黒い固まりが、扉から突き出て来たのだ。
見紛うべくもなく、あのディルドゥだった。
陰茎は、ほぼ水平を保ってた。
おそらく、根元を掴んだ手が、男根を押し下げているのだろう。
男根だけを扉の外に突き出して、両脚の歩みは止まっていた。
由美は、自分を驚かせようとして、クローゼットに入っていたのだ……。
ミサは、自らにそう言い聞かせた。
懸命に笑みを作り、振り向いた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2010/11/06 08:20
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律「“あざれあ”って、花の名前だっけ?」
み「そう。
西洋ツツジ」
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2010110608210266c.jpg
律「“しらかば”は、木だよね?」
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20101102202004018.jpg
み「日本の高原を代表する木です」
律「花と木じゃ……。
イマイチ、整合性が無いよなぁ」
み「そうだね。
それに、“しらかば”の名付け親は……。
きっと、船を知らないヤツだね」
律「なんで?」
み「船体に、船の名前が表示される場合……。
船首から、船尾に向かって書かれるわけ」
律「トラックなんかでも、よく見かけるね」
み「そうそう。
つまり、船の右舷では、船名は右から左に向かって書かれるわけでしょ」
律「うっかり、左から読んじゃうよね。
逆さまに」
み「“しらかば”を、逆さに読んでみ」
律「ば、か、……。
あ゛」
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20101102201640389.jpg
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2. Mikiko- 2010/11/06 08:22
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律「この船、いつごろ造られたの?」
み「確か、就航は1994年じゃなかったかな」
律「ふーん。
って、16年も前じゃない。
そんなら、これが最大ってことは……。
その後16年間、これより大きな船は造られなかったってこと?
なんでよ?」
み「最近の新造船は……。
効率第一で造られてるからね。
経費節減思想のカタマリみたいなもん。
ちまちました船ばっかりなんだよ」
律「この船が造られたときは、効率第一じゃなかったってわけ?」
み「就航が1994年でしょ。
てことは、船の建造計画が持ち上がったころは……。
バブル真っ盛りだよ」
律「なるほど。
あのころは高校生で、試験勉強ばっかりしてたからなぁ。
バブルってのがどんなものだったか、よくわからん。
でも確かに、効率第一って考えじゃ無かったよね」
み「というわけで、こんなに巨大で豪華なフェリーが誕生したってわけ。
時代が生んだ船ってことでは……。
戦艦大和に通じるものがあるかも」
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201010312020240a3.jpg
律「ふ~ん。
なんか、興味が湧いてきたぞ」
み「バブルってものがどんなものだったか……。
体感できるかもね」
フェリーターミナルの2階に上がります。
乗船を待つ人たちが大勢いました(この写真は、夏休みに撮られたもの。10月なら、これほど混まないと思います。)。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20101031202026c8e.jpg
乗船手続きは、すでに始まってました(これも夏休み)。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201010312020242c3.jpg
いよいよ、乗船です。
タラップを上る足元がよろけます。
律「ちょっと、しっかりしてよね」
み「今になって、酒が回ってきた」
乗船口を潜ると……。
いきなり、吹き抜けのエントランスホールが。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201010312020274dc.jpg
律「すご……。
ここって、ほんとに船の中?
ホテルみたい」
み「だよね……。
これがバブルです、って感じ」
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2010/11/06 08:31
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>由美と美弥子
ひええええ~。
何か、ミサちゃんがかわいそうだよ~
どしたんだ。由美ちゃん。
>東北に行こう!
アザレアは……オランダツツジとも言いますな。
確かに、白樺とは整合性がないなぁ。
しらかばの逆読みねぇ。
わはは。
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4. ハーレクイン- 2010/11/06 09:04
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私の高校の同期で、造船業界の男がいます。
合うたんびに「つまらん、つまらん、つまらん」ですわ。
ろくな船をつくらせてもらってないんですね。
海国、日本。何処へ行った。
お~~~戦艦大和!
確かに時代の寵児であり、時代遅れの徒花でもありましたな。
戦艦大和に愛着を抱く方は多い。
松本霊士氏の「宇宙戦艦大和」が、その筆頭でしょうが、
星野之宣氏の「ヤマタイカ」でも、戦艦大和が復活します。
しかも、沖縄の米軍・嘉手納基地をいきなり砲撃するという、過激なストーリー。
で、これがほんのプロローグなんですね。
面白いよ。
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5. Mikiko- 2010/11/06 13:17
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設計した人も、造船に携わった人も……。
きっと楽しかったでしょうね。
フェリーを引退したら……。
いっそのこと、巡視船にしたらいいんじゃないか?
あれに体当たりしようなんて、誰も考えないと思うぞ。
「ヤマタイカ」は……。
実は、持ってたりする。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20101106121714f53.jpg
古代史が絡む話は、大好きなんですね。
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6. もんぷち- 2010/11/06 13:24
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オトーさん可哀想!!
(昨日のコメントにさかのぼって…)
眠いときのご奉仕は辛いですね(涙)
夢うつつで腰をふるオトーさんがいじましい…
ばからし!!
面白い(^o^)!
逆さまに表記されることに気づいた時点で変更はもう出来なかったんですかね。
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7. Mikiko- 2010/11/06 13:47
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可哀想だけど、大したもんでもある。
寝ながら腰使えるってことは……。
ちゃんと、起立してるってことだよね。
“ばからし”の件。
逆に、船関係者だからこそ、気づかなかったのかも?
右舷では、右から左に読むことが習慣になってるから。
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8. ハーレクイン- 2010/11/06 14:24
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全6巻の大作。
ヤマトのマツリ。
面白いですよね。
星野氏は、時に反感を感じるくらい絵が綺麗です(おいおい)。
初期の絵はひどかったですが……。
宗像教授シリーズも秀逸ですな。
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9. ハーレクイン- 2010/11/06 15:13
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Mikikoさん。
昆陽池の画像、有り難う御座います。
そうか。
人工造成された溜め池だったか。
知りませんでした。
しかも行基とはのう。
いろんなことをやっとるおっさんだ。
淡水の止水域(河川と異なり、流れることのない水域)は、陸水学上、「湖」「沼」「池」に大別されます。
このうち、自然に生じたものを「湖」と「沼」、
人工的につくられたものを「池」といいます。
ですから、昆陽池が如何に巨大であれ、定義上は「池」なんですね。
命名者、わかっとるやないか(褒)。
しかし、ヌートリアなんぞ放した奴は誰や!!
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10. 淡雪- 2010/11/06 16:52
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ハーレクインさん、伊丹在住なんですか。
大阪の方だと思っていましたが・・・。
祖母の家は、もうJRの駅からのびた通路の下になっているので、影も形もないのですが、たしか「大手柄」の酒蔵の裏手だったと思います。
白雪の酒蔵もすぐちかくで、古い家並みが続いていました。
ひさしぶりに行くと、すっかり様変わりですよね。
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11. Mikiko- 2010/11/06 20:20
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> ハーレクインさん
宗像教授シリーズも、持ってないけど読んだ記憶はあります。
土人(死語)が出てくる絵だったな。
確かに、絵はだいぶ変わってますね。
自然に生じたものを「湖」と云うんなら……。
由布院の金鱗湖は、「湖」で良かったんですね。
> 淡雪さん
「大手柄」とは、いい名前ですね。
日本シリーズに出る選手とかも、飲んでるかも?
新潟県村上市には、「大洋盛(たいようざかり)」というお酒があります。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201011062017268e1.jpg
昔、横浜ベイスターズが、大洋ホエールズだったころ……。
ファンの集まるお店には、必ず「大洋盛」の一斗樽が置いてあったようです。
そう言えば、この秋、横浜ベイスターズが身売りして新潟に来るなんて話が、一瞬だけ出ましたね。
スタジアムは、そこそこいいのがあるんですよ。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20101106201808507.jpg
さてこれから、「新潟自然農場」というお酒を、じっくり試してみることにします。
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12. ハーレクイン- 2010/11/07 00:44
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ファイヤーフライ
伊丹市在住。
25歳。独身。眉目秀麗。
わはははは。
>淡雪さま
HQ、大阪在住です。
伊丹市は、冬場に昆陽池にお邪魔するだけのご縁。
身内も、知り合いもおりません。
淡雪さまに縁の土地と聞きまして、宣揚させていただきました。
頑張れ! 伊丹!!
>Mikikoさん
大きいものが「湖」で、小さいものが「沼」ですから、
金鱗湖はおそらく、金鱗「沼」であろうと思われます。
少なくとも「池」ではないですね。
>>(11/5のコメ)昔は、日本海側が表日本だったんですよね。
福井県人は、福井県が日本の中心だ、と主張するそうです。
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13. Mikiko- 2010/11/07 07:56
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国際線が発着しなくなったのに、なぜに“大阪国際空港”を名乗り続けてるのだ?
ひょっとして、昆陽池に、外国からの渡り鳥が来るからか?
「湖」「沼」「池」について、フランソワ=アルフォンス・フォーレル(湖沼学者)の定義というのを見つけた。
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湖:水深が深く、植物の繁茂が湖岸に限られ、中央の深いところには沈水植物が見られない。
沼:湖より浅く、最深部まで沈水植物が繁茂している。
池:湖や沼より小さいもので、特に人工的に造られたもの。
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この定義だと、人工的に造られたものでも……。
沈水植物が繁茂するようなら、「湖」や「沼」と云っても良さそうだが……。
どんなに大きくても、人工的に造ったのが「池」なら……。
「ダム湖」なんて、どうなるの?
ここ数年、福井県に本社があるスーパーが、新潟に進出してきてます。
開店時間が早くて品物が安いので、大いに重宝してます。