Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 496
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「わたしは今、京都にいるんだけど……。
 心配になって来てみたの。
 さっき、会って来たんだけどね。
 やっぱりおかしくて……。
 膝抱えて座ってるだけなのよ。
 目に精気が無いって言うか……。
 で、部屋にあの子残して、フロントに事情を聞きに来たの。
 でも、いつもいらっしゃる方がお休みみたいで、要領を得ないのよ」

 そう言って姉は、フロントのスタッフに、咎めるような視線を投げた。
 スタッフは、この姉から、ずいぶんと問い詰められていたようだ。
 姉の視線を受けた瞳が、怯えていた。

「藤村さん……。
 こちらの方と一緒に、棚橋さんのお部屋に行ってもらえないかしら?
 若宮に連絡取ろうとしたんだけど……。
 携帯が通じないの」

 縋るような瞳を向けられ、心ならずも由美はうなずいていた。
 もちろん、ミサがああなってしまったことへの、後ろめたさがあった。
 しかし、その理由を明かすことが出来ないのも事実だ。

 由美は、姉に伴われ、ミサの部屋に向かった。



 ミサは、ベッドの傍らに、膝を抱えて座っていた。
 一見しただけでは、ことさらな変化は感じられない。
 しかし、ミサの瞳は、カーペットの一点を見つめたまま、揺らごうとしなかった。

「ずっと、こんな調子なのよ。
 何言っても上の空で……。
 ときどき、ひとりごと言うだけ。
 あなた、えーっと、藤村さんだったわよね。
 ちょっと話しかけてみてくれない?」

 姉に見下ろされ、由美はうなずいた。
 姉は、人に命じることに慣れているようだった。
 由美は、ミサの傍らに身を屈めた。

「ミサちゃん。
 お姉さんが心配して、来てくれたんだよ」
「ミサ?
 この子、ミサって呼ばれてるの?」

 そう言って姉は、傍らのベッドに、勢いよく腰を落とした。
 スプリングの軋みと共に、マットレスが揺れた。
由美と美弥子 495目次由美と美弥子 497





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2010/07/16 07:28
    •  『城橋』では、勢いをつけて坂を上るためにスピードを上げたんですが……。
       ここは、逆です。
       川に向かって下り坂になってるので……。
       自然とスピードが出るようです。
       橋が見えてきました。
       欄干の無い、低い橋です。
      http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100710211148fd4.jpg
      「こん橋は、『沈み橋』と云います。
       その名のとおり、大水の時は水の中に沈む橋です」
       沈下橋というやつですね。
       以前にも書いたと思うけど……。
       わたしは、橋が苦手なんです。
       欄干の近くには寄れない。
       特に、欄干の隙間から見える水面には、恐怖を覚えます。
       ましてや……。
       欄干のない橋なんて、とうてい渡れません。
       実は、高知の四万十川の見所のひとつに……。
       沈下橋があったんですが……。
      http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100710211148d1b.jpg
       怖いのでパスしました。
       まさか、こんなとこで、沈下橋が待ち受けてるとは……。
       でも……。
       飛び越せそうな狭い川に掛かる橋は短く……。
       恐怖を感じる間もなく渡り切ってしまいました。
      http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201007102111495bf.jpg
       程なく、第一の立ち寄り場所、仏山寺に着きました。
      http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201007102112113a9.jpg
      「降りてもらう前に、馬車の向きを変えますけん、少々お待ちください」
       お馬さんが、ゆっくりと回り始めました。
      http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2010071021115101d.jpg
       狭い道幅ですが、毎回ここでUターンしてるんでしょう。
       ウマいもんです。
       やり直すこともなく、馬車は石垣に沿って反対を向きました。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2010/07/16 07:29
    •  お客さんは、ひとまず下車し、仏山寺の見学です。
       見学時間は10分。
       子供たちは、お寺より馬の方に興味があるらしく……。
       馬の顔近くまで寄って、熱心に見てます。
       わたしたちは大人なので……。
       とりあえず、お寺を見てきましょうか。
      http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201007102112104a9.jpg
       臨済宗のお寺のようです。
       山門は古そうで、古刹の雰囲気を期待したんですが……。
       本堂は、新築間もないようでした。
      http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2010071021121054c.jpg
       馬車に戻りましょう。
       子供たちは待ちきれない様子で、すでに座席に座ってました。
       中には、座席から立ち上がって、わたしたちを恨めしげに迎える子も……。
       まだ10分経ってないからね!
       さて、出発進行です。
       お馬さんは、石垣沿いに左側を歩みます。
      http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100710211147d59.jpg
       狭い道ですが、これならクルマともすれ違えますね。
       かと言って、寄りすぎたら、馬車が石垣を擦っちゃいます。
       馬車は、石垣と絶妙な間隔を保って進みます。
       偉いもんです。
       もと来た道を戻ります。
       また、『沈み橋』が見えて来ました。
       馬車のスピードが上がります。
       さっきは、下り坂で自然にスピードが上がるのかと思ってましたが……。
       よく考えたら、橋を境に、今度は上り坂になるわけですから……。
       そのために勢いを付けているようです。
       橋を渡りきったところで、道がY字に分かれてます。
       先ほどは右の道から来たんですが……。
       お馬さんは、迷うことなく左の道を選びました。
      http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201007120900582de.png
       続きは、次回。

    • ––––––
      3. フェムリバ
    • 2010/07/16 20:34
    • こんな高圧的な人だと、私なら疲れを理由に断っちゃうな(汗)
      角が立たないようにやんわりですけどね。
      あと
      断りの最後に「許してください・・・」を使えば、しつこい方でも必ず引き下がってくれちゃいます♪
      こういう小川みたいな所の橋でも駄目とは・・・
      筋金入りの橋恐怖症ですな。
      しかし
      「沈下橋」・・・欄干が無い!!
      ちょっと危ないな(汗)
      お寺はけっこう好きですけど・・・
      今回は、子供達に混じってお馬さんに張り付いちゃうかもー
      でも
      お馬さん、馬車の横幅を認識してるのでしょうか?
      賢いですねぇ(驚)

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2010/07/16 20:56
    •  角が立たないように断れる人は、なかなかいないと思うよ。
       うらやましいです。
       わたしなんか、断れずに引き受けて……。
       結局、潰れちゃうタイプだな。
       欄干があると、水の抵抗や漂着物で、橋が流されちゃうからね。
       でも、欄干が無いのは、吊橋より怖いよな。
       夜なんか、どうやって渡るんだろ?
       匍匐前進か?
       ほんまに、賢いお馬です。
       人間でも……。
       自分の横幅を認識してないオバハンとか、いるのにね。
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