Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
元禄江戸異聞 根来(三十)
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「元禄江戸異聞 根来」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(三十)


「あ……や、やめなさい!」
「十五六のおぼこ娘じゃあるまいし、今さら何を言ってるんだい。さあこんなもの……もう……ほら! 脱いじまいな」
 畳の上で二人の女が揉み合っていた。
 勝ち気で肉付きのいいお竜は、髷を乱して体ごと伊織に絡みついていく。
 それを辛うじて受け流している伊織ではあったが、徐々に着物の胸元が開き、その腰帯が緩んでいくのも確かだった。
 伊織にとってお竜を突き放すことなど容易いことではあったが、そんなことをすれば屋敷内で若の居場所を探す手立ては潰えてしまうのである。
「もういい加減に覚悟を決めて……う……ん!」
 上気した顔を胸元に押し付けると、お竜はその両手を伊織の腰のくびれから背中に回した。
「あ、や、……やめ……」
 身を反らせてお竜から逃れようとした伊織は、身にまとった着物がふと緩むのを感じた。
 お竜の両手で帯の結び目が解かれたに違いなかった。
「ちょ、ちょっと……まって……」
 慌てて身を逃す間もあろうことか、訳もなく胸元が開いて、微かに胸が膨らみかける辺りにお竜の顔が押し当てられる。
 開いた胸元から一斉に立ち昇る熱気がお竜の顔を包みこんだ。
「う~ん……」
 お竜は意外に色気のある眼差しを閉じると、甘酸っぱい伊織の体臭を大きく吸い込む。
 愉悦がお竜の背筋を震え上がった。
 “たまらなくいい女……”
 夢中で幼子がむずがるように顔を押し入れていくと、もうその鼻先は乳房のふくらみの中程から脇の下へとめり込んでいく。
 お竜の右手が伊織の襟元を掴んだ。
 “もう……仕方がない……”
 伊織は胸の内でそうつぶやく。
 うなじから力が抜けると同時に、蝶のかんざしが御髪から畳の上に抜け落ちた。
 左の乳首が外に晒されるのを感じながら、伊織は眉を寄せてその切れ長の目を閉じたのである。

 出来れば身体を許す事は避けたかった。
 男相手であれば目をつぶって我慢をしているうちに、早晩嵐は過ぎていくのに違いない。
 だが伊織も承知しているように、女同士ではそう簡単に事は済まないのだ。
 特に素人から玄人まで女同士の色事を知り尽くしたお竜のことである。
 相手を喜ばす術を尽くして骨抜きにせねば、簡単に自分だけ満足するはずはなかった。
 建て前はともかく、身体の煩悩はお竜の毒牙に屈してしまうかもしれない。
 そう思うと身が寒くなるのを覚える伊織であった。

「やっとおとなしくなったようですねえ……」
 胸元の声に目を開くと、欲情に目を輝かせたお竜が伊織の顔を見上げていた。
「こんなきれいな身体は滅多に見れやしない。これで子供を産んだだなんて、本当に上品なお乳……」
 今にも頬ずりしようとするお竜の目の前で、伊織は急いで左の乳房の上に合わせの襟を引き寄せた。
「そ、その前にお願いがあります」
「分かってますよう。あたしの好きにさせてくれりゃあ、お足なんざいくらでも……」
 そう言いながらまた合わせを引き開けようとするお竜の右手を伊織は掴む。
「お願いです。四五日私をここに置いていただきたいのです」
「四五日ここに……?」
 お竜は訝しげな眼差しで伊織の顔を見つめた。
 身を任せることまで覚悟していた伊織ではあったが、その前に取付けねばならないことがあった。
 数日この屋にとどまり、その間に機を狙って若の居所を確かめたかったのである。
「旦那様には実家に帰って金子の工面をして参りますと出て参りましたが、もう隠居した父の実家にそのような工面がつくはずもなく、途方にくれた挙句にこちらに……」
「ふうん……それは大変でしたねえ……」
 いかにも同情するように眉を寄せたお竜は、また伊織の合わせに手を添えながら言った。
「いいですとも、そんなことはお安い御用で。でもそのかわり……」
 身をずりあげるとお竜は伊織の耳に顔を寄せた。
「奥さま……、あたしのものになってくれますね?」
 耳をなぶる熱い吐息に、伊織は固く目を閉じた。
「え? ……どうなんです?」
 唇をかんで伊織は小さく頷いた。
 何故かお竜の顔に小意地の悪い笑みが浮かぶ。
「何だかよくわかりませんねえ……。抱いてと言ってくださいよ」
 合わせの襟を掴んだ伊織の手に力が込められる。
「言わなきゃ、この話もご破算だ。さあ言うんだよ、あたしの好きにしてって!」
 伊織の唇が微かに震えた。
「す……すきにしてください……」
 お竜の顔がにんまりとほころぶ。
「うっふふふ……、わかりました。じゃあ、ちょっとお待ちを……」
 お竜は伊織の両脇に手をついて立ち上がる。
 まだ目を閉じて横たわったままの伊織を見下ろしながら、お竜はゆっくりと自分の帯を解き始めた。
「あとで奥さまも脱がしてあげますからね。やっぱり女同士は生まれたまんまの姿で肌を合わすのが一番……」
 伊織は薄目を開けてお竜の様子を見た。
 渡世稼業で凄みのある顔の下に、意外にも均整の取れた三十路の体があらわになっていく。
 片手に余る程の乳房のふくらみから程よくくびれた腰回りにつながって、まさに女盛りの色香を感じさせる。
 腰巻が揺れ落ちて黒々と艶のある陰毛が目に入ると、伊織は再び静かに目を閉じた。

 お竜は胸の内からゆっくりと熱い息を吐いた。
「きれいな身体……」
 仰向けのまま広げられた合わせの中に、抜ける様に白くしなやかな女の身体が輝いている。
 手で触れることが出来ぬ美しさを前に、お竜は初めての戸惑いを覚えていた。
 もう観念した相手は顔を横に向けて、閉じた目に煙るまつげを震わせている。
 片手に収まるほどの上品な胸の膨らみも、小ぶりだが弾むような臀部の双丘も、もうお竜の思いのままであるはずだった。
 しかし片手を伏せた端から垣間見える淡い茂みでさえ、いつものようにお竜の情欲を掻き立てるどころか、己が裸身を隠したくなるような気品を漂わせているのだ。
「お、奥様……」
 お竜は柄にもなく胸を隠していた伊織の右手を両手で掴んだ。
 淡い朱色の彩を添えた控えめな膨らみが露わになる。
 その母性を象徴する彩は、まだ女らしい柔らかみに埋もれたままであった。
 何故かお竜は、伊織に両手を回してしっかりと身体を抱きしめる。
 相手はほぼ自分と同じ年頃である。
 お竜はもう既に亡くしてしまった自分自身を抱き締めているような気がした。
 しかし伊織の髪の臭いを嗅ぎながら乳房を押し付けているうち、少しずつ自分の乳首が血を集めて、女陰が湿り気を帯び始める。
 お竜の身の内に再び熱い肉欲の炎が燃え付いた。
 やおら身を起こすと伊織の身体をうつ伏せに転がす。
「ああもうたまらない……。たっぷり身体中可愛がってあげますよ」
 震える声でそう言うと、お竜は伊織の引き締まった尻の上に顔を伏せた。

「あ、……うう!」
 尻の割れ目からから背筋の窪みへと舐め上げられて、伊織は小さなうめきを漏らした。
 そのまま窪みに沿って舐め上がるかと思われた熱い舌が止まって、尻のえくぼあたりにお竜の唇が吸い付く。
「う……!」
 伊織は背筋に力を込めて眉を寄せた。
 こんな急所を責めるのは女ならではである。
 お竜の唇が吸い付いた場所から、身体の琴線に愉悦の疼きが送り込まれてくる。
 この睦みごとは、好いた惚れたに関係なく女を喜ばす獣の絡みに違いなかった。
 伊織は身の疼きに顔を歪めながら、この後自分がお竜からどう扱われるか薄々分かる気がした。
 恐らくさんざん身体中に火をつけられた挙句に何度も果てさせられ、お竜自身は涙ながらに許しを請う相手と最後に極みを共にするつもりなのかもしれない。
「あは……」
 下から伸びあがってきたお竜の両手に乳房を覆われて、伊織は背を逸らして小さな声を上げた。

 強面の気性に反してお竜の指先は優しかった。
 相当色事に通じているのか、この女の怖いところは欲望に任せて相手を貪って来ないところであった。
 わずかな身の捩りさえ見逃さずに弱みをなぞってくる。
 両の乳房を手であやされながら、伊織は背中にお竜の乳房が押し付けられるのを感じた。
 耳元に熱い吐息を感じた途端、
「たまらないよ、奥様の抱き心地は……。ねえ、気持ちいいかい……?」
 興奮に震えるお竜のささやきが聞こえた。
「い、いや……」
 伊織はむずがるようにそう答えた。
 しかしもう朱色を強めて弾き立っているのだろう、両の乳首がぷりぷりと弾む感触をお竜の指先に与えているのが分かる。
 自分の下半身が熱く火照り、じっとりと湿り始めているのを感じる。
 悔しいがまるでお蝶の様に、いや、好き合うたお蝶以上にお竜は達者かもしれなかった。
 お蝶に愛された身体の急所も、お竜は逃さず探し当ててくるのである。
 二人だけの愛技の場所を暴かれる度に伊織は唇を噛んだ。
 しかし同時に伊織は、耳元で聞いた言葉の震えにお竜の興奮も気づいた。
 相手は伊織にこの上もなく欲情しているのは間違いなかったのである。
 そう考えれば、快楽に我を忘れたふりをしてお竜にまとい付き早く気を遣らせることも可能ではないかと伊織は思った。

 そこまで思い及んだ時、
「あ……!」
 背中から抱かれていた身体が横向きに廻された。
 左脇下から回ったお竜の左手に左の乳房が覆われる。
「可愛いいお乳だねえ……」
「や、やめて……」
 眉を寄せた伊織の細い顎がお竜の右手に掴まれる。
 そのまま引き寄せられて唇を奪われそうになった伊織は、必死に顔を振ってその唇から逃れた。
「ふふん」
 伊織の仕草を鼻先で笑ったお竜は、右足を上から伊織の右足の前に廻す。
「いつまでそのやせ我慢が続くかねえ」
 お竜の右足が絡まって伊織の太ももが引き開けられた。
 顎を掴んでいた右手が伊織の右の乳房を包み込む。
「や、やめて……」
 改めて乳首を揉み起こされて伊織は裏返った声を上げた。
 これ以上ないほど強張った乳首を確かめると、お竜の右手がゆっくりと肌をなぞりながら下に降りていく。
「奥様……、あなたひょっとして、まさかこんなのがお好みでは……?」
 みるみる薄赤く肌を紅潮させた伊織の耳元に、お竜の湿ったささやきが聞こえた。
 伊織の背筋に冷たい震えが走った。
 蔑まれながらお蝶に極めさせられた農具小屋の記憶が、鮮やかに脳裏によみがえったからである。
「あっははは、なんだ図星ですか、あははは……」
「ち、違います!!」
「ふふふ、そうですかあ? じゃあ、あたしがちょいと確かめてあげましょうか。まずはと……このあたりから……」
 伊織の耳に唇を擦りつけながら、お竜の指先がやわやわと伊織の薄い陰りを弄び始める。
「やめてっ」
「うふふ、そんなこと言いながら、もうすっかり濡らしてるんじゃないでしょうね。もし嫌がりながら濡らしてたら……なんていやらしい女……」
 伊織はお竜の淫らな眼差しから顔を背けて固く目を閉じた。
 何故ならお竜の恥ずかしい言葉にさらされながら、意に反して股間が熱く潤ってきたのを覚えたからである。
元禄江戸異聞 根来(二十九)目次元禄江戸異聞 根来(三十一)

コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2017/03/30 07:56
    • 「十五六のおぼこ娘じゃあるまいし」
       「娘十八番茶も出花」という言葉があります。
       でも元々は、「鬼も十八番茶も出花」だったそうです。
       器量が悪くても、年ごろになれば少しは娘らしい魅力が出てくるということ。
       なんか、身も蓋もないですね。
       「娘十八」の方がずっと華やかです。
       でも、「番茶も出花」には、「器量が悪くても」の意味が含まれてるのです。
       安い番茶でも、入れ立てなら美味しいと。
       となるとやはり、頭は「鬼も十八」じゃなきゃおかしいわけです。
       しかし、十八と云えば、昔なら子供が2人くらいいてもおかしくない歳です。
       「娘十八」は、↓こう続くのが正しいとか。

      「娘十八番茶も出がらし」

    • ––––––
      2. 娘→女→鬼HQ
    • 2017/03/30 17:58
    • >男相手であれば……早晩嵐は過ぎていく
      >だが……女同士ではそう簡単に事は済まない
       なるほどねえ。
       わたしは、女同士というのはAVと、小説での経験?しかありませんが、さもありなん、というところです。


      >「娘十八番茶も出花」
       聞きはじめです。
       やはり、「鬼も……」が原型じゃないですかね。

      >「娘十八番茶も出がらし」
       上手い、座布団一枚。
       これなら納得です。

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2017/03/30 19:54
    • 番茶
       長いこと、飲んでませんね。
       子供のころ、祖父ちゃんが飲んでました。
       でっかい湯飲みでしたね。

       十八で出がらし呼ばわりは、可愛そうですよね。
       今時のオナゴなら、「娘三十番茶も腐敗」でしょうか。

    • ––––––
      4. ♪夏も近づくHQ
    • 2017/03/30 21:54
    •  ↑♪八十八夜(なんぼ何でも季節感が……)

      先日の入院騒ぎ以来……
       番茶もほうじ茶も玄米茶も飲まず、麦茶ばかり飲んでいます(体にいいから、ただしわたしの場合)。
       昔は、冬に麦茶なんてありえなかったでしょうけど……そういう意味ではいい時代になったものです。

       紅茶とコーヒーは飲んでます。

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2017/03/31 07:34

    •  紅茶が大丈夫で、なんで番茶やほうじ茶がダメなんです?
       みんな、同じ茶葉ですよね。
       玄米茶にも、茶葉が入ってます。
       ウーロン茶も、同じ茶葉です。
       ↓サントリーのお客様センターで調べました。
      http://www.suntory.co.jp/customer/faq/001870.html

    • ––––––
      6. 謎が謎を呼ぶHQ
    • 2017/03/31 13:00
    •  じゃなくて↓

      KKKKKKKKKKK謎の解明KKKKKKKKKK
       書きませんでしたっけ。
       先日の入院中、栄養管理士さんに言われました。「血中カリウム濃度が高い」。高カリウム血症、と云うそうです。
       カリウムは重要なミネラルですが、過ぎたるは及ばざるが如し。多すぎてもダメなわけで、どうもその調節機能がおかしくなっているようです。

       で、勧められたのが食事療法。要するに、カリウム含有量の少ない食品を食べなさい、なんですね。で、ネットで検索して、禁忌食品をチェックしながらの、現在の食生活です。
       お茶はそもそもカリウム含有量が少ないんですが、中でも麦茶が少ない、ということです。ちなみに、紅茶はわずかですが更に少ないです。
       ウーロン茶は紅茶、麦茶の倍くらいのカリウム含量です。

       同じ茶葉なのになぜカリウム含有量が異なるのか、と云いますと、製品になるまでの葉の処理法(ほとんど知りませんが)の違いじゃないですかね。
       野菜などでは、生は多い。加熱処理、特に煮こぼすとカリウム量が激減する傾向にあるようです。

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2017/03/31 19:47
    • 雁有無
       水だけ飲んでればいいんでないの?

       カリウムは水溶性なので……。
       ゆで汁を捨てる調理法なら、確実にカリウムを減らせます。
       しかし、野菜を煮こぼす……。
       不味そうですのぅ。

    • ––––––
      8. 醜女
    • 2017/03/31 20:26
    • 5 伊織の尻の奥の奥まで舐めたい!

    • ––––––
      9. 天仙地仙尸解仙HQ
    • 2017/03/31 21:49
    •  ↑仙人三種
        てんせん・ちせん・しかいせん

      不味い煮こぼし野菜
       だから、お茶くらい飲ませてくれよ。酒はあかんのだし。
       まったく……そのうち枯れ切って、昇仙しちゃうんじゃないかね。

    • ––––––
      10. Mikiko
    • 2017/04/01 08:14
    • 醜女さん&ハーレクインさん
      > 醜女さん

       毎回、熱烈な一言コメント、ありがとうございます。
       こんな熱烈なファンがついて、八十郎さんは羨ましいですね。


      > ハーレクインさん

       カリウムは、おしっことして流してしまうのが良いそうです。
       飲むなら、利尿効果のあるコーヒーがいいんじゃないですか。
       でも、薬があるんでないの?

    • ––––––
      11. ドラッグストアHQ
    • 2017/04/01 10:28
    • コーヒー
       は、現在主食?です。
       飲み過ぎは体に悪い、とも聞きますが、じゃあ日に何杯がリミットなん?と云っても個人差があるでしょうしね。
       ココアとか、生姜湯とか、各種飲み物を探索しております。


       そもそも原因が何なのか、の説明はなかったしなあ。
       来月、検診がありますから聞いてみますかね。しかし担当医、不愛想だからなあ。
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