Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
単独旅行記Ⅲ(97)
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 総理秘書官は、殺された松尾のほか、官邸に隣接する官舎にも詰めてました。
 そのひとり、迫水(さこみず)秘書官は……。
 官邸内の叛乱軍将校に電話し、遺骸の検分を認めてくれるよう交渉します。
 叛乱軍の方には、実物の岡田総理を見た者がいませんでした。
 当時は、テレビもありません。
 岡田総理の顔は、新聞の粗い白黒写真でしか知らなかったわけです。
岡田総理即死の誤報記事
↑例の岡田総理即死の誤報記事。左上が岡田の写真。

 しかも、身代わりとなった松尾は、顔面にも銃弾を浴びていました。
 叛乱軍としても、遺骸が本当に岡田総理か確証がほしかったのでしょう。
 検分は、許可されました。

 迫水秘書官は、もうひとりの秘書官と連れ立って官邸に入りました。
 そして、岡田総理の遺骸と引き合わされます。
 布団が捲られると……。
 そこに仰向いていたのは、岡田首相ではなく、義弟の松尾秘書官でした。
 2人の秘書官は、懸命に自らの表情を殺します。
 将校の「間違いありませんね」との問いに、2人は無言でうなずきました。
陸軍教育総監(陸軍大将)・渡辺錠太郎の遺骸
↑こちらは、陸軍教育総監(陸軍大将)渡辺錠太郎の遺骸。杉並の自宅で殺害されました。軽機関銃で蜂の巣にされたそうです。

 迫水秘書官らが帰り際、女中部屋の前を通りかかると……。
 女中が2人、押入れを背にして座りこんでいました。
 どこか傷めて動けないのかと思い、「怪我はなかったかね?」と聞くと……。
 女中は、「お怪我はございませんでした」と答えたのです。
 この言葉で、迫水らはハッと気づきました。
 岡田総理は、押し入れの中にいる。
 2人の女中は、岡田を守って、押入れの前を動こうとしないのだと。
 もし、叛乱軍が踏みこんできたときには……。
 おそらく女中は、身をもって楯となる覚悟だったのでしょう。

 官舎に引き上げた秘書官らは、岡田総理の救出計画を練りました。
 一か八かの勝負ですが、妙案が浮かびました。

 迫水らは、官邸内の叛乱軍将校に、せめて弔問させてくれと申し入れます。
 聞き遂げられると……。
 岡田(当時68歳)と同年代の老人を10名ばかり集め、弔問客に仕立てて官邸に入ります。
 弔問はもちろん、叛乱軍将兵の監視の下です。
 押入れに逃げこんでいる岡田は、当然、寝間着のままです。
 迫水は隙を見て、押入れ前の女中に喪服を渡します。
 岡田が押入れ内で着替えた頃合いを見計らい、巡回の切れ間をついて岡田総理を連れ出します。
 そして、多数の弔問客の中に紛れこませたのです。
 迫水は、顔を伏せた岡田を抱えるようにして玄関に向かいます。
 見張りの将兵には、「遺骸を見ちゃいかんと言ったのに仰天したんだ。困った老人だ」と言いながら……。
 そのまま邸外に連れ出し、車に乗せました。
 まさに、奇跡としか言いようのない脱出劇でした。
岡田生存を伝える、2月29日の新聞
↑岡田生存を伝える、2月29日の新聞。

 こうして命を拾った岡田でしたが……。
 激しい自責の念に苛まれます。
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コメント一覧
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    • ––––––
      1. 脚本家ハーレクイン
    • 2016/10/21 12:41
    • 総理を見知らぬ叛乱軍
       これは、総理殺害を企む側としては「お粗末」の謗りを免れません。
       で、身代わり義弟は顔面に銃弾、ですか。これも状況がさせたとはいえ、本来の目的のためには不細工な仕儀、ですね。
       で結局、確認のために敵方を導入、コロッと騙される、と。
       まじにお粗末ですね。きちんと計画を練ったのかね。赤穂浪士の綿密な作戦を見習えば良かったのに。
       それに引き換え、救出側の計画は、急ごしらえながらお見事。女中さんの決死の対応もお見事。「「お怪我はございませんでした」。
       迫水秘書官が敬語に疎かったら(昔の人はそんなことあり得ないでしょうけど)、押し入れ総理に気付かなかったでしょう。まあ、すべてがうまく進んだ、というところ。
       こういうのをご都合主義、いや、結果オーライといいます。
       しかし、ほんとにドラマか映画を見るようですが、2・26もので岡田救出劇なんて見たことないなあ。誰か撮ってくれんかのう。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2016/10/21 19:52
    • そう云えば……
       討ち入りの赤穂浪士は、吉良上野介の顔を見知ってたんでしょうか?
       おそらく、誰も見たことはなかったのでは?
       江戸城との行き来は、駕籠でしょうしね。
       当時は、写真すらありません。
       炭小屋に隠れてた老人が上野介だと、どうやって確認したんですかね?
       寝間着姿の老人だから、その家の主人だと?
       もし吉良が、影武者を仕立ててたら……。
       騙されたかも知れませんね。
       岡田総理救出劇。
       確か、『歴史秘話ヒストリア』でやりました。
       ドラマ仕立てでした。
       迫水秘書官役は、林泰文だったと思います。
       松坂大輔に似た俳優さんです。

    • ––––––
      3. 首実検ハーレクイン
    • 2016/10/21 21:52
    • 吉良チェック
       当時の吉良邸は、屋敷というより要塞。考えうるあらゆる防護策を施したいわば小さな城でした。赤穂浪士の吉良探索がほとんど夜明けまでかかったというのも、無理からぬところ。
       この吉良邸の見取り図を手に入れる、これが赤穂側の大きな課題でした。何とかそれは手に入れたようですが、それでもこれほど時間がかかった。
       それだけに、吉良側にも油断があったのでしょう。吉良本人はともかく、警固の武士には、待ち構える、どこからでも来いという緊張感は無かったようです。まあ、そんな緊張感を長期間維持するというのも困難なことでしょうけど。
       結果的に、吉良は単身、寝間着一枚で発見されました。で、最終確認ですが、映画・ドラマでは「確認するまでもない」「吉良に決まっとる」という設定が多いようです。中には、
       大石「吉良殿ですな」
       吉良「ここな狼藉者どもが! 斯様な無法、許されることではないわ!」
      と、吉良自らに自白?させています。
       岡田総理の場合のように、気の効いた女中でもいてうまく隠してやればなあ、とも思いますが、これは言うても詮無きことです。
       
      歴史秘話ヒストリア
       ははあ、なるほど。
       林泰文。
       松坂大輔似。似てるかなあ。少し貫禄が無いように思えますが……あ、若い頃の松坂、かな。 

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2016/10/22 08:02
    • だから……
       影武者を立ててれば、ぜったいにバレなかったはず。
       影武者が殺されそうになったとき、「おれは吉良ではない」と言い出しても……。
       討ち入り側は言い逃れと判断し、聞く耳持たなかったでしょう。
       わたしなら、影武者を50人くらい用意しますね。
       「木を隠すなら森」の原理です。
       で、吉良邸中を、50人の上野介が逃げ回るんです。
       討ち入り側は、1人ずつ倒していくわけです。
       これ、ゲームに出来ませんか?
       なんで林が、若い頃の松坂なんです?
       松坂大輔の方が、林泰文より8つも年下です。
       『歴史秘話ヒストリア』。
       きのうは、寿司の回でしたよね。
       いちおう、録画してありますが……。
       地震の影響で、テロップとかが流れてしまってるかも。
       井上あさひ嬢、美人です。

    • ––––––
      5. 江戸前寿司HQ
    • 2016/10/22 11:20
    • 林泰文
       だからあ、実年齢がどうこうという問題じゃなく、要は似てるかどうかだろ。
      握り寿司ヒストリア
       ご心配なく。テロップは流れません。
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