Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 0173
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 永遠に続くかと思われた煉獄の日々は、唐突に終わりを告げた。

 女教師が死んだのだ。

 事故だった。
 小雨の降り続く夕刻……。
 学校近くのS字カーブだった。
 女教師の運転する赤いクーペは、センターラインを越えて突っ込んできた大型トラックと、真正面から激突した。
 赤いクーペは激しく炎上し、美弥子を苛んだ肉体は、その場で骨になった。

 事故の日も、美弥子の携帯には呼び出しメールが入っていた。
 しかし、重い生理に苦しんでいた美弥子は、どうしても女教師の前に性器を曝す気にはなれなかった。
 美弥子は放課後、黙って帰宅した。

 あの日、女教師の命に従っていれば……。
 あの時間、女教師がクーペを駆ることは無かった。

 自分が殺した……。

 美弥子は苦しんだ。
 もちろん、女教師を愛していたからではない。
 憎んでいたからこそ、苦しんだのだ。
 ただ、「自分が殺してしまった」という事実だけが、冷たく美弥子を浸した。
 そこは氷の海だった。

 しかし、時と共に、自分の心ではなく、身体が悲しみ出したことに気づいた。
 あの指を、あの唇を失ったことを、身体が悲しみ始めていた。
 誰からも触れられなくなった身体が、悲鳴を上げていた。

 新たな煉獄の日々が始まった。

 夜ごと、狂ったようにオナニーに耽った。
 それでも昼間、身体は泣き出した。

 ある日の放課後。
 ついに耐えきれなくなった美弥子は、保健室に忍び込んだ。
 新しい養護教諭はまだ赴任しておらず、保健室は無人だった。

 そっと物入れを開けた。
 空のままだった。
 微かな尿臭もそのままだ。
 隣のロッカーを開いた。
 女教師の白衣が、まだ下がっていた。
 一枚を取り出す。

 小さな白衣だった。

 突然、美弥子の頬を涙が伝った。
 女教師が死んでから、初めて流れる涙だった。

「先生……」

 美弥子の涙が白衣に落ちた。
 白衣には、そこここに染み跡があった。
 この白衣に涙を零しに来たのは、美弥子だけではなかったのだ。

 美弥子は、泣きながら全裸になった。
 白衣を抱き締めて物入れに入った。

「ごめんなさい!
 ごめんなさい、先生。
 許して……。
 美弥子を許して」

 白衣に顔を埋め、泣きながらオナニーした。

 保健室を後にするとき、美弥子の顔からは表情が消えていた。
 その日を境に、美弥子は誰からも心を閉ざした。

 そう、この日、由美と出会うまで……。
由美と美弥子 172目次由美と美弥子 174




コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2009/04/12 07:41
    •  保健室シーン、ついについに完結しました。
       思えば、保健室のシーンが始まったのは、第25回のことでした。
       25回を投稿したのは、昨年の7月16日。
       それから今日まで、回数にして149回、期間にして9ヶ月弱……。
       原稿用紙に換算すると、500枚近い分量になるかと思います。
       長かった……。
       長すぎました。
       それは自分でもわかってたけど……。
       筆が止まらなかった。
       この保健室シーンを書き始める前は、ほんとにちょっとした寄り道のはずだったんです。
       美弥子が、パイパンの女性にトラウマを持ってるって事情だけ書いたら、すぐに女子大トイレに戻るはずだった……。
       それが、戻れなくなったんです。
       すべては、女教師さんのせい……。
       最後まで固有名詞を与えなかったことからもおわかりのように、この女教師、ほんのちょい役のつもりで出しました。
       ところがあなた、思いがけない大活躍始めて、9ヶ月も居座っちゃった。
       いえ、女教師のせいにしちゃいけませんね。
       わたしのせい。
       わたしが、この女教師さんに惚れちゃったせい。
       この女教師は、わたしの理想の女性なんです。
       こうなりたいっていう理想じゃありませんよ。
       こんなふうに責められたいって願いを、すべて叶えてくれる人だったんです。
       だから、わたしのほうで離れられなくなった。
       これが、保健室が長引いた真相。
       でも、もう止めなきゃって思った。
       まだいくらでも書けちゃうけど、これ以上やったら、小説自体を壊してしまうって……。
       で、女教師さんにお別れを言うことにしました。
       生きてられると未練が尽きないので、殺すしかありませんでした……。
       女教師さん、ご苦労さまでした。
       心から愛してました。
       さて、次回から、ようやく女子大トイレに戻ります。
       2008年7月13日投稿の、第24回に続くシーンが始まります。
       視点の主は、由美です。

    • ––––––
      2. もんぷち
    • 2009/04/12 14:22
    • 衝撃的な結末でした…
      最後は「女教師と美弥子が愛欲に耽っている…→他教師に見つかる→事情を聞かれた美弥子は、女教師から持ちかけられた関係だと話してしまう→女教師は教壇を去る」くらいかと思ってましたが…。
      まさか殺してしまうとは…。
      激しい恋愛をしてきたmikikoさまならではですね。
      忘れるべき人の存在を心の中で殺すのだって苦しいのに、理想の女性を(小説の中とはいえ)殺すのは辛かったでしょう。
      読者の反応も気になるかとは思いますが、書きたいだけ膨らませたい気持ちもあってもよいと思いますよ…φ(..)
      この後、「嘆く美弥子を後ろから抱き締める万里亜様…2人は女教師のくれた快感を思い出すように貪りあう」とか「嘆く美弥子を物陰から見つめ、女教師のかわりに攻め立てるキャプテン」とか、膨らみに膨らんでしまう、学校というストーリー性のある舞台。
      いつか番外編でその後の学園物語とかどうですか?
      ひとまずお疲れさまでした\(^o^)/

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2009/04/12 17:54
    •  休み時間に読んでくれたのかな?
       しかも、携帯から長文のコメントまで入れてくれて……。
       いつもやさしいね。
       ありがとう。
       ひどく辛かったけど……。
       自分の気持ちにケジメをつけるためには、殺すしかありませんでした……。
       ははは。
       実生活でこれやったら、タイヘンですよね。
       しかし、こんなことできちゃうのって、ほんと作者の特権だよね。
       なんでも出来るんだって、少し怖くなりました。
       小説を壊してしまうことだって、簡単にできる……。
       番外編の件。
       いいね!
       保健室なら、いくらでも書けるし。
       それに、万里亜さまの生徒会室の中も、ホントは書きたかったんだ。
       ああ、身が2つあればなぁ。
       片っぽで由美美弥の蜜月書いて、もう片っぽで学園物語書けるのに……。

    • ––––––
      4. shiku
    • 2009/04/12 19:36
    • おつかれです。。Mikiko姫。
      …まさか死ぬなんて‥あまりのビックリさに、、コメント書いております。
      本当に女教師サマ…Mikiko姫おつかれさまでしたm(_ _)m。。

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2009/04/12 19:48
    •  なんで急に姫なの?
       どっちかっていうと、毒リンゴ食わせる意地悪な王妃キャラだろ?
       そんなにびっくりした?
       でも、美弥子が記憶を扼殺するほどのトラウマ抱えたわけだからさ。
       ありきたりな別れじゃ、収集つかんでしょ……。
       ケータイ小説だと、やたらと登場人物が死ぬみたいだけどね。
       できればMikiko姫は、登場人物を殺したくありません。
       みんな、わたしの分身だから。
       これだけは誓いますが、由美と美弥子は絶対に殺しません。

    • ––––––
      6. 淡雪
    • 2009/04/12 21:31
    • ほんの数日事情でこちらにこれなかったのですが、(律儀なわたしは欠席届提出済み)とてもびっくりしました。
      死んでしまったのね。しかも事故で。(TT)
      ハト派のわたしには、考えられない展開でした。
      保健室のセンセイのご冥福をお祈りいたします。

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2009/04/12 21:53
    •  欠席届は受領済みでした。
       いつも真っ先に入る淡雪さんのコメントが無いので、読者のみなさんのほうが心配したんじゃないですか?
       ひょっとしてあの女教師は、淡雪さんじゃなかったのかって思った人も……。
       でも、女教師の死って、そんなに以外でした?
       3人とも、すごい驚かれたみたいで……。
       わたしのほうが、ちょっとびっくり。
       でも、考えてみれば、9ヶ月も主役を張ってきたんですからね。
       主演女優の死。
       やっぱ、インパクトあるか……。
       今日、4月12日は、女教師忌として、長く偲んでいきたいと思います。
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