2008.10.27(月)
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目を覚ましたとき、美弥子は奇態な姿勢をとっていた。
最初はどうなっているのか、自分でも理解できなかった。
目の下にシーツが見えた。
ベッドの上にいることは確かだ。
しかし、シーツと目の間には距離があった。
夢の続きだろうか。
自分はベッドから少し浮き上がって、シーツを見下ろしている……。
顔を上げてみる。
そこにはもう一人、美弥子がいた。
自分が、こっちを見ている。
驚いた顔をしていた。
混乱は一瞬だった。
ベッドのすぐ前に、薬品棚のガラス扉があったのだ。
どうやら、ベッドの位置が変えられているらしい。
ガラスに映る美弥子は、相変わらず全裸だった。
頭の上に、尻が見えていた。
尻の方が高くなっているという自覚はあったが、それを正面から見た姿は奇怪なものだった。
ベッドを見下ろしている仕掛けが、理解できた。
美弥子の身体の下には、マットが差し込まれていたのだ。
ロール状に巻かれた厚いマットが、美弥子の身体を載せていた。
ロールケーキのような断面が、顎の下にあった。
手足を動かそうとしたが、それがほとんど叶わないことを知った。
両腕はベッドを大きく抱くように拡げられ、手先はベッドの縁から消えていた。
見えない指先を動かしてみる。
どうやら手首が、ベッドの骨組に戒められているらしい。
頚を後ろに巡らすと、膝にもロープが巻き付いていた。
両脚はマットを挟み込んでいる。
ロープの先は、ベッドの下に消えていた。
やはり骨組に括られているようだ。
尻が高くなっている仕組みも理解できた。
膝下から後ろにかけて、もう一枚、畳まれたマットが挿し込まれていたのだ。
ロール状のマットの上に、尻高に俯せにされ、両手両脚をベッドに固定された姿だった。
馬の背に抱きついたような姿勢である。
動くのは頚から上と、膝から下だけだった。
目を覚ましたとき、美弥子は奇態な姿勢をとっていた。
最初はどうなっているのか、自分でも理解できなかった。
目の下にシーツが見えた。
ベッドの上にいることは確かだ。
しかし、シーツと目の間には距離があった。
夢の続きだろうか。
自分はベッドから少し浮き上がって、シーツを見下ろしている……。
顔を上げてみる。
そこにはもう一人、美弥子がいた。
自分が、こっちを見ている。
驚いた顔をしていた。
混乱は一瞬だった。
ベッドのすぐ前に、薬品棚のガラス扉があったのだ。
どうやら、ベッドの位置が変えられているらしい。
ガラスに映る美弥子は、相変わらず全裸だった。
頭の上に、尻が見えていた。
尻の方が高くなっているという自覚はあったが、それを正面から見た姿は奇怪なものだった。
ベッドを見下ろしている仕掛けが、理解できた。
美弥子の身体の下には、マットが差し込まれていたのだ。
ロール状に巻かれた厚いマットが、美弥子の身体を載せていた。
ロールケーキのような断面が、顎の下にあった。
手足を動かそうとしたが、それがほとんど叶わないことを知った。
両腕はベッドを大きく抱くように拡げられ、手先はベッドの縁から消えていた。
見えない指先を動かしてみる。
どうやら手首が、ベッドの骨組に戒められているらしい。
頚を後ろに巡らすと、膝にもロープが巻き付いていた。
両脚はマットを挟み込んでいる。
ロープの先は、ベッドの下に消えていた。
やはり骨組に括られているようだ。
尻が高くなっている仕組みも理解できた。
膝下から後ろにかけて、もう一枚、畳まれたマットが挿し込まれていたのだ。
ロール状のマットの上に、尻高に俯せにされ、両手両脚をベッドに固定された姿だった。
馬の背に抱きついたような姿勢である。
動くのは頚から上と、膝から下だけだった。