2009.10.17(土)
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それは……。
女子高時代の出来事だった。
確か、2年生の夏休みが終わろうとするころだった。
夏の終わりとも思えない、酷く暑い日だった。
美弥子は、家で宿題の仕上げをしていたのだが、折悪くエアコンが故障してしまった。
エアコン無しでは、とても過ごせない日だったので、すぐに母が業者に連絡を取った。
しかし、電話でのやり取りを聞いていると、すぐには来れそうもない様子だった。
美弥子は宿題を鞄に詰めると、母の背に断りを言って家を出た。
向かった先は、高校だった。
高校の学習室は、夏休み中も解放されていた。
もちろん、エアコンが付いている。
学習室は、思いのほか空いていた。
考えてみれば、この私立高校に通う生徒の家庭で、エアコンの無い家などあるはずが無かった。
涼だけを求めてここに来る生徒など、いるはずもない。
学習室の隣は職員室で、時折教師が覗きに来た。
私語ひとつできなかった。
息詰まるような静寂が、いつも張りつめている……。
そんな部屋だった。
気詰まりな空気を敬遠する生徒たちは、おそらくは市立図書館にでも行っているのだろう。
しかし美弥子は、学習室の雰囲気が嫌いでは無かった。
宿題は、思いの他はかどった。
2列ほど離れた席の少女が、少し気になったが……。
リボンの学年色から、1年生と判る少女だった。
しきりとこちらを見ていた。
しかし、宿題に集中しているうち、少女の姿はいつの間にか消えていた。
宿題が一段落ついたころ、ポケットで携帯が震えた。
母からのメールだった。
エアコンの修理が終わったという。
美弥子は宿題を鞄に詰め、席を立った。
夕暮れが近い廊下には、誰の姿も見えなかった。
斜めから射しこむ夕日が、窓枠の影を床に落としていた。
すっかり日足が短くなっていた。
夏が終わろうとしていることに、改めて気づかされた。
生徒玄関にも、誰の姿も見えなかった。
遠く、ヒグラシの声が聞こえていた。
下駄箱の前まで来たとき、美弥子の足が止まった。
美弥子の靴がある区画に、ひとりの少女がしゃがみこんでいたのだ。
学習室で、美弥子を見つめていた少女だった。
それは……。
女子高時代の出来事だった。
確か、2年生の夏休みが終わろうとするころだった。
夏の終わりとも思えない、酷く暑い日だった。
美弥子は、家で宿題の仕上げをしていたのだが、折悪くエアコンが故障してしまった。
エアコン無しでは、とても過ごせない日だったので、すぐに母が業者に連絡を取った。
しかし、電話でのやり取りを聞いていると、すぐには来れそうもない様子だった。
美弥子は宿題を鞄に詰めると、母の背に断りを言って家を出た。
向かった先は、高校だった。
高校の学習室は、夏休み中も解放されていた。
もちろん、エアコンが付いている。
学習室は、思いのほか空いていた。
考えてみれば、この私立高校に通う生徒の家庭で、エアコンの無い家などあるはずが無かった。
涼だけを求めてここに来る生徒など、いるはずもない。
学習室の隣は職員室で、時折教師が覗きに来た。
私語ひとつできなかった。
息詰まるような静寂が、いつも張りつめている……。
そんな部屋だった。
気詰まりな空気を敬遠する生徒たちは、おそらくは市立図書館にでも行っているのだろう。
しかし美弥子は、学習室の雰囲気が嫌いでは無かった。
宿題は、思いの他はかどった。
2列ほど離れた席の少女が、少し気になったが……。
リボンの学年色から、1年生と判る少女だった。
しきりとこちらを見ていた。
しかし、宿題に集中しているうち、少女の姿はいつの間にか消えていた。
宿題が一段落ついたころ、ポケットで携帯が震えた。
母からのメールだった。
エアコンの修理が終わったという。
美弥子は宿題を鞄に詰め、席を立った。
夕暮れが近い廊下には、誰の姿も見えなかった。
斜めから射しこむ夕日が、窓枠の影を床に落としていた。
すっかり日足が短くなっていた。
夏が終わろうとしていることに、改めて気づかされた。
生徒玄関にも、誰の姿も見えなかった。
遠く、ヒグラシの声が聞こえていた。
下駄箱の前まで来たとき、美弥子の足が止まった。
美弥子の靴がある区画に、ひとりの少女がしゃがみこんでいたのだ。
学習室で、美弥子を見つめていた少女だった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2009/10/17 07:46
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やっぱり……。
300回の挨拶が、あまりにも簡単だったんじゃないかと、反省……。
なので遅ればせながら、300回に至る過程を、心境の移り変わりなども交えて綴ってみることにします。
「Mikoko's Room」の節目記念として……。
50回到達のときには、『エロ本を拾った話(Mikikoのひとりごと)』を投稿しました。
当時は、小説の投稿を50回も続けられたということが、自分にとってすごく大きなことに思えました。
読者のコメントも入り始め……。
ブログとしてやっていけそうな予感を抱き始めたころでした。
で、読者への感謝の気持ちも込めて、『エロ本を拾った話』を掲載したわけです。
100回記念のときは、『わたしがエロ小説を書き始めたわけ(Mikikoのひとりごと)』を投稿しました。
この一文は、初心を忘れないうちに残しておきたかった文章だったので、ちょうどいい機会だと思って書きました。
数字が3桁に乗っても、まだ書き続けてる自分ってのに、ちょっと驚いてたころです。
しかし……。
記念投稿を行ったのは、その2回だけでした。
内視鏡検査を報告した130回のコメントあたりから、コメント量が膨張を始め……。
とても、記念イベントとして別文を書く余裕など、無くなってしまったんです。
このままじゃ、「Mikikoのひとりごと」は2話で終わっちゃうなと、忸怩たる思いでいたんですが……。
天啓のごときひらめきが起こりました。
すなわち、コメントを「ひとりごと」に昇格させる、というアイデアです。
これで、「Mikikoのひとりごと」が蘇りました。
最初に記念イベントとして投稿したた2つの文章も、今だったら、絶対にコメントにしてたと思います。
当時は、コメントが数行の時代だったので、コメントに長文を載せるという発想ができなかったのです。
さてさて、コメントから本文への昇格というアイデアを得て以来……。
「Mikiko's Room」のコンテンツは、みるみる増えました。
「紙上旅行倶楽部」、「Mikipedia」、「Mikiko's Garden」。
水増し、と言われれば一言もありませんが……。
苦労して書いたコメントは……。
読み返そうと思っても、コメントのままじゃ探すのがタイヘンです。
そんなふうに埋もれさせるのは、惜しいなって思った。
それに、本編記事に昇格させることにより、コメントの制約からも解放されるんです。
1つは、URLをいくつでも記述できること。
コメントでは、5つまでという大きな制約があります。
2つ目は、画像を表示できること。
コメントでも表示してるじゃん、と思われるかもしれませんが……。
あれは、正規のサービスじゃないんです(162のコメント参照)。
3つ目は、html文章が記述できること。
これによって、画像も表示できるわけですが……。
リンクアドレスやYouTube動画を埋め込みにできるので、文中にURLの表記が無くなり、すっきりしました。
なのでみなさん!
「コメント読んだからいいや……」
なんて言わないで、改めて、本編記事に昇格した文章(「Mikikoのひとりごと」「紙上旅行倶楽部」「Mikipedia」「Mikiko's Garden」)、読みなおしてみてくださいね。
それにしても、300回。
始めたころは、想像すらしなかった数字です。
50回くらいまでは……。
毎週末、1回から読み直して……。
直しを入れたりしてたんですけどね。
今はもう、とってもムリ。
原稿用紙にして、1,000枚くらいはいってるだろうから。
それにしても、未だにネタが尽きないってのは……。
よっぽど、わたしのエロは、業が深いんでしょうね。
いったい、この物語は、どこまで行くんでしょう?
でも、悲劇には絶対にしたくないんです。
昔、宣伝文句に「暗黒レズビアン」ってのを掲げてましたが……。
イネさんから、「悲劇を予感させる」というようなご指摘をいただき……。
すぐに看板を下ろしました。
悲劇はイヤなんです。
夢中で読んだ小説でも……。
最後の最後に、主人公に悲劇が待ってたりすると……。
もう、2度と読み返せなかった。
だから……。
由美と美弥子には、ずっと幸せでいてほしい。
小説としての深みは無くなっちゃうんでしょうが……。
それでもいいんです。
ずっとずっと、由美と美弥子の幸せは続きます。
ちょっとした行き違いくらいはあるでしょうが……。
実際、お互いに別の人とやっちゃいますしね。
でも、2人が顔を合わせれば、やっぱり堪らなく好きなんです。
最後にもう1度、「由美美弥」の基本をおさらいしてみたいと思います。
1.オトコは登場しない
2.悲劇にはしない
つまりは、自分の読みたいものを書くってこと。
読者のみなさま。
こんな「由美美弥」で良かったら……。
ぜひ、わたしと一緒に旅をしてください。
幸せな登場人物と、それを書ける幸せな作者と……。
そして、わたしの小説を楽しんでくださる読者のみなさんと……。
ひとつの客車を借り切って……。
みんなで、長い旅を続けていきませんか?
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2. 淡雪- 2009/10/17 07:53
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長い旅路をいきましょう。
お正月過ぎからのお付き合いだけど、とても、とても前から知っているような気がするのです。
不思議ですね。
お目にかかったこともないのに。
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3. Mikiko- 2009/10/17 08:57
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淡雪さんと知り合ってから、まだ1年も経ってないなんて信じられない気持ちです。
ずーっと昔から、愚痴を言い合ったり、秘密を打ち明け合ったりしてきたような……。
これはやっぱり、エロブログで出会ったという効能なんでしょうね。
一番恥ずかしいとこで、いきなり繋がっちゃったわけですから……。
ここで出会った人たちには、垣根が無いんですよ。
たとえば、私生活だったら……。
オナニーのことまで話せる仲になるには……。
よほど親しくならないとムリでしょう。
ていうか、わたしにはそんな友達、未だにいません。
それがここでは、初対面でいきなりオナニー話ですもんね。
私生活では何年もかかるであろう助走期間が、ここには無いんです。
ワープ航法みたいな感じかな。
だから逆に……。
恥ずかしい話をしあってるってことが……。
長ーく付き合ってきた結果のように思えるんじゃないかな?
ともあれ!
これからも、よろしくお願いしますね。
淡雪お姉ちゃん。
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4. Mikiko- 2009/10/17 13:10
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ずっと付いて行くと言ってくれてた黒羊さんを……。
わたしの無思慮な振る舞いで失ったのは……。
フェムリバさん!
ほんとうに、ずっと付いて来てね。
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5. Mikiko- 2009/10/17 19:10
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「【特選】相互リンクのお部屋(https://mikikosroom.com/archives/2574561.html)」に……。
「おしっこ我慢NAVI」さんをお招きしました。
みなさま、ぜひご訪問ください。