2010.6.14(月)
鈍い音がした。
美弥子が、床に尻を落としていた。
食いしばるように閉じられた口元から、泡が噴きこぼれていた。
瞳は、すでに失われていた。
美弥子の上体が、ゆっくりと後ろざまに転がった。
仰のきながら、片手はまだ男根を握り締めていた。
無防備に曝された肛門が、瀕死の魚のように息づいている。
由美は再び、「信じられないもの」に目を戻した。
叔母の視線は、それに留まったままだった。
ガラストップの上には、白い液体……。
いや、液体よりは粘性が高いようだ。
糊のチューブから絞り出したようにも見える。
これが今さっき、美弥子の擦る男根の先から噴き出たのだ。
由美の乏しい知識から導き出せる答えは、ひとつしかなかった。
精液だった。
美弥子が、射精したとしか思えなかった。
むろん由美は、男性が射精するところなど、見たことは無い。
しかし、男根の先から出る白い液体が、精液であることくらいは知っている。
「うそでしょ……」
叔母が、ようやく我に帰ったように言葉を零した。
ソファーから滑り降りると、ガラストップを覗きこんだ。
由美も、ソファーの上で身体を起こした。
「叔母ちゃん……。
美弥ちゃん、射精したの?」
「そんなバカなこと、あるわけないじゃないの……。
でも……。
そうとしか見えなかった」
「叔母ちゃんは精子、見たことあるの?」
「当たり前でしょ。
産婦人科医なのよ。
不妊治療とかもしてるんだから」
「じゃ、男の人が射精するとこも見るの?」
「そんなわけないじゃない。
ご主人に精子を採取してもらう用に、小さな個室があるのよ。
そこで奥さんに手伝ってもらいながら、採取するわけ。
男性って、結構デリケートなのよ。
そんな個室にひとりで入れられると、勃起さえしない人がほとんど。
だから、奥さんに手伝ってもらうの」
美弥子が、床に尻を落としていた。
食いしばるように閉じられた口元から、泡が噴きこぼれていた。
瞳は、すでに失われていた。
美弥子の上体が、ゆっくりと後ろざまに転がった。
仰のきながら、片手はまだ男根を握り締めていた。
無防備に曝された肛門が、瀕死の魚のように息づいている。
由美は再び、「信じられないもの」に目を戻した。
叔母の視線は、それに留まったままだった。
ガラストップの上には、白い液体……。
いや、液体よりは粘性が高いようだ。
糊のチューブから絞り出したようにも見える。
これが今さっき、美弥子の擦る男根の先から噴き出たのだ。
由美の乏しい知識から導き出せる答えは、ひとつしかなかった。
精液だった。
美弥子が、射精したとしか思えなかった。
むろん由美は、男性が射精するところなど、見たことは無い。
しかし、男根の先から出る白い液体が、精液であることくらいは知っている。
「うそでしょ……」
叔母が、ようやく我に帰ったように言葉を零した。
ソファーから滑り降りると、ガラストップを覗きこんだ。
由美も、ソファーの上で身体を起こした。
「叔母ちゃん……。
美弥ちゃん、射精したの?」
「そんなバカなこと、あるわけないじゃないの……。
でも……。
そうとしか見えなかった」
「叔母ちゃんは精子、見たことあるの?」
「当たり前でしょ。
産婦人科医なのよ。
不妊治療とかもしてるんだから」
「じゃ、男の人が射精するとこも見るの?」
「そんなわけないじゃない。
ご主人に精子を採取してもらう用に、小さな個室があるのよ。
そこで奥さんに手伝ってもらいながら、採取するわけ。
男性って、結構デリケートなのよ。
そんな個室にひとりで入れられると、勃起さえしない人がほとんど。
だから、奥さんに手伝ってもらうの」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2010/06/14 06:03
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美弥ちゃんに腕を引っ張られ、鍵屋の前を歩き出したとこから。
「痛い、痛い。
腕が抜ける」
「抜けません。
ほら、ちゃんと歩けるじゃないですか」
「歩いてるんじゃないよ~。
引きずられてるんだよ~。
わかったって。
自分で歩くよ」
「ほんとですか?」
「おー痛て。
手首に指の跡が付いたじゃないか。
怪力女め……。
アイアンクローが出来るんじゃないか?」
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2010061120255822c.jpg
画像を探してたら、こんなのもありました。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100611202557560.jpg
「何か言いました?」
「いいえ」
「それじゃ、わたしが後ろから押してあげます。
それ、ガンバ」
「お~、楽ちん楽ちん」
「5分ずつ交代ですよ」
「美弥は、10分」
「いやです」
「あ、美弥、ストップ」
「何です?
まだ、5分経ってませんけど」
「あそこに、妙なヤツがいるぞ」
「どこ?」
「ほら、あそこ」
「あ」
「あれって、乗り物だよね」
「そうですね」
「しかも、あの様子……。
ぜったい客待ちしてると思わない?」
「そんな感じですね」
「あ、目が合った。
笑ったぞ」
「いちいち中継してもらわなくても、わかります」
「美弥、聞いてみて?」
「わたしがですか?
わたし、男の人と話すの苦手なんですけど」
「ナンパしようってわけじゃないんだからさ。
美弥が聞く方が、ぜったい喜ぶから」
「何を聞くんです?」
「決まってるだろ。
2人乗せて、駅前まで行ってくれるかって聞くの。
ほら、早く」
「押さないでくださいよ。
あ、あの~」
「はい!
いいっすよ。
喜んで!」
「え?
まだ何も言ってませんけど」
「聞こえてました」
「すいません……」
「どうぞ。
そろそろ営業終了なんで、駅前ならありがたいっす」
このあんちゃんの格好は……。
股引きに法被、地下足袋を履いて、頭には菅傘を被ってます。
傍らには、時代劇でしか見たことのない乗り物が……。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100611202558d43.jpg
人力車です。
「さあ、どうぞ」
あんちゃんが、わたしを促します。
さては、わたしが目当て?
なわけ、ないわな。
わたしの方が、あきらかに年上に見えるので……。
わたしを先にしたんでしょう。
でも、どうやって乗るの、これ?
座席が、ものすげー高いんですけど。
よじ登るわけ?
続きは、次回。
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2. フェムリバ- 2010/06/14 18:32
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ちょっと不安になってきました・・・(汗)
にゃんにゃんクロー、かわゆい♪
たとえ引っ掻かれても許しちゃう♪
お、人力車~
以前、東京の浅草で乗りました!
凄く楽しかった♪のですけど・・・
けっこうなお値段でしたねぇ(泣)
でも
人力車のあんちゃん達は、バスガイドのおねーさんと同じで、観光名所について詳しく楽しく説明してれました。
旅の思い出にはもってこいだと思います♪
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3. Mikiko- 2010/06/14 20:00
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実は、美弥子がオトコだったとか……。
オトコに変わっちゃったとか、思ってない?
それだけは……。
絶対にありませんよ。
あのネコクロー、無表情なとこがいいよね。
お~。
人力車、体験済みでしたか。
わたしは、乗ったこと無いんだ。
体験記を読むと……。
視点が高いし、あんちゃんにかしづかれるしで……。
お姫様気分になれるらしいね。
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4. フェムリバ- 2010/06/14 20:30
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良かったぁ♪
この猫ちゃんの無表情は、味があるなぁ(笑)
お姫様気分ていうよりも、遊園地の遊具に乗ったような、オープンカーに乗ったような・・・
ともかく不思議な気分でしたね。
自分で動かず風を切って移動出来るのは、かなり気持ち良いです♪
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5. Mikiko- 2010/06/14 20:38
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そんなこと考えてたのか。
500回近く連載してから、主人公の性別をひっくり返したら……。
それは、詐欺でしょ。
一馬力ならぬ、一人力。
究極のエコカーだね。
人は、こういう生活に戻らにゃならんのではないかね。
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6. フェムリバ- 2010/06/15 19:21
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良いドキドキに混じって、こういう怖いドキドキもあるので、少し不安になっちゃうみたいです(苦笑)
すみません・・・
究極のエコカーが普及してしまうと、車が売れなくなっちゃうな・・・
う~ん
少し困っちゃいますねぇ(汗)
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7. Mikiko- 2010/06/15 20:03
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AVなんかだと、後からオトコが出てきて……。
最後は3Pになるってのが、気に入らなかったからです。
女しか登場しない世界に浸るには……。
自分で書くしかないと思ったから。
射精システムについては、金・土の投稿で明らかになります。
楽しみにしてね♪
クルマが本当に必要なのは、お年寄りなのにね。
お年寄りは、バス路線の廃止なんかで、買い物難民になっちゃってる。
なんとかならんもんかね。
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8. フェムリバ- 2010/06/15 20:32
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ここに初めて訪れた時・・・
『 ゴシック系(当時は暗黒)長編レズビアン小説「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
「由美と美弥子」には女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。』の・・・
「女性しか出てきませんが」・・・、私は、この魅力的な一文に凄く惹れました。
(現実では、男性がプライベートにまで勝手に割り込んでくる状況があったりして・・・どうか小説の中だけでも、と思ったのです。)
私は、ミキコ様のこの言葉を信じてついて行きます!
う~ん
金曜日と土曜日が待ち遠しい♪
くだらないハコモノなんか建ててないで、バスや電車を生命線としてる人のためにこそ、税金を使ってあげて欲しいですね・・・
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9. Mikiko- 2010/06/15 20:51
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でも、新しい展開も怖れずに……。
より面白く……。
そして、変態レズビアンの幸せのために、書いていきたいと思います。
平成の大合併で良かったことは……。
くだらないハコモノが建たなくなったことだね。
政令市になってから……。
病院なんかを回る区バスも出来たし……。
まぁ、一般市民にとっては、良かったと思う。
“町”の時代、談合で食ってた土建屋なんかは……。
“市”では指名をもらえなくなって、ことごとく潰れちゃったけどね。