Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
元禄江戸異聞 根来(二十三)
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「元禄江戸異聞 根来」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(二十三)


「桔梗様……、もうお休みになられましたか……?」
 まだ明けやらぬ山の中で、抱き合った二人を薄暗い静寂が包んでいた。
「……いや……」
 ぽつりと呟いた桔梗に蔓は目を開く。
「どうして? 寒うございますか……?」
「いや……寒うはない。こうしていると心地よいのだが、何故か……かえって寝れぬようになってしもうた……」
 蔓は桔梗と重ねた頬が火照るのを感じた。
「ええ……何故でしょう、私も同じ……」
 再び山の静けさが二人を包みこむ。

「蔵の中で私が傷を負った時、桔梗様はわが身を顧みず助けに飛び込んで来てくださいましたね」
 桔梗は目を開けた。
「い、いやそれは……」
「先ほど小言を申しましたが、本当は私……、嬉しかった……」
 桔梗は口をつぐんだ。
「私、そんなことされたのは初めてです……」
「かずら……」
 微かに水平線を見せ始めた東の空を桔梗はじっと見つめた。
「私の窮地に関わってはいけないと先ほど申しました。そしてそれがお役目のためだと……、覚えていらっしゃいますか?」
「うむ」
 互いの頬をすり合わせて桔梗は小さくうなずいた。
「でも今は……、今は違います。それはお役目の為ではなく、それは桔梗様、あなたの身を大事に思うからです……」
「かずら……」
 桔梗は蔓に回した両手に力を込めた。

 蔓は一層桔梗に頬を寄せながらつぶやく。
「きっと私は、桔梗様とこうして抱き合っているのが嬉しくて、眠れなくなったのだと思います……」
 それを聞きながら桔梗は、二人の身体が次第に熱を帯びていくのを感じた。
「わたくし、もうひとつ桔梗様が隠しておられることを知っておりますよ」
「隠していること……?」
 蔓の頬の上で、桔梗は不安げにその視線をさ迷わせた。
「桔梗様は本当は女であるにもかかわらず、何故か女の方に心が揺れるのでしょう……?」
「かずら!」
 思わず目を見開いた桔梗ではあったが、同時にその言葉に羅紗の顔を思い浮かべていた。
「当たりましたか……?」
「そ、そんな」
 蔓は薄っすらと顔を紅潮させて続ける。
「私が寝袋にお誘いした時、私の身体をご覧になった時、そして裸で抱き合った時、私にはそれが分かりました。もっともこれは五感の先の、六感というものですが……」
「お、おまえ……」
「桔梗様のことは、わたくし何でもわかります」
 桔梗は蔓から頬を離すと、正面から蔓の切れ長の目をにらんだ。
「お前は悪い女だ。そ、そんなことを……」
 そんな桔梗の咎めにも、蔓は微かに笑みを浮かべた。
「ええ私は悪い女です。でも桔梗様、私が味方でよかったでしょう? それに、私が言っていることが嘘だとおっしゃるなら、ちょっと確かめてみましょうか?」
 桔梗の身体から離れた蔓の右手が、するすると下へ滑り降りていった。

「あ! いや!」
 突然桔梗の中の女の声が上がった。
 滑り降りた蔓の指が、あっという間に着物の裾をかき分けて、太ももの間に滑り込んで来たのである。
「大丈夫ですよ。何も怖いことは致しませんから。……ね、ほら……」
 蔓はそう言いながら、二人の顔の間にゆっくりと右手の指をかざした。
 そしてその指の先は、まだ暗い中にも微かに鈍い光を放っていたのである。
「や、やめろ……」
 思わず桔梗は左手でその蔓の右手を遠ざけた。
「桔梗様がまだ何もご経験がないのは分かっております。でもあなたの女の身体はこのように……」
 蔓は再びその指を二人の身体の間に滑り込ませた。
「女の私に応えて潤っているのです」
「あ、……あ! ……やめ……」
「いいえ、やめません。お願いです桔梗様、少しの間だけ、私の言うとおりにして」
「や、やめろ! ………あ、……ああ!」
「桔梗様……」
 蔓は感に堪えたようにその名を囁いた。
 片手で身体を抱き寄せながらその淡い陰りを押し分けたとき、桔梗の熱いぬめりが蔓の指にまとわりついて来た。
「ああ………やめて……」
 桔梗のか細いそのつぶやきは、もう若い女の声そのものに違いなかった。
「桔梗様、このように濡れても粗相ではございません。何も恥ずかしいことではありませんよ。成熟した女であれば、誰でも皆こうなるのです……」
 そんなことを囁きながら、蔓は桔梗の女を微妙に揺り動かし始める
「で、でも……このようなこと……ああ! ……いけない……」
 まだ乙女の桔梗は、自然と蔓の行為に身を抗わせてしまう。
「何も恥じることではありません。だからもうしばらく、私のいうことを聞いて」
「いや……このようなこと……ああ!」
 一層熱い潤みに蔓の指が滑りこんで、桔梗は身体を震わせた。
「お願い桔梗様……。これから私たち何時どこで離ればなれになるか……。私が桔梗様に女の喜びを教えて差し上げます……」
 蔓は桔梗の身体からゆっくりと力が抜けていくのを感じた。

「ああ! ……はあはあはあ……あああ!」
 桔梗はやるせなく身を震わせながら、まるで早駆けでもしたかのような荒い息を吐いている。
 横抱きに蔓から抱かれたまま、押し開かれた太ももの間で蔓の右手が微妙にその動きを速めていた。
 首の下から回された蔓の左手が、上向きに弾む乳房を優しく揉みしだいて、時折その頂点の怒った様な乳首に指先が戯れる。
「ああ……うう……」
 眉を寄せてぐずり泣くような声を上げ始めた桔梗の顔を、蔓は愛おし気に見つめた。
「切ないですか? そろそろ我慢できないでしょう……?」
 いったん熱いものから指をずり上げて、陰毛を愛液で泡立てながら蔓は囁いた。
「ああ、かずら……あう!」
 急にしこった乳首を指で遊ばれて、桔梗は夢中で蔓の肩口をつかむ。
 そんな桔梗の表情をじっと見つめながら、蔓は再びその指を桔梗の濡れそぼったものに忍ばせていった。
「こうですか? それとも………こう?」
「あひ!」
 皮を剥かれて敏感な突起をいじられた桔梗は、蔓の腕の中で逃げるように身を抗わせた。
「あ、桔梗様にはこれは強すぎますね……。じゃあ………こう……?」
「ああ……!」
 強張りごと女の潤みを三本の指で揉み込まれて、桔梗は反り上げた体をわなわなと震わせた。
「うふふ、桔梗様……。さあ何もかも忘れて、私に身を任せて………」
「ああ……いやああ……」
 桔梗はそう声を上げながら、身をのけ反らせて蔓の両肩を掴んだ。
「さあ、もうだめでございましょう……? 恥ずかしくはありませんよ。桔梗様はとっても、おきれいです。……さあ、ほら……」
「はあ、はあ、あああ……」
 桔梗は夢中で蔓の背中に両手を回してその身体を引き寄せる。
 危うく触れそうになった唇を蔓は必死で脇に逸らした。
 桔梗のうなじに深く顔を埋めると、むずがる桔梗に口を開く。
「私の口に触れてはいけません。私の下の方にも……」
 蔓は桔梗と思う存分口を吸い合い、体中隈なく愛し合いたかった。
 しかし蔓には桔梗にそう出来ない理由があったのである。
「ああ蔓! ……ああいやあ……」
 狂おしく蔓に責められながら、桔梗の背筋に熱い火柱が上がり始めた。
 曲げ伸ばしする桔梗の足の指にやはり足の指を絡ませながら、蔓の右手が忙しなく桔梗を追い上げていく。
「ほら、桔梗様。何もかも忘れて、あたしに抱き着いて、さあ!」
「ああだめだめ! ……ああいやああ……!!」
「さあ来て! 桔梗様!!」
「あ!くう……!!」
 突然息を詰めて背中を反り上げると、桔梗は蔓の右手を揺さぶりながらその腰を二三度跳ね上げた。
「あ………!!!!」
 蔓はうなじから顔をあげて桔梗の極みの顔を見つめる。
「桔梗様………」
 思わず己が両太ももをきつく閉じ合わせて、蔓はしどけなく口を開けて桃源郷をさ迷う桔梗の身体を愛おしく抱き締めたのである。


 八畳間の隅で、頭の後ろで両手を組んだ秋花が壁に背をもたれている。
 座敷の中央で向かい合わせに座った鷹が春花に口を開く。
「なんということだ。お前たちとしたことが、二人がかりで賊を取り逃がすなど」
「う~ん、でもあんな術を使うなんて……。ねえ秋ちゃん」
 話を振られた秋花も、仕方なくその背中を壁から起こした。
「でもそいつらの顔はようく覚えた。もうここいらでは気軽に動けはしないよ」
「腕が立つのは認めるが、お前たちはそれに乗じて少し酔狂が過ぎる。これに懲りてもっと地道にお役をこなすことだ。いいか?」
 春花と秋花は示し合わせた様にその可愛い顔を頷かせた。
「それにしても毒針と虫まで使ったとなると、そいつは丹波の使いの伊賀ではないな……」
 春花と秋花は、腕を組んで考え込んだ鷹の様子をじっと見つめた。
「きっと港の貸主が港の動きが気になってお庭をよこしたのだ」
「貸主って……、丹後かい? その庭番っていうと………」
「その手口からして、おそらく甲賀の一族……」

「甲賀……」
 双子の姉妹はそう呟いて鷹の続きを待った。
「丹波の手前、事を荒立てぬようまずは調べによこしたのだろう。それも特に腕の立つ奴をな……」
 その話を聞いて、春花と秋花は互いに鋭い眼差しを交わす。
「この度の仕事前にしても、我々にとっても、一番嫌な相手だ」
「鷹、心配いらないよ。今度見つけたら必ずあたしたちが始末を……」
 鷹は秋花の話の途中で険しい顔を上げた。
「そいつは蔵の中で袋に近づいたのか?」
「ああ、袋の紐を解きかけていたよ」
 春花の返事に鷹はため息をついた。
「ではもう荷の中身は知れてしまったに違いない。五感を研ぎ澄まして毒や薬を使う奴らは、袋の前に立っただけで中身に見当を付けたはずだ」
「そ、そんな……」
 顔を見合わせる双子の前で、鷹は険しい表情で口を開く。
「春蘭にも伝えて、明後日次の荷を受け取ったら出来るだけ早く荷を移すんだ。家主の丹後が踏み込んで来るかもしれん。丹後の人質はいないからな」
「よし分かった」
 珍しく真剣な顔つきで部屋を出ていく双子を見送りながら、鷹は次の仕事場になる京の都に思いを馳せていた。
元禄江戸異聞 根来(二十二)目次元禄江戸異聞 根来(二十四)

コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2016/12/22 07:26
    • 伊賀流と甲賀流
       伊賀流の本拠は、三重県伊賀市。
       対する甲賀流は、滋賀県甲賀市。
       この両市、県は違いますが、実は、山一つ隔てて隣り合っているのです。

       昔から、この2つの流派は、敵対してきたように描かれます。
       ですが、実は、流派同士が敵対していたわけではありません。
       代理戦争だったのです。

       甲賀の地は、織田信長を経て豊臣秀吉の支配下に入ります。
       主な任務は、徳川家康の監視活動でした。
       対する、伊賀ですが……。
       『本能寺の変』のおり、徳川家康は堺にいました。
       軍隊を率いていたわけではありません。
       信長の招待を受けて、京に来ており……。
       『本能寺の変』当日は、家臣と共に堺を観光してました。
       そこに、事件の一報が届きます。
       明智光秀の追っ手が、すぐ近くまで来ているとの知らせです。
       兵を率いてない家康は、ほとんど丸腰同然です。
       まさに、絶体絶命。
       これを救ったのが、伊賀流の服部半蔵なのです。
       明智の追っ手や土民の襲撃を交わし、家康を三河に脱出させました。
       有名な『伊賀越え』ですね。
       家康は忍びの力量に驚嘆し、以来、積極的に伊賀忍者を雇うようになりました。
       伊賀忍者に命じられたのが、豊臣配下だった甲賀忍者の追討なのです。
       人に雇われて働く忍者の宿命でしょうか。

    • ––––––
      2. ♪天城越えHQ
    • 2016/12/22 08:41
    • 伊賀vs.甲賀
       『伊賀の影丸』を持ち出すまでもなく、大方の時代ものでは伊賀は正義の味方、甲賀は悪の権化、というのが定番です。
       つまり、徳川様大事、憎しや豊臣、というところでしょうか。
       もちろん大阪は太閤秀吉はんの地元。徳川がなんぼのもんじゃい、なんですが、どういうわけか忍者は伊賀びいきです。

       見たか!木の葉隠れの術(隠れられたら見えんわな)。

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2016/12/22 19:14
    • わしが行ってみたいのは……
       ↓『甲賀の里忍術村』。
      http://koka.ninpou.jp/

       『甲賀忍術博物館』『からくり忍者屋敷』『手裏剣道場』など、お楽しみ満載じゃ。
       近かったら、『単独旅行記』で行くのじゃが……。
       甲賀の里は、あまりにも遠し。

    • ––––––
      4. 遥かなり甲賀HQ
    • 2016/12/22 21:12
    • うっとこからだと……
       JR東海道線で滋賀の草津駅へ。
       ここで同じくJRの草津線に乗り換えて甲賀駅下車。
       ここから徒歩?30分ほどで、滋賀県甲賀市甲賀町隠岐394 甲賀の里忍術村着。
       所要時間2時間。乗車料金1,320円です。時間的には、車でも同じくらいかかるようです。

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2016/12/23 07:49
    • 草津
       滋賀にもあるんですか。
       そこも温泉地ですか?
       草津の語源は、「くさうず(臭い水)」から来てるそうです。
       硫黄臭いわけですね。

       ↓甲賀駅からは、無料の送迎バスが出てます。
      http://koka.ninpou.jp/access.html

    • ––––––
      6. ♪お医者様でもHQ
    • 2016/12/23 13:18
    •  ↑草津の湯でも 惚れた病は治りゃせぬ

      草津の湯emoji:bus>
       わたし、子供のころはそう思ってました。
       せやないんやと。
       温泉の草津は関東の上州群馬。近江の草津には温泉は無いんやで、と知ったのはさあ、幾つの頃かなあ。

       近江の草津には、東海道五十三次の一つ草津宿があります。
       中山道の草津宿もありまして、琵琶湖の湖上交通にもつながるという、交通の要衝ですね。
       群馬の草津とは、友好交流協定を結んでいるそうです。

      甲賀の里の無料送迎バス
       駅からかなり遠いですからねえ、あるんじゃないかなあ、と思ってました(自分で調べんかい)。

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2016/12/23 18:31
    • 滋賀の草津温泉
       銭湯であったようですが……。
       ↓残念ながら閉店しました。
      http://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20160625000040

       甲賀の里とコラボして、忍者温泉とかにできなかったんでしょうか。
       水遁の術で入浴するとか。

    • ––––––
      8. ♪草津よいとこHQ
    • 2016/12/23 22:48
    •  ↑一度はおいでア ドッコイショ

      近江の草津温泉
       名物銭湯だったようです。
       どうしても上州草津をイメージしちゃいますから、それなりに客寄せ効果はあったんでしょうね。でも、実際、滋賀県草津市にあるわけですから、パクリでも、名称詐称でもありません、大いばり。

      コラボったって……
       結構離れてるよ、草津と甲賀。20㎞くらいかな。
       草津で「忍者温泉」なんて言ったってピンと来ないでしょう。

      >水遁の術
       お風呂は肩までつかりましょう(わたしの親の口癖)。

    • ––––––
      9. 醜女
    • 2016/12/28 23:38
    • 5 醜い女達にレズレイプされる展開ないですかね?

      世界観、エロさどれを取っても最高です!

    • ––––––
      10. Mikiko
    • 2016/12/29 07:20
    • なるほど
       わたしの小説は、美人が醜女を虐める趣向。
       みんな違って、みんなイイ、ですね。
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