Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
元禄江戸異聞 根来(十六)
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「元禄江戸異聞 根来」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(十六)


 海から引き上げられる網が初夏の日差しにきらきらと輝いた。
 冬には目も開かぬほど吹きすさぶ風も、今は緩やかに薄緑の水面を揺らしているばかりである。
 岸に寄せた船の横を三人の女が通りかかって、網を引く漁師の手が止まった。
「いいから続けな」
「へ、へえ、親分」
 一目で玄人と分かるお召が濡れぬよう、お竜は網から身を遠ざけた。
 そんなお竜の頭越しに大きな女が網を覗き込む。
「ほお、生きのいい魚が上がったじゃないか」
 いきなり毛皮をまとった大きな女の出現に、老年の漁師は目を丸くした。
「あ……。じゃあ、後で親分とこへお届けしますんで」
「ああ、頼む」
 そんな問答を交わす蓬莱を残して、鷹とお竜はもう四、五間先を歩いてゆく。

「丹波の段取りがついたと知らせが入った。いよいよ乗り込むよ」
 そう言って穏やかな海を眺める鷹に、お竜は訝し気な顔を向ける。
「前からあたしゃ腑に落ちなかったんだけど、丹波に海端の段取りなんて……」
 鷹はその言葉に片頬を緩めると、松林の木陰に足を進める。
「出来るんだよそれが、ただし丹後と摂津にね。自分の領地に海のない丹波は、金を払って他藩で港を借りてるのさ」
「へえ……」
 木陰に入った二人は波が白い線を描く海景色に目を細めた。
「そこの報告は書面を丹後と摂津に納めるだけだし、働く人間は丹波の一存で選ぶことが出来るんだ……」
「なるほど、そいつは……」
 目を輝かせるお竜に鷹はしたり顔の笑みを向ける。
「我々が乗り込む先は、丹後の潮影という港だ」
「潮影……」
 お竜は舞台の名前をつぶやいた。

 やっと蓬莱が日陰に入って来る。
 鷹はそのまなざしを海からお竜へ向けた。
「乗り込むのは、私と飛燕、春秋花姉妹、春蘭、手下四五人。親分からは帳場、三下、人足、漁師……。わかったかい……?」
「ああ、わかった」
 小さく頷くと鷹は続ける。
「沙月女と蓬莱は念のためここに置いていく。二三日内には出立したいが、親分の方も追って準備が出来そうかい?」
「ああ、訳はないさ。任しときな」
 不満げな顔つきの蓬莱が口を開く。
「どうしてあたしは一緒に行けないんだ?」
「あんたは……」
 鷹は笑みを浮かべると続ける。
「沙月女と一緒にここを守ってもらわないと困るだろう? 丹波の二刀流と江戸からも伊織たちが向かってるそうだ。もし目障りになるようなら、始末してしまいな」
「あはは、そうか」
 蓬莱は思いがけず愛嬌のある笑みを浮かべた。
「それに、向こうでの取引が進めばここを中継して京に舞台が広がる。その時は春秋花と春蘭は京で動いてもらうんだ」
 鷹の顔から笑顔が消える。
「若の居場所を考えているが、こいつがちょっとひっかかる。人質ってのは諸刃の剣になる時もあるからね……」
 お竜と蓬莱に暫時視線を送ると、鷹は海に背を向けて歩き始めた。

 屋敷に戻った蓬莱を見て、板張りや廊下にたむろしていた若いものが一斉に場所を開ける。
 視線も動かさずにその中を通り抜けると、奥の障子の中に大きな体が消えた。
「帰ったよ」
 茣蓙の上で得物に油を塗っていた沙月女が顔を上げる。
 癖のある髪の毛を頭上に束ねて、浅黒い顔に大きな目と歯の白さが目立つ。
 筋肉質で引き締まった体は南方の血でも混じっているのか、日本人離れした野性的な雰囲気を漂わせていた。
「ああ、お疲れさん」
 蓬莱は沙月女の前に腰を降ろして口を開く。
「もう丹後の港に乗り込むそうだけど、あたしと沙月女は留守番らしいよ」
「ああ、知ってるよ」
 手裏剣に油を塗りながら沙月女は素っ気無く答えた。
 実際鷹の右腕である沙月女がそんな大事を知らないはずはなかったのだ。
「ふん、知ってたのか……」
 蓬莱はつまらなそうにつぶやいた。
 上目遣いにそれを見た沙月女に笑みが浮かぶ。
「あたしと一緒じゃいやかい?」
 蓬莱は急いでかぶりを振った。
 沙月女は目の前に広げた得物を油紙に包み始める。
「あたしは蓬莱が好きだよ」
「あ、あたしもさ」
 一途に見つめる蓬莱と顔を見合わせると、沙月女は満面に笑みを浮かべた。
「じゃあ、術を解きなよ」
 心なしか蓬莱は顔を赤らめる。
「ええ? でもまだ明るいし……」
「いいじゃないか。奥へ行こう」
「う……ん。わかった……」
 蓬莱はゆっくり身を起こすと、沙月女の前で仁王立ちになった。
 胸の前で両手のひらを合わせると、大きく息を吸い込む。
 六尺に余る巨体から蓬莱がゆっくり息を吐いていくと、あろうことか赤黒くさえ見えたその肌の色が徐々に白く変化していくのだった。
 それと同時に、固く盛り上がっていた筋肉が目に見えて細くなり、しなやかな女の体に変化していく。
「蓬莱……」
 沙月女がそう呟いた時、現生の天女のような美しい蓬莱が目の前に立っていた。
 立ち上がった沙月女に手を引かれると、身の丈を縮めるようにしてその胸に身を寄せる。
 二人はそのままもつれ合って、ふすまの奥に姿を消していった。

「ああ、だめだめ……沙月女、あたしもう……」
 茣蓙の上に毛皮や白布のふんどしが散乱する中、蓬莱の白い身体が蛇のようにうねった。
 大きく広げられた長い両足に黒い筋肉質の二の足を交差させて、上から沙月女が濡れたものを蓬莱と揉み合わせている。
 下腹部に腹筋の形さえ見え隠れさせて、沙月女は激しく蓬莱を追い立てていた。
「はあ……はあ……沙月女……あ~、あたしはもうだめ……」
 湿った粘着音の中に、ぶりぶりと空気のせめぎ出る音が混じる。
「あああ……ああだめ!!!」
 蓬莱のしなやかな身体が突然強ばって震える。
 極みの快感に体を貫かれて、長い手が沙月女の尻の肉を掴んだ。
「ああ蓬莱!! ……ああ………く……」
 沙月女もそう叫びをあげて、背を反り上げる。
 汗で濡れ光った見事な乳房が幾度も弾むと、その黒い身体がゆっくりと蓬莱の体に崩れ落ちていった。

 熱い吐息も静まって、蓬莱は沙月女の胸で薄っすらと目を開いた。
「あたし、沙月女といると嬉しいよ……」
 そんなつぶやきに、沙月女は蓬莱の顔を覗き込む。
「修行してた子供のころ、図体ばかり大きくて要領の悪いあたしは皆に苛められてばかりだった。そんなあたしを、沙月女はいつもかばってくれたよね」
 思わず沙月女は両手で蓬莱の体をしっかりと抱いた。
「でも今は、蓬莱があたしを守ってくれるじゃないか」
「うん」
 蓬莱は沙月女の胸から体を起こす。
「沙月女はいつもあたしが守ってあげる。さあ術を戻すよ」
 そう言って立ち上がると、蓬莱は胸の前で両手を合わせ大きくお気を吸い込んでいく。
 天女から仁王の様にたくましく変化していく蓬莱を、沙月女は頼もしく見上げたのだった。


 ようやく峠を超えて下りに差し掛かり、大石桔梗その小柄な身体から大きな息を吐いた。
 もう明日には若狭の海端に近づく道のりである。
 その距離から推し量ると、伊織たちより自分の方が先に小浜に着くと思われる。
 しかし賊がまだよく分からない以上、単独で迂闊な行動をとることは避けねばならない。
 目立たぬように状況を探りながら伊織たちの到着を待つのが賢明だと思われた。
 そうぼんやりと思案する桔梗の左前方に、お茶の文字を下げた小さな小屋が目に入った。
“今日はずいぶん距離を稼いだ。少し休んで参るか……”
 胸元で背袋の紐を緩めながら、大石桔梗は小さな茶小屋へと足を進めた。

「頼む」
 小屋の入り口からそう声をかけると、桔梗は前の縁台に腰を降ろして編み笠を外した。
 大きな街道とは違って、山越えの道筋には人もまばらだった。
 今周囲を見回しても、別の縁台に若い女の薬売りが座っているばかりである。
「ご苦労様でございます。まずはお茶を一杯……」
「うん、済まぬ………ん?」
 店の老婆が傍らに置いた盆の上には、お茶の横にねじった手拭いが置かれていた。
「山の水で絞りましたんで、少しは冷とうございますよ」
「おお、それは有り難い」
 桔梗は手拭いを開いて火照った顔を覆った。

「ああ、お武家様!」
 老婆の叫びで慌てて桔梗は手拭いを取ると、縁台に置かれた桔梗の編み笠が、山から吹き下ろす風に乗って舞い上がっていた。
「ああ……」
 そのまま編み笠が谷川の崖に落ちようとした時、何やら飛んできた棒のような物が傘を捉えた。
「まあ、思わず杖を投げたらうまく傘に当たりましたねえ」
 そう言って立ち上がった薬売りの女が、驚いたように口に手をあてる。
 慌てて桔梗が傘を取りに行くと、網目を貫いた女の杖が網傘を崖の手前に押さえ付けていた。
「む……」
 桔梗は無言で杖を編み笠から引き抜く。
「申し訳ございません。思わず無作法なことを致しまして……」
 年頃は三十路前であろうか、女は青白くさえ見える顔を曇らせて桔梗に頭を下げた。
「い、いや、世話になった。例を申す」
 杖を渡すと、桔梗は女に頭を下げた。
「まあ、とんでもございません。では私はこれで……」
 急いで市女笠を被ると、薬売りの女は若狭方面へと歩き去っていく。
 桔梗はその女の背中をじっと見つめていた。
 とっさに杖を投げるなどという仕業は、普通の女には到底出来ぬことだと分かっていたからである。


 * 本作はフィクションであり、史実に基づいた内容ではありません。(汗)
元禄江戸異聞 根来(十五)目次元禄江戸異聞 根来(十七)

コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2016/09/15 07:58

    •  山田風太郎の『忍法帖』みたいですね。
       とにかく、奇想天外というか、不思議な小説群でした。
       山田作品では、『魔界転生』が映画化されてます。
       『忍法帖』は、ぜひAV化してほしいです。
       エロ忍術、たくさんありましたから。
       CGを使えば、面白いものが作れると思います。
       ただ、AV女優は、セリフがまったくダメな人も多いですからね。

    • ––––––
      2. セリフ棒読みHQ
    • 2016/09/15 17:09
    • >ねじった手拭い
       おしぼり、ですか。
       当時からあったんですかね、おしぼり。


      >セリフが全くダメな……

       まあ、よがり声さえ上げてくれればよし。
       ですが、しっかりしたセリフ回しの出来る女優さんも多いです。
       例えば、“ロリ界の神”『つぼみ』。妖艶熟女『艶堂しほり』。

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2016/09/15 19:42
    • おしぼり
       ちょっと調べれば、恥をかかずに済むものを。
       ↓Wiki『おしぼり』の記述です。
      +++++++++++++++++++++++++++++++++++
      おしぼりの歴史は、『古事記』や『源氏物語』が書かれた時代まで遡ると考えられている。前身となっているのは、お公家さんが客人を家に招く際に提供した、“濡れた布”。江戸時代になると木綿の手ぬぐいが普及し、旅籠(はたご)と呼ばれた宿屋の玄関に、旅人のために水を張った桶と手ぬぐいが用意されるようなり、客は手ぬぐいを桶の水に浸してしぼり、汚れた手や足をぬぐった。この“しぼる”という行為が、おしぼりの語源になっていると言われている。
      +++++++++++++++++++++++++++++++++++

       AV『忍法帖』。
       ↓近いものは作られてました。
      https://www.youtube.com/watch?v=s-gfINzxE58

    • ––––––
      4. 恥の譜ハーレクイン
    • 2016/09/15 20:56
    • ほおおお~
       『古事記』『源氏』のおしぼり!
       提供者は公家!
       この世は、驚きに満ちていますねえ。 

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2016/09/16 07:31
    • 楽しいですねー
       ものを知らないってことは。
       死ぬまでが、驚きの連続です。

    • ––––––
      6. びっくりドンキーHQ
    • 2016/09/16 12:53
    • 驚きの連続
       HQ’s Adventures in Wonderland ってとこですかね。
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