2009.7.10(金)
いよいよその時が来たことを、由美も悟ったのだろう。
懸命に美弥子を見上げる瞳が、練乳に浮かぶ餡のように膨らんだ。
キャンドルの灯りが、瞳に揺れていた。
「由美……。
わたしの由美。
いくよ。
いくよ。
いい?」
由美は小刻みに頸を動かした。
震えにも似たうなずきだった。
「由美。
わたしのものになって!」
美弥子は、由美の肩を引きつけながら、一気に腰を沈めた。
亀頭は、一瞬の抵抗に遮られたが、刹那に自由を得た。
ずぶずぶと埋まっていく。
処女膜を突き抜けたのだ。
「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
由美の口から、悲鳴が迸った。
全身が魚のように跳ねる。
美弥子は、覆い被さるようにして跳躍を押さえた。
悲鳴が途切れると、由美の口からは泡が噴き零れ始めた。
瞳が、上瞼に隠れようとしていた。
美弥子は、引きつけた肩を揺さぶった。
「由美、由美。
わたしたち、ひとつになったよ。
わかる?
お腹の中に、わたしが入ってること」
虚空を泳いでいた瞳が中央に戻り、美弥子を真っ直ぐに見つめた。
目尻から、涙が零れた。
「わかるよ……。
すっごく熱い。
熱くて……、熱くて太いのが、由美のお腹に入ってる。
美弥ちゃんが入ってる……」
美弥子は、耳に流れ入ろうとする由美の涙を、舌で舐め取った。
由美の両脚が、腰に絡むのを感じた。
両脚は、力強く美弥子の腰を締めつけてきた。
「もっと深く……。
美弥ちゃん、もっと来て……」
懸命に美弥子を見上げる瞳が、練乳に浮かぶ餡のように膨らんだ。
キャンドルの灯りが、瞳に揺れていた。
「由美……。
わたしの由美。
いくよ。
いくよ。
いい?」
由美は小刻みに頸を動かした。
震えにも似たうなずきだった。
「由美。
わたしのものになって!」
美弥子は、由美の肩を引きつけながら、一気に腰を沈めた。
亀頭は、一瞬の抵抗に遮られたが、刹那に自由を得た。
ずぶずぶと埋まっていく。
処女膜を突き抜けたのだ。
「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
由美の口から、悲鳴が迸った。
全身が魚のように跳ねる。
美弥子は、覆い被さるようにして跳躍を押さえた。
悲鳴が途切れると、由美の口からは泡が噴き零れ始めた。
瞳が、上瞼に隠れようとしていた。
美弥子は、引きつけた肩を揺さぶった。
「由美、由美。
わたしたち、ひとつになったよ。
わかる?
お腹の中に、わたしが入ってること」
虚空を泳いでいた瞳が中央に戻り、美弥子を真っ直ぐに見つめた。
目尻から、涙が零れた。
「わかるよ……。
すっごく熱い。
熱くて……、熱くて太いのが、由美のお腹に入ってる。
美弥ちゃんが入ってる……」
美弥子は、耳に流れ入ろうとする由美の涙を、舌で舐め取った。
由美の両脚が、腰に絡むのを感じた。
両脚は、力強く美弥子の腰を締めつけてきた。
「もっと深く……。
美弥ちゃん、もっと来て……」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2009/07/10 07:33
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思いっきり、季節外れですが。
モクレンの話をします。
普通にモクレンと言った場合は、紫色のモクレン、シモクレンを指すようです。
でも、白いモクレンを思い浮かべる方も多いんじゃないでしょうか?
正式な名前は、ハクモクレン。
今日のお話も、このハクモクレンの話。
わたしは、新しい環境に馴染むのがヘタで……。
新学期はいつも切ない思いで過ごしてたってことは、何度か書きました。
で、その時期に咲くソメイヨシノは、わたしにとって哀しい花だったって話も。
実は、もうひとつ、そんな気分で見上げていた花があります。
それが、ハクモクレン。
ソメイヨシノは、学校で咲いてたんだけど……。
ハクモクレンは、通学路で咲いてました。
新潟では、ソメイヨシノとハクモクレンは、ほぼ同じ時期に咲くんです。
通学途中、そこここの庭先で、ハクモクレンが咲いてました。
ソメイヨシノの透き通るような花が、頼りない気持ちにさせるのとは対照的に……。
ハクモクレンの花は、ぼってりと厚くて。
気持ちまで重たくなるようでした。
http://blog-imgs-24.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20090704081143953.jpg
実は昔、家にも大きなハクモクレンの木があったんです。
父が植えた木でした。
春休みに、蕾がふくらんでくるのを見ると……。
また新学期が始まるんだって、気持ちが沈んでいったものです。
今、その木はありません。
東京で就職して、帰省したとき。
家の窓が妙に明るく感じた。
空が見えます。
空を覆っていたハクモクレンが、無くなってたんです。
母に尋ねると。
父が、植木屋を呼んで切らせてしまったとか。
いつか自分は、この木で首を括ることになる……。
父はそう言ったそうです。
そのころの父は、すでにアルコールが脳に回ってたようで、ときおり妙な言動をするようになってました。
突然、リスを飼い出したり。
自伝を書くといって、ノートを百冊も買ったり。
結局、リスも逃がしてしまい、ノートも白紙のまま死んでしまいましたけど。
ハクモクレンは苦手な花だったので……。
木が切られたと聞いても、「ふーん」というくらいの感じでした。
でも……。
なぜか今でも、夢に出て来るんです。
幻肢痛のようなものなのでしょうか……。
失われた手足が痛むように、切られた木が庭で痛んでるような……。
考えてみれば、立派な木だったんです。
幹は、人の首くらいの太さがありました。
花の時期は、屋根が真っ白に覆われたほど。
今でも、夜中にトイレに起きたときなんか……。
ふと小窓の外を覗いてみたりします。
あのハクモクレンが、大きく枝を広げてる気がして……。
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2. 淡雪- 2009/07/10 07:54
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わたくしにとって、ハクモクレンは春休みの花です。
ハクモクレンを見て、きゅんとくるのは、高校を卒業して、大学1年生になる間の春休みのことを思い出すからかもしれません。
先に大学が決まっていたわたくしは、受験が終わっても結果待ちの彼とデートも電話もできずに、ひたすら、合格発表を心待ちにしておりました。
そわそわと落ち着かない胸のまま、時間をやり過ごすように、お天気のよい日は散歩に出ました。
おおきな咲きかけのハクモクレンを見上げるように歩くと、
日に日につぼみは膨らみはにかんだように開くさまは、これからのわたしたちの日々への期待と相まって、胸を震わすような初々しさがありました。
お散歩から帰るのをまるで待っていたようなタイミングで合格を知らせてくれる電話がありました。
てれくさく眩しい、若かったあのころの思い出です。
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3. 淡雪- 2009/07/10 18:37
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100冊のまっしろなノートはその後どうなりました?
自分を語るのに100冊要ると判断されたので、用意されたのでしょうか。
なんかそのときの勢いで100冊!だったんでしょうね。
わたしも最近死ぬときのことをちらちら思い浮かべたりします。
片付けに拍車がかかるときってのは、そういうときです。
自分も片付いてしまいたい願望。。。ないともいえないのが、怖いところかも。
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4. Mikiko- 2009/07/10 20:13
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ひとつの花にも、思い出は人それぞれですね。
纏わる思い出によって、花の印象も違ってくるのでしょう。
わたしにとってのハクモクレンは、まさしく春愁そのものでしたが……。
淡雪さんの胸に灯るハクモクレンは……。
恥じらいを含んだ、初々しい光に満ちているようですね。
フェムリバさんが涙で見上げたハクモクレンは……。
子供時代の墓標だったのでしょうか。
父が残した100冊のノートは……。
わたしが10冊くらいもらって……。
もう10冊は、お棺に入って……。
残りは、母が日記帳にするって言ってたけど……。
とても書ききれるもんじゃないよね。
もしまだ捨てずに持ってるとしたら……。
母のお棺に入ることになるでしょう。
わたしが先なら、わたしのお棺か……。
> 淡雪さん
坂口安吾が薬でラリッてるとき、カレーライス100人前注文したりしたそうです。
父のノートも、そのたぐいでしょう。
> フェムリバさん
自分を跡形もなく消してしまうには……。
親殺しのパラドックスを使うしかないか?
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5. 淡雪- 2009/07/10 21:31
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そうは言っても、もったいながりのわたくしは、ほんの数ページ書いただけで放置・・・という使い方の子供たちのノートを捨てられずに、ノートやメモにしております。
長生きしてもやっと使いきれるかどうかしら。
紙類の整理が一番困るのよ。
本や雑誌はつい読みふけってしまうし。
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6. Mikiko- 2009/07/10 22:01
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> フェムリバさん
タイムマシンじゃないけど……。
タイムスリップもので、石川英輔の「大江戸神仙伝」ってシリーズが面白かった。
暇つぶしに読むには、最高です。
長生きするのはいいけど……。
レズのババア同士ってのは、何だかなぁ。
> 淡雪さん
「由美美弥」は、紙に印刷してから推敲してます。
いちおう、画面上で推敲するんですけど……。
最後は、やっぱり紙に出さないと感じがわからない。
片面印刷して推敲した紙は、もう一度プリンタに入れて、裏でも印刷します。
それでようやく、シュレッダー行き。
父のノートは、綴じてある大学ノートタイプだから、使いづらくて……。
ルーズリーフ買ってくれりゃ良かったのに。