2008.7.18(金)
思いもかけなかった言葉に、美弥子はうろたえた。
ここを訪ねたのは、効力のある便秘薬でも貰えたらと思っていたからだった。
「どうしたの?
お浣腸は初めて?」
「先生、あの、飲むお薬を頂けませんか?」
「あなたくらいの重症になると、飲み薬じゃ、おそらく出ないでしょうね。
薬を飲んで出ないと、苦しむだけよ」
「でも……。
お家で飲んでみます」
「それでも出なかったら?
明日また、そんなお腹抱えて学校に来なきゃならないのよ。
大室さん。
あなた、もう我慢できないから、ここに来たんでしょう?」
その言葉に美弥子は俯いた。
女教師の言うとおりだった。
確かに、もう我慢できなかった。
でも、浣腸なんて。
返答に困った美弥子は、傍らのトイレに再び目を留めた。
「あの、先生。
ここでお薬を飲ませてもらって、ベッドで休ませてもらうわけにはいかないでしょうか?
おトイレの側にいれば、きっと出そうになると思うんです」
「それで放課後までに出なかったら?
学校に泊まり込むわけにはいかないでしょ。
そしたら、大室さん。
あなた、下剤を飲んだまま帰らなくちゃならないのよ。
もし、下校途中で効いてきたらどうするの?」
美弥子は再び俯いた。
美弥子の家までは、電車とバスを乗り継いで小一時間はかかる。
それでも電車に乗っている間なら、なんとかなる。
駅ごとにトイレがあるから、一駅だけ我慢すればいい。
しかし、バスに乗ってから催してきたら絶望的だった。
美弥子は、車窓から見える風景を思い出していた。
美弥子が乗るのは住宅街を巡る路線で、どこで降りても公衆トイレなど無い。
かといって、見ず知らずの家のトイレを借りるなどということが、自分に出来るとは思えなかった。
小さな敷地の建売住宅が連なる街では、身を隠す場所とて無いだろう。
美弥子は、衆人環視の中で大便を漏らす自分を想像し、大きくかぶりを振った。
ここを訪ねたのは、効力のある便秘薬でも貰えたらと思っていたからだった。
「どうしたの?
お浣腸は初めて?」
「先生、あの、飲むお薬を頂けませんか?」
「あなたくらいの重症になると、飲み薬じゃ、おそらく出ないでしょうね。
薬を飲んで出ないと、苦しむだけよ」
「でも……。
お家で飲んでみます」
「それでも出なかったら?
明日また、そんなお腹抱えて学校に来なきゃならないのよ。
大室さん。
あなた、もう我慢できないから、ここに来たんでしょう?」
その言葉に美弥子は俯いた。
女教師の言うとおりだった。
確かに、もう我慢できなかった。
でも、浣腸なんて。
返答に困った美弥子は、傍らのトイレに再び目を留めた。
「あの、先生。
ここでお薬を飲ませてもらって、ベッドで休ませてもらうわけにはいかないでしょうか?
おトイレの側にいれば、きっと出そうになると思うんです」
「それで放課後までに出なかったら?
学校に泊まり込むわけにはいかないでしょ。
そしたら、大室さん。
あなた、下剤を飲んだまま帰らなくちゃならないのよ。
もし、下校途中で効いてきたらどうするの?」
美弥子は再び俯いた。
美弥子の家までは、電車とバスを乗り継いで小一時間はかかる。
それでも電車に乗っている間なら、なんとかなる。
駅ごとにトイレがあるから、一駅だけ我慢すればいい。
しかし、バスに乗ってから催してきたら絶望的だった。
美弥子は、車窓から見える風景を思い出していた。
美弥子が乗るのは住宅街を巡る路線で、どこで降りても公衆トイレなど無い。
かといって、見ず知らずの家のトイレを借りるなどということが、自分に出来るとは思えなかった。
小さな敷地の建売住宅が連なる街では、身を隠す場所とて無いだろう。
美弥子は、衆人環視の中で大便を漏らす自分を想像し、大きくかぶりを振った。