2010.1.27(水)
お湯に浸かると、ミサは大分落ち着きを取り戻したようだった。
というよりは、眠気に襲われたらしい。
昨夜は、ほとんど眠れなかったのではないか?
バスタブに沈みそうになったミサを引き上げ、人形を洗うように身体を洗った。
洗われながらミサの頸は、船を漕いでいた。
「ちょっと……。
寝ないでよ、こんなとこで」
気付けに、脚元に冷水をかけた。
身体を引き起こし、バスルームを出る。
廊下に出ると、美弥子が扉の前で手招きをしていた。
ミサは由美の肩に額を落とし、美弥子が見えていない。
美弥子が立っているのは、普段使わない寝室の前だった。
両親が上京したときなどに泊まる部屋だ。
由美がうなずくのを見ると、美弥子は扉の前を離れた。
「ほら、ミサちゃん。
もうベッドだよ」
ミサを抱え直し、ベッドルームに入る。
閉じられたカーテンが、陽の光を孕んでいた。
ツインベッドが並んでいる。
手前側の掛け布団が捲られ、真新しいシーツが見えていた。
美弥子の気遣いだろう。
由美は、重くなるばかりのミサをシーツに下ろした。
脚を抱え上げたときには、ミサはすでに寝息を立てていた。
布団を掛け、部屋を出る。
「どう?
落ち着いた?」
扉の前で、美弥子が待っていた。
「寝ちゃった」
「そう」
「しばらくは起きそうもないよ」
「お茶でも飲む?」
うなずく由美に微笑んで、美弥子は由美に背を見せた。
キッチンに向かうつもりなのだろう。
由美は、美弥子の相臀を見てめていた。
美弥子もまだ、衣服を着けていなかった。
美弥子が歩を進めるたび、相臀が躍動するように震えた。
というよりは、眠気に襲われたらしい。
昨夜は、ほとんど眠れなかったのではないか?
バスタブに沈みそうになったミサを引き上げ、人形を洗うように身体を洗った。
洗われながらミサの頸は、船を漕いでいた。
「ちょっと……。
寝ないでよ、こんなとこで」
気付けに、脚元に冷水をかけた。
身体を引き起こし、バスルームを出る。
廊下に出ると、美弥子が扉の前で手招きをしていた。
ミサは由美の肩に額を落とし、美弥子が見えていない。
美弥子が立っているのは、普段使わない寝室の前だった。
両親が上京したときなどに泊まる部屋だ。
由美がうなずくのを見ると、美弥子は扉の前を離れた。
「ほら、ミサちゃん。
もうベッドだよ」
ミサを抱え直し、ベッドルームに入る。
閉じられたカーテンが、陽の光を孕んでいた。
ツインベッドが並んでいる。
手前側の掛け布団が捲られ、真新しいシーツが見えていた。
美弥子の気遣いだろう。
由美は、重くなるばかりのミサをシーツに下ろした。
脚を抱え上げたときには、ミサはすでに寝息を立てていた。
布団を掛け、部屋を出る。
「どう?
落ち着いた?」
扉の前で、美弥子が待っていた。
「寝ちゃった」
「そう」
「しばらくは起きそうもないよ」
「お茶でも飲む?」
うなずく由美に微笑んで、美弥子は由美に背を見せた。
キッチンに向かうつもりなのだろう。
由美は、美弥子の相臀を見てめていた。
美弥子もまだ、衣服を着けていなかった。
美弥子が歩を進めるたび、相臀が躍動するように震えた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2010/01/27 07:27
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いよいよ、待ちに待った春真っ盛り。
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■春の小川【作詞:高野辰之/作曲:岡野貞一】文部省唱歌(4年)
http://www.youtube.com/watch?v=XacbPQHZ6o0
春の小川は さらさら流る
岸のすみれや れんげの花に
匂いめでたく 色うつくしく
咲けよ咲けよと ささやく如く
春の小川は さらさら流る
蝦やめだかや 小鮒の群に
今日も一日 ひなたに出でて
遊べ遊べと ささやく如く
春の小川は さらさら流る
歌の上手よ いとしき子ども
声をそろえて 小川の歌を
歌え歌えと ささやく如く
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あれ?、と思われた方もしらっしゃるんじゃないでしょうか?
メロディは確かにあの歌だけど……。
歌詞が違う!って。
そう。
「春の小川」は、最初はこういう歌詞だったんです。
それが、口語体の今の歌詞に変えられました。
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2. Mikiko- 2010/01/27 07:28
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現在の歌詞は、こうなってます。
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■春の小川【作詞:高野辰之(林柳波ほか改)/作曲:岡野貞一】
http://www.youtube.com/watch?v=oseU2hBhzh4
春の小川は、さらさら行くよ
岸のすみれや れんげの花に
すがたやさしく 色うつくしく
咲けよ咲けよと ささやきながら
春の小川は さらさら行くよ
えびやめだかや こぶなのむれに
今日も一日 ひなたでおよぎ
遊べ遊べと ささやきながら
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この改作、いつ行われたと思います?
普通に考えれば戦後、と思うでしょうが……。
実は、戦時中なんですね。
戦時下、学校制度改革により、「国民学校」が創設されました。
その3年生の教科書に、この「春の小川」が収録されることになったんです。
ですが、文語体を習うのが4年生からだったので……。
歌詞が口語体に変えられたということです。
そんなら、4年生の教科書に入れればいいだけですよね。
なんで改作までして、3年生の教科書に入れなきゃならなかったんでしょう?
戦時中の考え方は、さっぱりわかりません。
でも、そのおかげで、今の親しみやすい歌詞が生まれたわけですから……。
結果的には、よかったってことかも。
わたしは、文語体の唱歌が大好きですが……。
こと、この「春の小川」に限っては……。
口語体の歌詞の方が好きです。
まぁ、自分がそう習ったってこともあるんでしょうけど。
ところで、みなさん。
この歌の情景、どこのものだと思います?
「春の小川」が作られたのは、大正元年(1912年)。
作詞者の高野辰之(1876~1947)の故郷は、信州なので……。
この歌も、信州の山里の風景でしょうか?
でも、違うんですねー。
東京都心なんですよ。
受験生のメッカ、代々木!
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2010012221253678f.jpg
高野は、この歌を作った当時、現在の代々木3丁目に住んでました。
当時の地名は、東京府豊多摩郡代々幡村。
一面の田園地帯だったとか。
すぐ近くを、河骨川と呼ばれる川が流れていました。
高野が歌った「春の小川」は、この河骨川だったそうです。
ちなみに、「河骨」って何かご存じですか?
スイレン科の水生植物です。
「こうほね」と読みます。
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100122104902216.jpg
河骨川には、こんな花が群れ咲いてたんでしょうね。
「河骨」とは、ちょっと怖い名前ですが……。
水面下の茎が白く、骨のように見えるからだとか。
わたしは、水面上の緑の葉柄しか見たことありませんけど……。
余談ですが……。
この河骨川は、やがて宇田川に合流し、渋谷に向かいます。
渋谷区に宇田川町って地名があります。
そう、渋谷センター街のあたりです。
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100122212944070.jpg
その地名の由来は、文字通り宇田川が流れてるからです。
「流れてた」んじゃありませんよ。
今でも、「流れてる」んです。
え?
センター街に川なんて無いって?
ところが、あるんですねー。
どこかというと……。
センター街の真下です。
暗渠となって地下を流れてます。
ていうか、宇田川に蓋がされて、その上に出来たのがセンター街なんです。
センター街って、道が曲がってるでしょ?
あれは、宇田川の川筋そのものだから。
100年前のセンター街は、↓こんな風景だったんでしょうね。
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100122104902aa8.jpg
続きは、次回。
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3. 淡雪- 2010/01/27 08:55
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勉強になります。
春の小川、わたしもダイスキです。
好きなものを数えて生きていきたいですね。
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4. フェムリバ- 2010/01/27 19:43
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二人っきりですね♪
改作までして、3年生の教科書に入れた理由・・・
戦争時の特殊授業(竹槍突き、鉄砲の弾磨き等)に、普通授業が時間的に圧迫されて、授業の進行速度が駆け足になってしまったんでしょうかね?
でもって
私も、口語体の方が好きです♪
代々木、懐かしい・・・
代々木公園には、よく行ったっけな。
えぇ~~!!
渋谷センター街の真下に、川?!
しかも
道が曲がってるのも、川筋に沿ってるからだったなんて・・・
全然知りませんでした!
>闇猫さん
こんにちは!
セクシーなお名前ですね♪
キャッツアイを連想しました。
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5. Mikiko- 2010/01/27 19:57
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> 淡雪さん
タイムマシンで行ってみたいところのひとつに……。
「春の小川」が作られたころの代々木を、ぜひ入れたいです。
あと、ソメイヨシノが生まれたころの駒込とか。
> フェムリバさん
実はわたしも、代々木駅には馴染みがあります。
千駄ヶ谷に住んでたことがあるんで。
JRの駅で、一番近いのが代々木でした。
今回の連載にあたって、いろいろ調べてる過程で……。
「春の小川」が、あのあたりの光景だったことを知り……。
わたしも驚きました。
渋谷ってのは、その名のとおり……。
「谷」なんですね。
地下鉄の銀座線の駅が、渋谷で高架になってるのは……。
土地が低いからなんです。
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6. フェムリバ- 2010/01/28 19:48
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私は、幡ヶ谷に滞在してた事があります!
(当時、毎日ここから横浜に行ってました。辛かった・・・)
時期は違いますけど、近くだ♪
なるほど、地名にはちゃんと意味があったわけか・・・
とすると
中心部をほぼ真横に走るように、東京には谷が多いんですね。
「市ヶ谷」「四ツ谷」「千駄ヶ谷」「渋谷」「幡ヶ谷」「世田谷」「祖師ヶ谷」・・・ちょっと北に離れて「(南)阿佐ヶ谷」、これくらいかな?
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7. Mikiko- 2010/01/28 20:19
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けっこうタイヘンだったね。
わたしは、渋谷区の本町に住んでたこともあります。
渋谷区と言っても、本町は西新宿の隣。
南新宿にあった会社から、週末なんかは歩いて帰った。
甲州街道沿いをてくてくと。
途中、幡ヶ谷も通りましたね。
その手前、文化女子大のあたりには……。
箒銀杏という、大きな銀杏の木があった。
酔っぱらって、箒銀杏に抱きついて泣いた記憶が、微かにあります。
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8. フェムリバ- 2010/01/28 20:26
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泣いちゃったの?
寂しくなっちゃったから?
その時、その場にいたら・・・
「泣かないで」って、イイ子イイ子してあげられたのになぁ・・・
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9. Mikiko- 2010/01/28 20:39
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今となっては、思い出せぬ。
ただの酔っぱらいの泣き上戸だったかも。
でも、年を経た大木ってのは……。
すがって泣きたい気分になるものです。